岡山駅ランチ
朝一の飛行機で沖縄から福岡に飛び、新幹線で岡山駅まで来た。午後から会議なのである。外は土砂降り。桃太郎もずぶ濡れだ。
ホテルに荷物を預けると、ランチを食べるためにまずは岡山駅構内を歩く。
さて、何を食べようか。
海鮮丼に天ぷらかあ。なぜか食指が動かない。
エビめしにデミカツ丼。うーん、微妙。
吾妻寿司。悪くはないのだが、おそらく今の私には寿司や海鮮を食べる気がないのだな。
おお!岡山名物勢揃い。さわら、黄ニラ、ままかり。
たい?明石じゃなくて?
あなご?広島じゃなくて?
タコ?これも明石じゃなくて?
岡山駅北口を出る。さらに店を求めさまよう。ここには私の食欲を刺激するような店はないのか。お、ここの昼定食はどうだろうか?
微妙。
一体、何を食えばいいというのか?
男うどん
この辺りは以前もさまよったが、ラーメン屋ばかりだった。洋食屋もあったが、ランチはパスタばかりだ。
女子か?
その時、私の眼前に現れたのは男うどん。思い出した。何度もこの前を通って、いつかたべてみようと思っていた店である。
好機。
メニュー
ふむ。男の肉うどんに男の肉ぶっかけ。中盛・大盛無料。なかなか男前のメニューではないか。よし、ならば食わせてもらおうか、男うどんとやらを。躊躇せず店の扉を開けた。カウンター席に通される。
さて何を食べようか。やはり肉うどんが定番か。それとも季節限定のおろしぶっかけうどんか。
ご飯ものもメニューにある。
ぶっかけもののメニューだ。
先ほどはスルーしたデミカツ丼が気になる。うどん出汁から作り上げたデミソースとは、果たしてどのような味なのか。しかも小うどんセットを頼めば、うどんも食えるではないか。
これならガッツリと食えて、私の気持ちも食欲も胃袋も満たせそうな、そんな気がする五十歳。決めた、決めたぞ。そう、私はデミカツ丼、小うどんセットを食らうのだ!ふはははははは!
はーあ。
お腹減ったなあ。水でも飲んでよっと。ほどはまだ雨が降っている。
デミカツ丼小うどんセット
さて、やってきましたデミカツ丼小うどんセット。まずはうどんちゃんから頂いちゃいますよ。うーん、カツオの香り強い、甘くないつゆ。わかめとネギの香りもいい。うどんは太めで適度なコシ。これくらいのが好きだな。七味をかけると味が一層深まる。
では、デミカツ丼、いってみようか。その前に小鉢の冷奴を一口。ん?豆腐の味が濃い。大豆がぎゅっと濃縮された感じだ。薬味はネギと生姜、醤油は辛口。これに鰹節があれば完璧だと思うが、岡山では使わないのだろうか。
さあ、今度こそデミカツ丼だ。なかなかな存在感だ。カツを一口かじる。ふむ。パンチはないが優しい味のデミソース。和風だしだからなのこ、紅ショウガとも相性がいい。肉は厚め。がっつりと食べる。脂少なめの肉から旨味が溢れる。野菜の量が少ないのが残念なのだが、こんなものか。金沢カレーくらい入れてくれてもいいのに、などと思いながら、食べ進む僕。美味い、美味い。
お昼をすぎて、どんどんと客が入ってくる。ほとんどの客が天ぷらうどんを注文する。女性の一人客もちらほらといる。やはりうどんを食べている。
だよな、この店でデミカツ丼は食べないよな。だからこそ、みな、この味に気がつくことはないだろう。デミグラスソースが違うのだよ!
最初から気になっていた、この手前にあるデカイやつ。メンチカツだろうか。一口かじる。いや、メンチではない、ロースカツだ!
なんじゃ、このボリュームは?ご飯と肉が同量ではないだろうか。いや、これはすごい。いつもならきっと完食できなかった。朝四時起きで、朝食が機内食だった今なら、コンデイションはバッチリだ。
なんだか食えそうな気がする。
普段ならゴール直前で心が折れて、絶対に残しただろう。完食だ。加古川のかつめしとは、また一味違う一品だ。
今度は発祥の店で食べてみよう。その前に、男うどんで男のぶっかけを食べなければ。
外はまだ土砂降りだ。絶対にここは「晴れの国」ではない。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)