髪を切ろう
人は何ヶ月おきに髪を切るのだろうか。私は三ヶ月に一度くらいだ。妻は一年に一度か二度だろうか。もっとこまめに髪を切ればと妻に言うのだが、女性が髪を切るのは、男性みたいにちゃっちゃと切れるものではないらしく、それが嫌でなかなか足が向かないようだ。
出張が多いせいで、住んでいる沖縄で髪を切ることはない。そんな時間があれば家にいたい。必然的に髪を切るのは出張先だ。覚えている店は、北海道岩見沢、札幌の時計台ビル、仙台、鳥取…他にもあちこちで髪を切った。私の場合、髪が伸びると頭皮が蒸れて荒れてしまう。フケが増えて不快になるので、そうなる前か、なってしまった直後に切ることがほとんどだ。だいたい三ヶ月おきになる。
今日は岡山から16時までに豊橋に移動して、17時から会議だ。その後はすき焼きだ、肉だ、ご馳走だ。13時半の新幹線に乗れば間に合うので、それまでに髪を切り、食事をすることにした。
さて、どうやって探そうか。多くの理髪店は商店街にあるものだ。ならば商店街を行くまでだ。
30分歩くが見つからない。
こうなったらネットの力だ。出でよ、Googleマップ!さあ、理髪店の場所を教えておくれ。ふむ。そこか。歩いて五分ほどだ。こんな住宅街に店があるのか?あった。年季の入った店だな。ドアを開ける。満員だと断られる。ふん、慣れっこだよ。次、行ってみよう。が、見つからない。地図に記された場所に理髪店は存在しなかった。
ならば一番離れた店はどうだ?やけくそ気味で商店街から外れ、横の道に入る。目の前にガラクタが置かれている。川がにありますと書かれている。
なんじゃ、こりゃあ?
この店を一言で的確に表現できる言葉があれば教えていただきたい。
まず、分かることは、朝、旭川で獲れたばかりの子持ちのもずくガニと、これまた朝に獲れたての味のよいしじみと、天然うなぎを売ってること。分からないのは、ここがそれらを売る店には到底見えないことだ。店先に並んでいるのが、商品なのかディスプレイなのかも分からない。「買います」って、なにを買ってもらえるのか、想像もつかない。
店の横にも昭和の看板が勢ぞろい。値札がついてるわけでもない。
岡山に新しい謎を見つけてしまったのだが、いずれ、岡山の知人たちが私に答えを教えてくれるだろう。くノ一(岡山駅前にある謎の店)のときもそうだったではないか。
さらに歩くこと五分。たどり着いた先は、およそ理髪店とは思えない店だった。
ものすごく念入りに髭を剃られて、顔が痛い。明日は髭を剃れないな。
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