新宿の予備校に通うハルハルの三者面談があった。美大を目指して浪人している彼女が本当に合格圏内にいるのか、もしくは受験できるだけの力量があるのか、専門家の第三者からの意見はとても重要だ。芸術の話は聞いても分からないので、先生方の見解をぜひともストレートに聞いてみたかった。
九時半に予備校の前で待ち合わせたのだが、ハルハルがこない。仕方ない、受付に申し出ると、会場に案内された。最後までハルハルは来なかった。これではただの保護者面談である。その分、突っ込んだ話を聞くことができたので、よしとしよう。
面談後にハルハルから超焦っているLINEスタンプが届いた。
大丈夫よ。
今度は小田急ハルクに向かう。そう、恒例の物資調達である。ここの鮮魚コーナーは昔から物がいいのだ。
さて、何を買おうか。
生筋子が売っている。しかもセールしている。我が家では皆大好物だ。自家製いくらは親族にも好評なのだ。
ん?
「筋子は浸けてから二十四時間冷凍後に食べてください。」
筋子に寄生虫がいるの?聞いたことないなあ。どうしようかな。秋刀魚も高いな。だけどキレイだ。金目鯛の刺身、美味そうだが…沖縄産?
マジか?
確かに沖縄でもたまに金目鯛の刺身が売っている。何度か食べてみたが、違う魚、金目鯛に似ている魚だと思ったくらいだ。
美味しくないのだ。
それがこいつはどうだ。鮮度がいいのだろう。ツヤツヤで脂をまとった身はキラキラと輝いている。
こいつは間違いなく金目鯛だ。
でも、沖縄で売っているのとは大違いだ。どうしよう。
最大の問題は、いつものクーラーボックスではなく、近所のスーパーに買い物に行くときに使う、貧弱な保冷袋を持ってきてしまったことだ。こいつで六時間も保冷できるとは思えない。
うーむ。
とりあえず、京王百貨店に向かう。ここの鮮魚コーナーもなかなかなのだ。やはり生筋子が売っている。ここで卵をほぐしてくれるとある。ここでも浸けてから冷凍しろと書いてあるが、時間は倍増の四十八時間だ。
うーむ。
美味そうな魚を横目に売場を去る。無念。となりの八百屋でカブが安く売っていた。おお!春菊も安い! 沖縄では高くて買う気がしない。 ミョウガも香菜(シャンツァイ)もお買い得だ。野菜を買って、バスタからリムジンバスに乗り込み羽田空港に向かった。
こちらの記事もどうぞ:
アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。