小僧不動
宮城県石巻市から山形県新庄市まで車での移動である。海鮮丼を堪能したのちに、新庄までは二時間ほどの道のりである。天気もいい。せっかくの機会なので、道中、それほどルートから外れない場所で見所がないかをスマホで検索する。
「不動の滝」
ここならばさほどルートを外れることなく観光できるようだ。有名な観光地もいいのだが、地方の外れにある、こじんまりとした滝も悪くないものだ。人がいないし、マイナスイオンと水の流れ、滝壺の音や清浄な空気を独り占めできる贅沢さがたまらないのだ。
国道398号線から国道457号線に入り、小田ダムに向かう道を曲がる。地図によれば北上川の支流のそのまた支流である長崎川のさらに枝となる沢に水神社とともにあるようだ。
細い道を行くと、不動小僧水神社と書かれた看板に出くわした。
ここか。
車を停める場所はない。鳥居の脇に少々のスペースがあったので、ここに車を停めた。
入口の鳥居をくぐり、杉林のトンネルような緩やかな山道を歩く。脇には渓流が流れている。緑が映えて美しい。ネットで検索した時に、渓流の写真撮影の練習に適していると書いてあったがその通りだ。流れているのは名もない沢で、すぐ下流で長崎川に合流するようだ。
この水は「小僧山水」と呼ばれる名水であり、この清冽な清水を使って仕込まれた日本酒もあるのだ。
小僧不動水神社
山道を進むと神社の全体が見えてきた。手前に手水が流れている。
これも滝の水を利用しているのだろうか。
滝は神社の裏手に位置する。境内を越えて裏手に回る。
杉林から太陽が見え隠れする。写真にすると見事な旭日である。
小僧不動の滝
神社の裏手に回ると滝が見えてきた。沢に橋が架かっていて、左岸と右岸の双方から眺めることができる。
橋のたもとから滝を眺める。高さ7m。水量は少なめなのだろうか。清浄な空気にマイナスイオンが充満しているような雰囲気だ。気持ちがいい。ごうごうと滝つぼを打つ水の音が心地よい。
橋から神社側を見渡すと、このような景色である。清らかな渓流が足元を流れている。
橋を渡ったところで滝を眺める。こちらから眺めた方が美しいように感じる。高くそびえた杉の木に太陽は遮られ、岩に囲まれた静かで涼しい空間にしばし体を預ける。すがすがしい。
座る場所がないので、立ったままでは長居ができないのが残念だ。それでもじっくりとマイナスイオンを浴びた気がする。橋を戻り、滝つぼを眺める。毎年1月には、地元の青年会がここで寒中みそぎを行うようだ。東北の山の中で冬に滝に打たれるなんて、ドM以外の何物でもない。自分をいじめたら願いが叶うというのはいかがなものだろうか?自己研鑽や努力は自分をいじめる者とは限らない。スポーツ系ですら、かつては自己虐待としか言えないような練習が主流だったが、今では科学的に効率よく、体に負担をかけない方法に様変わりしている。
昔から続く伝統を否定する気はないが、受験生であれば、ここで合格祈願の修練をするよりも、勉強したほうがよほど効果的だと思うのだが。風邪でもひいたら逆効果である。
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