2024年4月25日

鹿児島県 桜島を行く(前編)

桜島に行く

鹿児島には何度か来ているが、桜島に行ったことがなかった。飛行機から眺めたことは何度もある。梅雨入りしたというのに、快晴の鹿児島。絶好の観光日和だ。飛行機も夕方便に変更したので、午前中に仕事を済ませると、桜島に向かった。

たまには無計画もいいだろうと、何も調べずに高速バスターミナルに行く。当たり前だが、バスは出ていない。駅前に向かう。なぜ駅の上に観覧車があるのか、見るたびに不思議に思う。

案内板を見ると、5番バス停からシャトルバスが二十分おきに出ている。ここから高速船ターミナルに向かえばいいのか。時刻表を見ると、バスが来るまで10分ほどだ。数名が並び始める。定刻通りにシャトルバスは来た。入口にはICカードをタッチする機器があるので、Suicaが使えると思いタッチするが、反応がない。車内に「現金のみ」と書かれている。

えー?じゃあ、これは何のためにあるのだ?

納得いかないままバスに乗り込むと、入口から女性の外国人観光客が私に尋ねてきた。

「屋久島?」

えー?そんなのわからないよ。

「屋久島!オーケー!」

運転手が怒鳴る。女性が乗り込む。なんだかなあ。

高速船乗り場に着いた。ほとんどの客がここで降りる。女性はICカードを出口のセンサーにタッチさせるが、反応がない。

「マネーオンリー!」

またもや運転手が怒鳴る。慌てて女性が千円札を出すの、オロオロしてわからない。運転手が両替機に紙幣を入れ、出てきた小銭から運賃を取り、お釣りを渡す。

「サンキュー!」

声が大きいだけの人なのだろうか。私も釣られて降りる。高速船ターミナルに向かう。しかし、乗り場に「桜島」の文字はない。

なんで?

ネットで調べる。桜島に行くには桜島桟橋というところでなければならない。

マジか?

仕方ないのでタクシーで桜島桟橋に向かう。歩いても行けるが、二十分ほどかかるし、時間もない。タクシーから降りると、建物に入り、エスカレーターで登れば乗り場に着く。あとは案内板に従って歩く。

運賃は後払い。バスと変わらない。フェリーに車が積まれていく。船の中は様々な国からの外国人観光客であふれている。欧米系、アジア系、東南アジア系、インド系、ヒスパニック…すごい。

桜島とは国際的な観光地だったのだ。

船は港を出ると、桜島へと向かう。船旅は優雅でいい。私も初めて生で見る桜島に少々興奮気味だ。外国人観光客が盛り上がるのも当然なのだ。

途中で遊覧船とすれ違う。これも桜島から出ている船だ。

港が見えてきた。船はどんどん桜島に近づく。観光客に写真を撮ってくれと頼まれたので、桜島が背景に写るように撮影した。

桜島までは15分ほど。フェリーは24時間営業だ。もともとは島だったが、大正の大噴火で流れ出た溶岩が海を埋め尽くし、大隅半島とくっついてしまった。なので、現在では半島となっている。それでも陸路ではかなりの遠回りだ。港に近づくとトンビが頭上を飛んで行った。

フェリーを降り、ターミナルビルまで延々と坂道の通路を歩く。年寄りにはキツそうだ。運賃を払う。160円。やはりSuicaは使えない。現金のみだ。

これが国際的な観光地なのか。

ターミナルを出て、とりあえず道路を歩く。バスくらい走ってるだろう。深く考えずにバス乗り場に向かう。

なんだ、この長蛇の列は?しかもほとんど外国人。日本人が見当たらない。ネットで調べる。桜島アイランドビューバスなるものが走っているらしい。長蛇の列に乗っかってみる。しばらくして、バス会社の係員が全員のチケットをチェックし始めた。英語だ。私の番だ。チケットを買い求めた。

なるほど、これで桜島のバス停に自由に乗り降りできるのか。しかもこのバスは展望台に数分停止するので、観光バスとあまり変わらない。結構な展望ポイントがあるものなのだな。

これは楽しみだ。よくみると多くの外国人がこのチケットを持っていた。フェリーも30円ほど安くなるからだ。バス停の列はどんどん伸びていく。これ、全員乗れるのか?バスが来た。

「40人で切ってくださーい!」

バス会社の人が叫んだ。

え?

40人超えたらどうするの?1時間後のバスを待つの?こんなに並んでるんだよ?

とりあえず、私はバスに乗れた。日本人は見当たらない。満席だ。私は立ったままだ。中身は普通の市バスなのだ。

無事に観光を終えることができるのか?

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