紋別ランチ
オホーツク紋別空港から飛んでいる唯一の定期便は羽田行である。一日一便。フライトは13時10分。午前中に紋別駅付近でお土産を買ったので、残り時間でランチを済ますことにした。制限時間は50分。近くに店はあるか。
紋別駅にあるのはラーメン店のみ。うーん。
向かいにあるのは蕎麦屋。うーん。
麺じゃなくて、ご飯物がいい。
ネットで検索する。ん?「洋食あんどう」なる店がある。夕食は鮮魚なので、昼は洋食で肉というのもアリだ。車を駐車場から出す。すぐ近くだ。二分で着く。二分で…あれ?道に迷う。土地勘が無いから、最初から逆方向に進んでしまっていたのだ。
5分ほど浪費したが、なんとか店にたどり着くと中に入った。
洋食 あんどう
店内は渋い。いい意味で昭和だ。重厚だ。大きなフライパンで一度に何枚ものハンバーグを焼く。表面に焦げ目をつけるとフタをしてオーブンにフライパンを入れる。店内はほぼ満席だ。ギリギリセーフであったか。あとは12時半までに食事を終えられるかが問題だ。
メニュー
さて、なにを食べようか。
スープにアントレか…なんだか前菜にしては重い料理ばかりだ。調べてみると、アントレは前菜もしくは前菜の次に出てくる料理という意味なのだが、北米ではメインディッシュとされており、この混同から日本でもアントレをメインディッシュとする店が多かったようだ。年季の入ったこの店は、おそらく古いスタイルを維持したままなのだろう。
正直、どうでもいい。私としてはデビルマンの心境なのだ。「♪美味ければ~それで~いいん~だ~♪」ランチを選択する。
ランチ ハンバーグと白身フライ
キッチンではフランベしたフライパンから大きな炎が立っている。
「カウンターいくよ!」
シェフがデシャップに声をかける。私のランチか?想定よりも早く出てきたぞ。
背後から店員がスープを差し出す。正面からシェフがライスとハンバーグを差し出す。
野菜がないな。
まあいい、まずはスープからだ。一口飲む。口当たりが良い。丁寧に裏ごしされている。ほのかな甘さがいい。一気に食べる。
次はフライから行こうか。白身魚フライはサクサクでタルタルがうまい。レモンの酸味と相まって白身魚の魅力を引き出している。
ここでまさかのサラダ登場。あ、野菜があったんだ。混んでいたのでシェフが混乱したようだ。食べてみる。野菜がみずみずしくて美味い!フレンチドレッシングも私の好みドンピシャだ。写真を撮らずに食べてしまった。
クリームコロッケはあっさりしている。舌触りはもちろん滑らか。カニの身が入っているが自己主張はない。味が一つにまとまっている。タルタルソースでいただくのもありだな。
冷たい水がうまい。
ハンバーグは調味料とつなぎ控えめの肉の味に昔ながらのドミグラスソースで勝負なのだ。ひき肉独特の臭みもなく、口当たりもいい。固すぎず柔らかすぎず、熟練の技を感じる。個人的にはボリュームが足らないが、いい肉を使っているのでコスト的にこのサイズになるのか。店内はマダムばかりではない。私と同世代か少し若い客も少なくなかった。
次回来るなら、ビーフシチューが食べたい。
食べ終えると車を飛ばして紋別空港に。空港内の駐車場に車を停めると、空港ビル内のカウンターで精算完了。五分もかからなかった。これなら30分前に空港に着いても余裕で間に合ったな。
まるとみの海鮮丼は次回までお預けだ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)