2023年9月29日
田沢湖風景

秋田県仙北市 田沢湖景観 ~納豆汁をおみやげに~

はじめての田沢湖

軽い気持ちで訪れた抱返渓谷にて素晴らしい景観をたっぷりと堪能した後は田沢湖に向かう。私が持つ知識は二つだけだ。日本で一番深い湖であること、何年か前にサカナくんが絶滅したと言われていた魚を見つけたところだったような気がした。うろ覚えである。

調べてみると、もともと田沢湖にはクニマスが住んでいた。ところが戦前に玉川の水を田沢湖に引き込んだために水質が悪化して、クニマスは絶滅したのである。抱返渓谷の青い川面は強酸性の生物が住めない水なのだ。現在でも田沢湖の酸性度は4.6であり、水質は弱酸性である。

田沢湖湖畔

この玉川の源泉は玉川温泉である。塩酸と硫酸を含む強酸性の温泉である上に、ラジウムによって放射線も放出されている、凄まじい泉質なのだ。酸性度は胃酸とほぼ同じであり、古来より「玉川毒水」と呼ばれ、川が氾濫するたびに土地を枯らし、魚を殺してきたのだ。

田沢湖

この水を中和するために田沢湖に引き入れたところ、たちまち水質が酸性となり田沢湖の生物も絶滅した。田沢湖の水を引いて水力発電していた施設も、酸性度が高い水にやられて、数年でボロボロになった。現在は玉川上流で石灰石を用いて中和処理を行っているために、水質は弱酸性なのだとか。このようの強酸性のお湯が湧く地点が日本には他に二ヶ所ある。一つは草津温泉、もう一つは北上川である。いずれも東日本に存在する。

たつこ茶屋

田沢湖と言えば、日本昔話にも出てくる田沢湖の伝説「たつこ像」が有名とのことだが、抱返渓谷で予定外に時間を消費してしまったので、立ち寄るのをやめてたつこ茶屋に車を停めた。もともと田沢湖は「辰子潟」と呼ばれていたそうで、なにかしら「辰子~」という名称が付いているのだろう。

辰子錘

水面は透き通って湖底がクリアに見渡せる、コバルトブルーの美しい水だ。抱返り渓谷の川面と似通った色は、おそらく生物が少ない酸性の水のためだろう。

田沢湖湖面

ここから一望する景色もなかなかのものである。手前の水面は透明感にあふれ、奥に行くほど湖面に青空が移り、コバルトブルーに変化していく。湖畔には白い砂浜。湖底がもう少し白ければ、沖縄の海と買変わらない景色になったかも知れない。

田沢湖湖畔

秋田の郷土食 納豆汁

田沢湖を鑑賞したのちに、土産を買おうと駅前のスーパーに入ってみた。私が好きな地元系の店だ。いつもならクーラーボックスを持って魚を買うところなのだが、今回は持参していないので、野菜、それも山菜狙いだ。先週、熊本では山菜が終わり、ウドが旬を迎えたということは、北東北は今頃、山菜の旬ではなかろうかと考えたのだ。

野菜コーナーを見て回る。沖縄のスーパーでは見かけない商品が色々とある。店の奥に進むと、地元産野菜のコーナーがあった。これだ。タラの芽とウドが安い。ワラビも買いたかったが、要冷蔵品のために諦めた。

納豆汁原料

そうだ、水煮であれば保存も楽だ。地元産もいろいろあるだろうと、壁際の加工野菜コーナーに移動する。そこで私が見たものは、納豆汁の具。高いのものと安いものがある。高いものはすべて国産、安いものはロシア産と中国産の素材を使用していた。出汁にこの具を入れ、納豆を加えて味噌を溶けば納豆汁のできあがり、とラベルに書かれている。

本当なのか?

そんなに簡単に作れてしまうものなのだろうか。しかし、朝方に大曲で食べた納豆汁に大豆は一切見当たらなかった。

イリュージョン?

ネットで確かめてみる。便利な世の中になったものだ。三十年前ならば、図書館に行くか、本屋で立ち読みするしか調査方法がなかった。

納豆汁と山菜

なるほど。納豆をすり鉢で潰すのか。これは目から鱗だ。考えもしなかった。歯の生えそろっていないゆうたまにすら、大豆のまま納豆を食べさせていた。まさに温故知新、先人の知恵とは大事である。妻に教えよう。これならけいたまもゆうたまも、味噌汁で納豆を食べることができる。

油揚げだけは地元で調達するようだ。早速、日曜日にでも納豆汁を作って、家族で食べてみよう。

ミズとわらびの水煮も買ってお土産にした。これを煮物にしたら、山菜好きの妻が喜ぶはずだ。

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