2024年4月24日
香港LTR

二十年ぶりの香港 (4)

香港は沖縄の南にあるはずなのに

寒い。三月末だというのに14度しかない。天気も曇り時々雨。風がないのがせめてもの救い。まさか夏用のスーツの下にヒートテックを着るとは思わなんだ。昨年は香港でもみぞれが降って、雪が珍しい香港っ子たちが山に行ったは良いが、雪が積もって車が滑り、山から降りられなくなって大騒ぎになったそうだ。

今日はこれからセントラルに行き香港駅に荷物を預けてから銅羅湾の統一中心で一仕事だ。地下鉄でセントラルまで行こう、その途中で香港ドルに両替しようなどと考えていたが、なんとなく「時は金なり」と思い、ホテルのチェックアウトと一緒に両替を済ませた。ホテルを出た瞬間にホテルからシャトルバスがあるのを思い出す。ちょうど一人並んでいる。6:12から23:12まで20分おきに走っていると書いてある。日本なら毎時12.32.52分発なのだろうが、ここは香港。待ってれば時期にバスが来るだろうと思う間もなくシャトルバスが来た。

ところがホテルのエントランスは車で混んでいる上にバス停の前に誰か停めてる奴がいるからバスが手前まで来れない。中途半端な場所でバスが停まりドアが開く。ドライバーが手招きする。こんなでかいスーツケースを持ってるのに?!と思いながらも自力で荷物をバスに載せる。考えてみたら、そばにターバンを巻いたインド人のポーターがいるんだから任せればよかった。

香港駅の荷物預かり所はとても便利だ

バスは混んでいたが全員が座れた。10分もかからずに香港駅に到着。荷物を引きずりながらバスを降り、駅に入る。そのままB出口を目指すと「行李寄存」の案内が見える。

香港駅 構内案内図

奥に進み、エスカレーターを通り過ぎてさらに奥(B出口)の方に進むと荷物預かり所が見える。

香港駅 荷物預かり

スーツケースを預けてパスポートを出す。預り証にサインを求められるので言われるままに署名すると日本語で「後払い」と言われる。控え証を受け取って終わり。簡単だ。あらためて駅のホールをみるとその大きさに圧倒される。日本ではこういう建築物はなかなかみかけないな。

香港駅 構内

そのまま銅羅湾に向かうためにエレベーターで地下鉄に向かう。目的階手前の商店フロアで停まる。どんな店があるのか気になって降りてみた。とんかつソースのような香りもする。新宿さぼてんでもあるのだろうか。

香港駅 添好運

フロアにはいくつも店があるが一軒を除いてほとんど人がいない。「添好運」という店だけ人だかりしている。飲茶がものすごく有名な店らしい。行列はすごいが客の回転も早いので見た目ほど待つこともないとのこと。次回にとっておこう。

地下鉄の移動は快適だ

機場エクスプレス(空港特急)のコンコースに降りると先ほどのシャトルバス乗り場があるのを見つけた。向かい側は改札口。なんだこれ?空港からタクシーに乗らなくても、電車とシャトルバスで快適にホテルまで行けるじゃないか!しかも空港でタクシー乗り場まで歩くよりも距離が断然短い。次回からは電車に乗ろうと心に決める。日本の空港はこういうところの気が利かないよなぁ。

香港駅 ホテル行バス乗り場

エスカレーターで地下鉄のコンコースに下りる。港島線を目指して歩く。後ろで二人の日本人の会話が耳に入って来る。どうでもいい話をしていた。けっこう歩くな。そうだ、香港駅とセントラル駅は別だったことを思い出す。東京と大手町もしくは梅田と大阪みたいなものだ。しかし香港は駅も空港もスケールがでかい。駅の中になんでこんな大きなお菓子ランドまであるのかが不思議だ。

OKASHI LAND

港島線に乗り一駅で降りる。目的地の銅羅湾だ。出口に向かう途中、黄緑色の乗換口が目に入る。年末に開通してばかりの南港線だ。香港島の南、海洋公園まで10分ほどで行くことができるとネットに書いてあった。行ってみたい。しかし今日は仕事だ。天気も良くないし、そもそもスーツだし、もっと晴れた日にラフな格好で行くことにしよう。

昼食は何にしよう?

改札を出て出口Dに向かう。左手にランチの売店がある。色々販売しているがガッツリ食べたい私は太古広場に向かう。通路を抜けエスカレータで登ると目的地だ。水でメッセージを示す装置が広場に置かれていて、人だかりができていた。テナントのブランド名でも表示しているのだろうか。

水でメッセージを示す装置

横目に見ながら昼食を探す。中華はもういいかな。かと言ってヨーロピアンスタイルのパンとかサンドイッチもなぁ。タイ料理?いいかも。念のため店の入口でメニューを見せてもらう。グリーンカレーがある。店員に一人だと告げる。二人掛けの席に案内される。サイドメニューを見る。やはり面も捨てがたい。というより汁物が食べたい。酸辣湯鶏肉麺というのがある。これだ。これにしよう。

THAI BASIL

店員が運んできたどんぶりを見てちょっとだけ落胆した。色が薄い。赤くない。量が少ない。肉は2切。ハズレを引いたのか。まずはスープを一口。ん?思ったよりも味が濃い。酸味もあり、なにより辛い。昨晩の四川料理よりも辛い。汗が出てくる。細麺をすする。なかなかコシがある。短い面と思ったのはもやしだった。しかもどんぶりの奥に鶏肉が大量に潜んでいた。麺をがっつく。うまい。肉も十分なボリュームだ。頭から汗がどんどんと噴き出る。それでも食欲が止まらない。ちっとも少なくない。どんぶりの形がそう見えたのか?完食した。満足だ。

酸辣湯鶏肉麺

店員を呼び代金を支払う。さて、仕事に行くか。さっきから大勢の人たちを見かけているが、日曜日にスーツを着ているのは、香港駅で後ろにいた日本人と私だけだ。早く仕事を終わらせて一杯やりたいな。私は統一中心に足を向けた。

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