魔法少女と聞いて、思い浮かぶのがサリーちゃんだという人は、読み飛ばしてもらいたい。
昨晩のこと、会議の後の懇親会から二次会に流れた時のこと。エレベーターで気になる店を見つけた。
「魔法少女メイドバー」
二次会でも一緒だった岩見沢の大川くんも気になっていたらしい。これは確かめねばと思っていたら、そろそろお開きだというときに、数名の名寄市民が店になだれ込んで来た。魔法少女の店で呑んでいたという。
これは行かねば。
二次会が終わったところで大川くんと店に向かう。ちなみに懇親会でなぜか3回ほど、レモンサワーを一気させられて、私はそこそこ酔っている。エレベーターを降りて店を探す。
あった!
大川くんがドアを開ける。私も彼に続く。
あれ?
店内はおっさんばかりだ。しかも、大半は知人だ。
なぜお前らがいる?
女性は全員、ウイッグを被り、メイドの格好をしている。確かにまどマギしかり、リリカルなのはしかり、魔法少女は髪の毛がカラーでなければならぬ。当然のことだが、みんな若い女性だ。
ならば、ここはボカロを歌うしかない!
え?知らない。ホントに魔法少女か?
おっさん達も、魔法少女メイドバーならアニソンを歌わんかい!
マジンガーZ?個人的には好きだけど、昭和はダメだ。栄光の架け橋?そんなものはスナックで歌え。
まどマギなら歌えるって?いいねえ。魔法少女が歌う。なかなか上手い。持ち歌なのだろうか。それ以外は?知らないの?ピングドラムも分からないって?ちょいちょい、ここは本当に魔法少女の店なのか?
魔法少女と言えば、最近のお気に入りは「魔法少女特殊戦アスカ」だ。なかなかエグい。近年の魔法少女ものは可愛い絵柄でハードなストーリーが主流だ。まどマギもそうだが「輪るピングドラム」そして「魔法少女育成計画」でも、主人公が置かれた立場はシリアスだ。理不尽だ。魔法少女が幸せになれたのは、リーマンショック以前の話なのだ。
プリキュア?あれは魔法少女ではないだろう。特にプリキュア5は肉弾戦がウリだった。
「魔法少女特殊戦アスカ」は完全にミリタリーものだ。彼女らは魔法を使って戦うが、基本的に軍に籍を置く。魔法は兵器と定義され、魔法少女は国連の管理に置かれる。ほとんど核兵器扱いだ。
もう一つ、最近の魔法もののトレンドは、魔法の正体がきちんと説明されていることだ。我々の住むこの世界は、針の先よりも小さな点が、ビッグバンにより急激に膨張して形作られた。そもそもその「点」は何かというと、違う次元の膜同士が触れ合った点であると、物理学では説明されている。異次元では我々の世界とは異なる法則で物事が形作られていると推測できる。それをなんらかの手段で我々の世界に持ち込んだものが魔法であると言う。
異世界ものとも通じる理論展開である。
一時間ほどで大川くんと店を出た。彼が納得できないと行った表情で言った。
「魔法少女の格好をしただけの女性の店でしたね。」
まったくだ。真の魔法少女がいる店はどこだろうか。
※閉店しました
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アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。