2024年4月26日

秋田県仙北市 抱返渓谷 駐車場~若松堰

そうだ、山に行こう

秋田県大仙市大曲、合併する前は秋田県大曲市。ここで名物の納豆汁を食べた後に、田沢湖まで車で移動して、新幹線で一関に向かうことにした。初夏を思わせる、とても天気のいい日だ。

抱返渓谷 案内板

田沢湖にまっすぐ向かわずに、どこか渓谷がないだろうかとネットで調べる。田沢湖抱返り県立自然公園なるものを見つけた。「だきがえり」と読む。とても険しくて道が狭いために、人がすれ違う際に抱き合って振り返ったためとのことだ。江戸時代のことだろう。

抱返渓谷 案内板

まずは車を駐車場に停める。案内図を見ると夏瀬までの往復が散策コースとなっているようだ。実際には回顧(みかえり)の滝より先は通行止めになってるようである。案内板の奥には神社があり、遠くには吊り橋が見える。

抱返渓谷 石碑とつり橋

抱返神社

この地域は江戸時代、1673年に開村された。それに伴い1675年にこの神社が建立された。

抱返神社

神社のそばを流れる小川は、抱返り渓谷の玉川から引いた水のようだ。こんなに豊かな水量なのに、透明で澄んだ流れに驚く。

抱返神社そばの小川

神社を過ぎて遊歩道を進む。緩やかな上り坂である。木漏れ日がまぶしい。

抱返渓谷 遊歩道

左側斜面の日陰に美しい花が咲いている。羅生門蔓(らしょうもんかずら)、シソ科の多年草だ。日本昔話「羅生門の鬼」、この話の中で切り取られた鬼の腕と花の形が似ていることから名づけられたそうだ。花言葉は「幸せを招く」。

羅生門蔓

神の岩橋

遊歩道を登りきると視界が開ける。目の前に広がるのは、玉川にかかる吊り橋、神の岩橋だ。

抱返渓谷 神の岩橋

大正15年(1926年)に完成した、秋田県では最古の吊り橋であり、名称は旧神代村と旧白岩村から一文字ずつ取って名付けたとのことである。

抱返渓谷 神の岩橋

橋からの見える絶景に驚く。こんなに美しい川が流れてるのに、観光客は数えるほど。ほとんど知られていないのかと思う。iPhone XsMaxでMicrosoft PixのPhoto Synthesis 機能を使って撮影してみた。カメラを動かすことで広い景色を撮影することができる機能だ。開発者がナイアガラの滝を一枚に収めたくて作り上げた機能のようだ。

抱返渓谷 神の岩橋からの眺め

デジカメではパノラマを撮影できても、上下左右に動かして広い景色を撮影するのは難しい。一眼レフで超広角レンズを使うか、コンデジならばジンバルを使って自動撮影をするしかない。それがスマホアプリでは簡単に撮影できてしまう。さすがに画像を拡大するとスマホ画像だと一発で分かってしまうが、画面で見る分には分からないだろう。

対岸に近づくと若松堰の全景が見える。

抱返渓谷 神の岩橋からの眺め 若松堰

橋を渡ると河原に降りる道がある。河原の手前は遊歩道として整備されている。

抱返渓谷 神の岩橋

河原に降りると橋を見上げる形になる。

抱返渓谷 神の岩橋

河原から見上げた橋は逆光なので景色がいまいち。反対側からの眺めはエメラルド色の水面と新録の緑に赤い橋が映えて美しい。

抱返渓谷 神の岩橋

若松堰

河原から上がり、遊歩道を歩く。山査子の木が花をつけている。満開だ。山査子の実は漢方薬に用いられるが、中華料理では割とよく使う調味料である。甘酸っぱい実は個人的には好きな味だ。

山査子の花

遊歩道を歩くと見えてくるのが若松堰。このあたりの農業用水を取り込んでいる。

抱返渓谷 若松堰

川に近寄って若松堰を臨む。川の流れを邪魔しないような工夫がされているのか。調べてみると、この堰は1673年に作られて、このあたり一帯の新田開発を推し進めたとのこと。現在の堰は平成24年に建設されたが、奥側に魚道を設置し、手前側の堰には見た目に自然石を貼り付けて景観を邪魔しないように配慮した設計になっている。

抱返渓谷 若松堰

このあたりが第二駐車場になっていて、トイレもあった。ここからは本格的な山道を歩くことになる。ハイヒールで歩くのは恐らく無理だろう。ここから誓願橋まではこちら

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