誓願寺
誓願橋を渡り少し歩くと誓願寺に着く。と言っても寺ではない。川の流れが寺が焚く香の煙のようにみえることから名づけられたそうだ。
案内板の右手の橋からみえる眺めが絶景なのである。どこまで行っても青い水面を眺めることができる。
ここからの眺めをPhotoSynthesis機能で撮影してみた。スマホでこれなのだから、デジカメの画質で撮影できたらどれほど美しいだろうか。橋を渡ったところから下流を眺めたところである。誓願橋からは眼下に見えた白い岩が少し先にあるのが分かる。
デジカメで撮影した画像はこちらだ。高さで3分の2、幅で3分の1しか撮影することができない。デジカメにも横方向のパノラマ撮影機能はあるのだが、縦方向までカバーする撮影機能は搭載されていない。ジンバルを使うしかないのが悔しい。LightroomやPhotoshopでもやろうと思えば撮影と合成は可能だが、かなり手間がかかる。空間をなぞるように動かすだけで超広角撮影ができるPhotoSynthesisはすごいのだ。
橋からの絶景を眺めた先にぽっかりと開いた黒い空間。これって…まさかの手彫りトンネルではないか。岩をくりぬいただけの、人が歩くのがやっとのサイズ。まさに抱返りではないか。
中はかなり暗い。外が明るいだけに目がすぐになれるわけもなく、注意しながら進む。足元も滑りやすい場所があるので、用心が必要だ。
抱返り頭首工
トンネルを抜けると遊歩道は再び川沿いに続く。眼下にコバルトブルーの水面と白い岩肌が織りなす美しい光景を見ることができる。
少し歩くと、大きな堰と取水口の管理施設が見えてきた。抱返頭首工だ。ここでは最大毎秒12.1トンもの水を取水して、主に農業用水として使用されている。
樹々が生い茂って少々見づらいのだが、頭首工の上流側からの風景である。堰き止められた青い水面が見える。ここで取水された水は田沢疎水としてこの地を潤し、江戸時代から先人たちが苦難の上に何度も挫折した、広大な荒野の開墾が実現したそうだ。詳しい歴史は秋田県のウェブサイトで知ることができる。
田沢疎水は疎水百選にも選ばれているそうである。そんな百選があると言うことは、疎水マニアなる人たちがいるのだろうかと調べてみたら、疎水名鑑なるウェブサイトを見つけた。水土里(みどり)ネットという組織が管理してるようだが、著作権表記は英語で農水省と記されている。しかも著作権が”Copy Light”と残念な表記になっている。税金使ってこんなページしか作れないのかと思ったのだが、こちらは古いようで、新しいウェブサイトは正しい表記になっていた。
水名鑑なるウェブサイトを見つけた。水土里(みどり)ネットという組織が管理してるようだが、著作権表記は英語で農水省と記されている。しかも著作権が”Copy Light”と残念な表記になっている。税金使ってこんなページしか作れないのかと思ったのだが、こちらは古いようで、新しいウェブサイトは正しい表記になっていた。
回顧の滝
ついに遊歩道は行き止まりとなった。左手にはコバルトブルーの水面、右手には目的地の回顧(みかえり)の滝がある。
遊歩道と水面の間には緑の木々が勢いよく茂っている。アイダモの木だ。コバルトブルーを背景に白い小さな花が咲き乱れている。
右手に見える見返りの滝までは遊歩道で近くまで行くことができる。
回顧の滝の案内板に説明が記してある。
美しい滝に二度見する、ということなのだろう。コバルトブルーのカラフルな景色とは対比的に、黒い岩肌を流れる白い瀑布がモノトーンで美しい。ちょうど日陰になっているので、なおさらである。北向きのこの滝に太陽があたるのは、年に数時間ほどではないだろうか。
女性が着物を着換える様…に見えるだろうか。昔の人は想像力がたくましい。高画質の写真や映像があふれた現代社会では、そのような想像力はもはや不要となり、衰える一方であろう。
駐車場を出発してから40分。ここから駐車場まで帰りもやはり40分かかった。抱返渓谷の眺めをゆっくりと楽しむなら、やはり二時間は欲しい。いつか家族で訪れたい場所が、またひとつ増えてしまった。
こちらの記事もどうぞ:
アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。