2024年3月29日

鹿児島県 桜島を行く(後編)

展望台を見学する

ここのバス停には二種類ある。人が乗り降りするだけのバス停と見学するためのバス停だ。桜島アイランドビューバスは、一時間で島を一周し、展望台では数分間の見学時間を設けてくれている。観光客には便利な交通機関だ。一時間おきにバスが出ている。

最初にバスが着いた見学場所が烏島(からすじま)展望台。見学時間は5分間。階段を上って展望台に向かう。ここはもともと烏島と言う島であったが、大正時代の大噴火で桜島から流れ出た溶岩が海を埋め尽くし、この島をも飲み込んでしまったとのことだ。

烏島展望台

バスから降りたほとんどが外国人観光客だ。若い人から年寄りまで、本当に様々な人々がいる。みんな、展望台に上ってカメラで撮影している。

次にバスが向かったのは赤水展望広場。見学時間は8分だ。なだらかな丘陵になっていて、鹿児島市内を見渡すことができる。

2004年の夏に、ここで長渕剛のオールナイトコンサートが開催され、7万5千人もが集まったそうだ。その跡地を整備して展望台にしたと解説されている。コンサートを記念して制作されたのが、桜島溶岩を使ったモニュメント「叫びの肖像」である。バス停からは歩いて2分程で着く。

桜島溶岩を使ったモニュメント「叫びの肖像」

バスが二台になっていることに気づく。バスには40名しか乗れないので、溢れた客は一時間後のバスに乗るものだとばかり思っていたのだが、人数が多い時は臨時にバスを出すようだ。これなら安心してバスに乗ることができる。

ここから湯之平展望所まではバスが坂道を一気に駆け上がる。勾配もカーブもなかなか急な道を、バスは激しい運転で進んでいく。曲がるたびにGがかかる。車内から声が上がる。スリル満点だ。よくバスがひっくり返らないものだと感心する。下手なアトラクションよりも迫力がある。火山灰で道はほこりまみれだ。

走ること15分。最後の見学地である湯之平展望所に到着する。一般人が立ち入ることのできる、一番高い地点である。

湯之平展望所

降灰のせいで景色が白っぽい。道にも木々の葉にも火山灰が積もっている。駐車してある車は火山灰で真っ白だ。この展望からは三六〇度の風景を楽しむことができる。桜島も近くに見えて大迫力だ。

桜島

山の中腹に何か見える。買ったばかりのLUMIX TX-2で撮影してみる。手のひらサイズのコンパクト機でありながら、1インチセンサーとライカ15倍ズームのレンズを持つ、最新機種である。

砂防ダム

これは引の平沢砂防ダムである。一般人立入禁止区域にあるために、展望台から見ることしかできない。ここで上流からの砂を食い止めている。

展望台で桜島と反対側を見ると、大隅半島を望むことができる。

こちらは鹿児島市内だ。出発した港を見ることができる。

鹿児島市内

展望台を一周すると再び桜島だ。雲だと思っていたのは噴煙だった。

桜島

じっくりと景色を見ても15分は長い。売店もあったようなかったような…もっと観光客が買いたくなるようなものをたくさん売ればいいのに。私もそうだが、一時間でさっと桜島を見たらフェリーで帰る。島の滞在時間が短い。フェリー乗り場にも食事できる場所が少ない。滞在時間を伸ばす工夫があまりにもされていなくて、もったいないように思う。

桜島をあとにする

展望台を後にすると終点のフェリー乗り場だ。こんなところにもパチンコ店が。昭和の香りのする建物だ。

フェリー乗り場から船に乗る。やはり現金しか使えない。一日乗車券に付属のチケットを渡すと少し安くなる。往復使えるので、本来なら鹿児島市内で購入すべきものであった。

フェリー内のうどん店。有名らしいが、ランチは別のものを食べよう。

やぶ金

船はどんどん桜島から遠ざかる。15分程で港に入った。

到着すると、桜島行のフェリーとすれ違った。

桜島フェリー

フェリーから下船すれば鹿児島市内だ。桜島ツアーは終了した。レンタカーでなくてもさっくり観光できたのだが、お土産がなくて困った。買いたいものが売っていないのだ。

現在時刻は13時15分。さて、ランチはどこで何を食べようか。

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