2021年3月3日

妊娠25週目 ~妻の頸管とゆうたまとの闘いの日々~

朝起きると、八戸は快晴だった。昨日の雪が嘘のようだ。駅前から三沢空港行きのバスに乗って寝る。一時間もかかるのだ。しばし時間が過ぎて目を覚ますと、外は吹雪。嘘だろう?今は氷点下の世界だが、五時間後には沖縄の自宅だ。そして、十時間後には宮古島にいるはずだ。

沖縄に住んで18年になるが、離島に行ったことがない。石垣島も、昨年初めて行ったが、梅雨の土砂降りの中、会議のための一泊二日。ちっとも石垣島の美しい風景を見ることができなかった。今回の宮古島も同様だ。天気がイマイチなのもあるが、妻の容態が心配だ。早く家に帰りたい。

空港に向かうバスの中でJALから一通のメールが届いた。

「天候調査中。着陸できない場合は欠航となります。」

羽田から来た便が三沢空港に降りれなければ欠航になるということか。

雪の三沢空港

バスが空港に着くと、中から荷物を持った人たちがわらわらと出てきた。よかった、着陸できたのか。かなりの吹雪でも降りることができるんだなと安堵したのもつかの間、滑走路の除雪のために飛行機が遅れるという。乗り継ぎは大丈夫だろうか。千歳から羽田への便が遅れて、沖縄行きがすでに飛んでしまい、二時間待ちを何度か経験している。幸い、飛行機は遅れたものの、接続便もすべて遅らせて乗り継ぎできるように調整されていた。

沖縄に着くと電話で呼び出したタクシーで自宅に戻る。空港に停まっているタクシーは、あまり良くないので使わないのだ。遠回りされたり、場所を知ったかぶりされたり、ひどい目に何度も遭った。以前聞いた話だが、内地からの客がタクシーで那覇空港から那覇市内のホテルに移動するのに一万五千円もしたという。後からわかったのだが、空港から那覇と反対の糸満をぐるっと回って那覇に戻ったそうだ。だから私は那覇空港のタクシーには絶対に乗らないのだ。

機内から見た、雪の三陸海岸
機内から見た、雪の三陸海岸

妻の容態は問題ないようだ。そもそも頚管長短縮に自覚症状はまったくない。胎児が成長するとともに子宮が重くなり、身体の下に下がってしまうと、子宮口が開いて生まれてしまう。なので、頚管長が短いのは早産の一歩手前ということで、妊娠週に応じて「切迫流産」や「切迫早産」と診断されるのだ。

けいたまの出産もそうだった。妊娠糖尿に切迫流産。妻にとって、妊娠は病気を誘発するものなのだ。なんとか入院せずに乗り切りたい。今日からは家のことは最低限にして、洗い物も洗濯物も溜めておくように妻に言う。翌日に私が帰ってからやればいい話だ。絶対安静だ。起きる時は骨盤サポーターを装着する。ゆらゆら体操で子宮の位置を上げる。できることはこれくらいだ。これで頚管長が戻るとは思えないが、戻れば儲けものだ。

空港からは車を運転して那覇空港に行く。第3駐車場に車を停めると、宮古島行きの便に乗った。いつもなら妻が送迎してくれたのだが、今は絶対安静だ。何もできない妻が寂しそうな顔をしていたが、仕方がない。ゆうたまが元気に生まれるためには、耐えるしかない。まだまだ25週。たった1000グラムしかない。これから三ヶ月で三倍も大きくなるのだ。そして成長した赤ん坊は腹を突き破って…エイリアンかよ。

こちらの記事もどうぞ: