長野駅から新幹線「かがやき号」に乗り、金沢に向かう。天気はイマイチ。待合室にいると、アナウンスが聞こえた。ホームに向かう。金沢までは一時間ほどだ。乗換時間は三分しかない。果たして乗り換えできるのか。
金沢駅の新幹線と在来線のホームは同じ階にある。ホームから下に降りて、改札を通ってホームに上がれば済むだけの話だ。理論上は三分間もあれば乗り換え可能である。しかし、事件は常に現場で起きている。机上の空論はあくまでもシミュレーションでしかない。だからこそ、現地での実証が重要なのだ。そうやって科学は発達、進化してきたのである。
新幹線は静かに滑るように金沢駅のホームに滑り込んだ。ドアが開くと早足でエスカレーターに向かったのだが、なんてことだ!ものすごい行列だ。ならば階段で…も無理だ!ここは上り下りともエスカレーターになっていて、人混みを逃す動線がない。
マジか?!
焦っても仕方がない。大人しく並ぶ。階段を探してしまったがために、行列の後ろに並び直しだ。時間(とき)が刻々と過ぎていく。東京なら左一列に荷物を持った人が並ぶ。幸い、ここは金沢。地方都市だ。二列でエスカレーターに乗っている。効率的だ。ターミナル駅や空港でエスカレーターの一列を空けるのは、無駄でしかないからやめてほしい。
一階に着いた。電光掲示板にはまだサンダーバードの表記がある。間に合うのか?エスカレーターでホームに上がる。
おお!
電車はそこにいた。急いで乗らねば…あれ?ドアが開いてないよ。開けるボタンでもあるのか?各停じゃあるまいし。
え?
私の脇でゆっくりと電車が動き出した。ホームの先に立っている駅員が、深くお辞儀をしている。
ギリギリアウト!(涙)
やはり机上の空論はあくまでも理屈でしかない。事件は現場で起きているのである。今回の実証から得られた教訓は下記の通りだ。
- 五分あれば乗り換えられる
- 乗り換えに失敗すると、一時間は電車がない
仕方なく、一時間後の特急を待つ。ん?ホームの先に赤い列車が見えた。近づいてみる。
観光列車か。こいつに乗って和倉温泉に行くのもいいかなあ。電車に乗れなかったことを打合せの相手に連絡する。え?鯖江ではなく、福井で降りろと。
なんで?
ソースカツ丼とそばの美味い店は福井市にある、か。なるほど。了解なのだ。
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アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。