稲佐山観光ホテル ランチ

長崎市 稲佐山観光ホテル 朝食とランチ

稲佐山観光ホテル

長崎県長崎市、日本三大夜景に数えられるこの地の景色を見下ろすのは稲佐山である。標高333m、東京タワーと同じ高さと思いきや、塔の先端は海抜351mであり、稲佐山の方が低い。とはいえ港町の長崎である。海抜0メートルからの300メートルはなかなかきつい。ロープウェーで頂上まで行くこともできるが、その中腹より上にいくつものホテルが建っている。特にこのホテルは開放的な作りになっていて夜景が美しい。

敷地内には桜の木が数多く植えられており、春になればロビーから桜吹雪が舞う幻想的な光景を鑑賞することができる。もちろん夜桜もライトアップされて美しいらしい。数年前には、映画アオハライドの撮影も行われた。

数年前に客室の大改装を行ったので、雰囲気もぐっと高級になった。お値段も少々高くなったがそれはまあいい。大浴場もあるのでゆったりと過ごすことができる。もちろんプライベートで訪れた場合の話である。仕事となれば、温泉宿で温泉に入れずに部屋のシャワーを浴びて帰ることも珍しくない。

朝食バイキング

昨晩はギョーザ鮮魚ちゃんぽんとコースを食べ歩いた。あれだけ食べたにもかかわらず、朝になれば空腹がやってくる。このホテルは夜景もきれいだが、飯も美味いのだ。妻とも訪れたことがある。一人では何回も宿泊してきた。朝から豊富な種類のおかずを味わうことができる。それも一品一品が地元の食材を生かした、一工夫された料理なのだ。悔しいことに減塩中の私が食せるのはほんの一部である。以前ならばガツガツと食べていた。

ホテルのレストラン名は「珍陀亭(ちんたてい)」である。「珍陀」とは、ポルトガル語のTinto、赤ワインのことである。戦国時代にポルトガルから伝わった赤ワイン、いわゆる「ポートワイン」のことらしい。ポートはポルトガルのこと。ポルトガルで生産される、酒精強化ワインとのことだ。発酵途中のワインにブランデーを加えることで発酵が止まりブドウ果汁の甘みが残る。アルコール度数の高い甘口のワインができあがる。日本でも、かつて「赤玉ポートワイン」が流行したが、ポルトガル政府から抗議を受けて、現在は「赤玉スイートワイン」と呼ぶらしい。

珍陀亭はチトセピアにも支店がある。トルコライスが美味い。最近では、スタッフが試作したローストビーフ雲丹のせマグロ丼を供するとの話も耳にした。 ちなみにトルコライスもトルコには存在しないメニューであるが、トルコ政府は困惑するだけで、抗議はしていないようだ。

味噌汁にお粥も具材が充実している。

新しい郷土料理「長崎そっぷ」。「そっぷ」とはスープのことだ。長崎ではそっぷと呼んでいたらしい。沖縄でシチューを「ステュー」と呼ぶのと同じだろうか。長崎そっぷは魚介を汁物にして食べることを指すらしい。ごはんに掛ければ鯛茶漬けである。

洋食派には嬉しいパンコーナー。なかなか素材にもこだわっているようだ。デニッシュ生地の食パンは独特の味わいと食感がたまらないのである。

フルーツとヨーグルト。種類が少ない気もするが、最近では生フルーツが置いてないホテルも少なくないので助かる。無塩食にフルーツは欠かせないのである。西日本は味付けのりが主流だが、このホテルでは焼き海苔を出しているのも無塩派には嬉しい。

ご飯は羽釜で炊いたものだ。コメが立っていて甘みがある。自宅では実現できない味わいなのである。

ランチ弁当

朝食後は身支度を済ませると、本日の仕事の準備だ。打合せだ。このホテルで昼から夜まで事業を行うのである。私が事業の総責任者であるから、細かいところまでチェックしなくてはならない。そして昼はランチミーティング、いわゆるランチョンだ。お弁当はホテルにオーダーした。おかずに茶碗蒸しご飯とみそ汁である。

おかずも多彩だ。天ぷらはカリッと揚がって、まだ温かい。人数が多い、このような弁当では、早い時間から会場に食事がセッティングされ、冷え切っていることが少なくない。温かいのはご飯とみそ汁くらいだったりするが、このホテルではそんなことがなかった。食べる客のことを最大限に考えてくれていることが分かる。

冷たいものは冷たく、温かいものを温かく食べることで、料理が持つ本来の味わいを堪能できるというものだ。冷たくなると旨味が鈍る、塩気が増す。いわゆる五味は温度によって人間の感覚が変わるのである。これはANAのプレミアム御膳で嫌と言うほど経験してきた。

上品な味付けに食も進む。士気も高まる。さあ、会議をやっつけて午後の事業に備えよう。

(Visited 23 times, 1 visits today)