流氷岬
昼食を済ませると、車を北に向かって走らせた。遊びに来たわけではないが、せっかくの紋別だ。滅多に来る機会がない。今年五月に初めて訪れたこの地を、三ヶ月を待たずに再訪することになるとは、人の縁とは分からないものだ。
どこに行ってみようかと地図を眺めていたら、郊外に「オムサロ原生花園」なるものを見つけた。植物園は様々な植物を植えて、世話をして、人に観せる施設だが、原生花園とは、文字の通り、原生している植物を自然のまま、ありのままの姿で観察できる場所だ。
原野に道と柵を作っただけとも言う。
車を目的地に走らせる。敷地内のネイチャーハウスの駐車場に車を停める。建物の裏側は海だ。オホーツク海だ。流氷岬の標識が建てられている。
オホーツク海の海岸は砂が黒い。調べてみると白いビーチもあるのだが、海外から白砂を持ってきているとのこと。ハワイと同じだ。日本列島が火山の集まりであり、火山岩は黒い。沖縄だけは珊瑚礁の海なので、白浜になるのだ。
オムサロ原生花園
ここから草原に進む一本道を歩く。オムサロ原生花園の標識が建てられている。
まるでアニメに出てきそうな一本道だ。空に吸い込まれる地平線まで続いてそうだが、実際には数百メートルしかない。生えているのも大半は雑草だ。ただの原野だ。植物園もしくは尾瀬のような整備された道を想像していると、激しく裏切られた気になる。
一部は湿原になっている。青々とした草の中に水面が光る。
原生花園に咲く花々
キラキラと光るノアザミの花が美しい。内地だと春に咲く花だ。沖縄ではゆうたまが生まれるころに、病院の庭で咲いていた。北海道ではハルジオンやレンゲソウもこの時期に咲いている。タンポポはさすがに前回来た時に咲いていた。
ノラニンジンの花だ。漢字で書くと野良人参。ニンジンの野生種とかで、食べられるらしい。日本語だと雑な名前だが、英語では と、少し高貴な名前が付いている。
遊歩道の終点。両脇にハマナスが生い茂る。右手にネイチャーハウスが見える。この先には進めないので、引き返すしかない。
プチトマトのような実は、ハマナスだ。いわゆるローズヒップである。食べると美味いらしい。
あちこちになっている。誰も摘み取らないのだろうか。
ハマナスの花。風が強いからか、きれいな花はなかなか見つからなかった。
こちらの記事もどうぞ:
アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。