2024年4月29日

宮崎県日南市をタクシーでめぐる 道の駅と鵜戸神社

日南観光

この日、昼間はゴルフ組と観光組に分かれて、夜は合同で懇親会。こんな日程だった。私はゴルフはしない。若い頃にしたことがあるが、金がかかるスポーツは無理だ。今の私には他にもたくさんしなくてはならないことがある。残り30年しかない人生、それも健康で30年間過ごせるかどうかの保証などない。まだ小さな子供たちと妻のためにも、後期高齢者になるまで稼いで、私が歳をとっても、若い妻が私の介護などで苦労しないで済むくらいの金を用意せねばならないのだ。

そんなわけで宮崎県内をプチ観光することになり、タクシーをチャーターして、南に向かうことになった。案内人は都城市民。行き先は日南市。

「今月でもう三回目ですよ。」

日南市のガイドなら任せろという、どこの市民だか分からない都城市民が言った。

「都城(みやこんじょう)はマジで何もないんで。」

天気が悪いのが残念だ。予報でも一日曇りか雨で、青空は望めそうもない。車は日南市に向けてぐんぐん走る。私の中で「日南市」と言えば、思い浮かぶのはビッグダディの元嫁の美奈子が一時期住んでいた街、くらいだ。南国を想像する人も多いだろうが、沖縄に住んでいたら、宮崎はちっとも南国ではない。九州の陸の孤島だ。新幹線も高速もない、九州島内を唯一、飛行機で移動しないとたどり着けない秘境なのだ。

なんて言うと宮崎県民が怒りそうだが、事実である。

道の駅フェニックス

鬼の洗濯板

まずは道の駅フェニックス。ここからは鬼の洗濯板を一望できる。長い年月をかけて自然が作り上げた波状の岩だ。

ハマユウの花

宮崎の県花「はまゆう」あちこちに咲いていた。

ソフトクリーム売店

道の駅で売っているソフトクリーム。日向夏ソフトを食べてみようかと考えていたのだが、明日葉ソフトにえびソフト?はたして美味いのだろうか。テレビで話題になりそうな製品だが、ノーサンキューだ。結局、なにも食べずに土産だけ買って帰った。売店に置かれていた「魚(ぎょ)うどん」なるものが気になったが、食べたことがないものを土産に買うのは、さすがに躊躇する。定番の肉巻きおにぎりとチキン南蛮を買ったのだった。

鵜戸(うと)神宮

午後、鵜戸神宮に寄ることになった。予報では天気はどんどん崩れていくはずなのだが、降水確率予報が時間とともに下がっていった。それどころか、ところどころ青空も見え出した。

太平洋を望む

もしや、好天?

日南観光協会のHPによると、鵜戸神社とは次の通りだ。

鵜戸(うと)神宮は「鵜戸さん」と親しみを込めて呼ばれる宮崎県南で最も有名な神社。太平洋に突き出した鵜戸崎岬の突端にある洞窟の中に、朱塗りの色鮮やかな御本殿がご鎮座する珍しいものです。岬のまわりには奇岩、怪礁が連なり太平洋の荒波が打ち寄せて、美しい景勝地となっています。また、男性は左手、女性は右手で願いを込めながら運玉を投げ、亀石と呼ばれる岩の枡形に入れれば願いが叶うといわれています。ぜひ一度、運を占ってください。

https://www.kankou-nichinan.jp/tourisms/209

楼門の前に全員で記念撮影。外国人観光客も少なくない。もしかしてパワースポット?隠れた観光地?門をくぐって前に進む。

鵜戸神社 

参道は海沿いにある。海側の東空は晴れつつあった。

鵜戸神社 参道

岸壁に沿って参道が整備されているのか。こんな場所にある神社には初めて来た。海がよく見えるし、風が心地よいが、暑い。眼下に参道が見える。あそこまで降りるのか。

鵜戸神社 海岸

参道を進むと下に降りる長い階段にたどり着く。その先の洞窟の中に神社の本殿がある。若い女性の旅行客が参拝していた。

鵜戸神社 本殿

本殿の中には時間を知らせる太鼓、いわゆる時太鼓(ときたいこ)だろうか。そばに巫女が座っていた。

お乳岩

本殿の裏に回ると「お乳岩」があると札に書かれているのだが、どうみてもわからない。乳房をかたどっていると言うことで、二つの岩があるようなのだが、どう目をこらしてもそれらしきものが見当たらない。あきらめて写真を撮り、あとで確認することにした。

このお乳岩とは、豊玉姫が子供を育てるために両乳房を洞窟の岩にくっつけていった、という伝説とのこと。

豊玉姫ってだれ?神社のHPによると次の通りだ。

山幸彦(彦火火出見尊)が、兄(海幸彦)の釣り針を探しに海宮(龍宮)に赴かれ、海神のむすめ豊玉姫命と深い契りを結ばれた。山幸彦が海宮から帰られた後、身重になられていた豊玉姫命は「天孫の御子を海原で生むことは出来ない」とこの鵜戸の地に参られた。霊窟に急いで産殿を造られていたが、鵜の羽で屋根を葺終わらないうちに御子(御祭神)はご誕生になった。故に、御名を「日子波瀲武鸕鶿草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)」と申し上げる。

http://www.udojingu.com/keidai/

この長い名前のご祭神は玉依姫(たまよりひめ)と結ばれて神武天皇を産んだとされている。そう、初代天皇だ。

お乳水

そして、ここのご主祭神は、お乳岩から滴り落ちる水でつくった飴を母乳がわりに、お育ちになったといわれている。現在のおちちあめもお乳岩から滴るお乳水でつくられている、とのことだ。

本殿の前の海には「霊石亀石」がある。神社のHPによれば、次の通りだ。

霊石亀石

母君豊玉姫が出産の為に乗って来られたと言われる霊石亀石(れいせきかめいし・桝形岩)がある。この亀石の背中に桝形の窪みがあり、この窪みに男性は左手、女性は右手で「運玉」を投げ入れ、見事入ると願いが叶うといわれている。

観光客が石を投げ入れていた。なかなか難しそうだが、一人が見事に投げ入れていた。

自然が作り出した奇岩がそびえたつ海。天孫降臨を彷彿とさせる光景に圧倒されたのだった。

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