オフィス街の週末は閑散としている。ホテルも安い。平日なら一泊一万二千円はする部屋が日曜日だと八千円もせずに泊まれる。普段は社宅に泊まるのだが、この日は空いていなかった。やむなくホテルを取ったのはいいが、予想通り、晩飯を求めてさまよい歩くことになった。
いつもは港区芝の方にいるから店がないのは分かっている。今回は試しに大門に泊まってみたがが、芝以上に店がない。
コンビニしかない。
絶望的だ。
なして東京で晩飯にコンビニ弁当食わなあかんのですか。昼間、箱根でなんも食えへんかったゆーのに。
箱根で立ち食いの箱根蕎麦を食べるとか、ベタなことしたくなかった。お昼時は駅前の店がことごとく満席で、人混みの嫌いな私は、逃げるように箱根湯本の駅から小田急線に乗った。小田原駅も店が混んでいた。もういやだ。新幹線で品川まで、人があふれる観光地から、閑散とした日曜日のオフィス街へと身を隠しに移動したのだ。
そこからホテルに移動しチェックイン。よりによって一階がナチュラルローソン。住んでいれば重宝もするが、貴重な一食を、しかもディナーをコンビニ飯で妥協することだけは、我が人生をかけて許されない。おそらく私の平均余命は30年ほど。最後の五年は一日に三食を食べることはおぼつかないであろう。残りの人生、私の晩餐はあと9125回。だいたい一万回といったところだ。一食一食が真剣勝負なのである。
いずれにしろ、浜松町界隈では食にありつけぬ。ならば新橋の方がまだマシというもの。ここから歩いても10分ほどだ。さて、立ち上がれ、そして行こうぞ。サラリーマンと酔っ払いのダンジョンである新橋駅前に、いざ、鎌倉!
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アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。