2024年4月25日
香港航空 機内食

香港航空 679便 那覇-香港 ビジネスクラス

香港弾丸出張

沖縄は東アジアのハブである。地理的にもアクセスに恵まれた場所である。飛行機に乗れば福岡と台北までは二時間、東京と上海と香港までが三時間程度、北京と札幌まで四時間くらい、バンコクとシンガポールまでが五時間である。ベトナムにはまだ直行便がない。東京から香港への一泊出張はかなりキツイが、沖縄からだとそれほどでもない。

那覇空港国際線ターミナルでチェックインと出国手続きを済ませると、ゲートへ向かう。四階のラウンジで一休みだ。パソコンで資料を作っていたら、係員に声をかけられた。登場時刻が早まったので、すぐにゲートに行けという。向かってみると、確かに搭乗が始まっていたが、ビジネスクラスは飛行機の入口もエコノミーと異なるので、ゆっくりと乗ることができた。

席に着くと、水のペットボトルを持ってきてくれた。エビアンだ。席にすでに備え付けられているので二本になった。さらにウエルカムドリンクに水かオレンジジュースを勧めてくれる。水をもらう。

アテンダントとの会話は英語もしくは中国語だ。北京語だけでなく広東語も通じるはずだ。いや、通じなければおかしいだろう。日本人の添乗員も乗っているので、アナウンスは三ヶ国語だ。

席を回り始めた。入国用書類を配りながら、食事のメニューを質問される。和洋中、鳥豚牛から選ぶのだ。チキンは和食、ポークは洋食、牛肉は中華だ。

ここは中華でしょう。

香港滞在はわずか21時間20分。何かのバラエティ番組のようだが、私は仕事だ。沖縄と東南アジアの近さが、このような弾丸スケジュールを実現させるのだ。スリッパは言わなければ持ってきてくれない。経験済みだ。アテンダントに声をかける。

「要拖鞋。」(スリッパください。)

しばらくして持ってきてくれた。出発準備が整うとおしぼりが配られる。それが一段落すると、お約束のビデオが流れる。音声は英語と広東語が交互に流れる。英語字幕の時は広東語、中国語字幕の時は英語の音声となっている。入れ替わりながら表示される。

トイレでタバコを吸うなと言っている

飛行機は少し遅れて離陸した。眼下に国内線ターミナルを見渡す。

すぐに那覇市街が見えてくる。那覇港や三重城港、うみそらトンネルだ。

北に向かって飛んだ機体は、すぐに機首を反転させ、南に向かう。沖縄本島沖合の無人島を眼下に見届けると、すぐに慶良間列島を臨む。南行きの飛行機に乗ることが滅多にないので、貴重な体験だ。

座間味島

座間味島を過ぎると阿嘉島だ。慶良間空港が見える。このあたりは国立公園で、海の青は「慶良間ブルー」とさえ呼ばれる。那覇の泊港からフェリーで阿嘉島までが1時間半、座間味島が2時間である。高速船なら1時間もかからない。天気のいい日にのんびりと家族で行ってみたいと思いつつ、いまだ実現せず。今年も無理そうだな。来年こそは…と誓い新たにするのであった。

阿嘉島と慶良間空港

機体が水平飛行に移ると、水とナッツが出てきた。アーモンドだ。たまに食べるとうまい。カチャカチャと音が聞こえる。機内食の準備をしているのだ。しばらくして、アテンダントがテーブルにクロスを敷き、食事を持ってきた。

ソーメンにストレートつゆを全部かける。ワサビを溶かして、麺をすする。

やわい。

けど、冷たくて気持ちいい。つゆをすべて入れたのは失敗か。少々塩っぱい。

パンは四種類。ガーリックトーストとプチパンをセレクト。温かい。ガーリックの香りが鼻孔をくすぐる。

弾力のある、しっかりとした歯ごたえのぷりぷりの海老には味付けはない。臭み取りくらいだろう。素材の足を堪能しながらイクラを合わせる。

ちがう。

甘酸っぱい、トロピカルフルーツのソースだ。りんごに見えるのはメロンだ。これらをシャキシャキのロメインレタスと合わせて食べる。生ハムメロンのような、複雑な味わいが口の中で一体にまとまり通り過ぎていく。香港航空の食事はいつも新しい体験と発見を与えてくれる。沖縄では得難いものだ。

ガーリックトーストはカリカリだ。たっぷりのバターにニンニクの香り。予想通りにうまい。プチぱんも文句なし。バターをたっぷりつけて食べるのだ。

眼下に石垣島が見えてきた。西表島に竹富島も見える。雲がかかっているのが残念だ。遠くに台湾島も見ることができる。

メインだ。添え合わせの菜の花には味が付いていないので、塩と胡椒をかける。チャーハンは長粒米。パラパラだ。塩加減もちょうどいい。これにあらびき胡椒の効いた、ビーフシチューのように柔らかな牛肉を合わせて食べる。

紅焼だな。中華醤油のことだ。中国の醤油は日本のものに比べて赤い。記憶が確かなら、美味しんぼの冷やし中華対決で、海原雄山が中国の醤油を使って勝利した話があったはずだ。

目が痒い。数日前から結膜炎の症状が出ている。アレルギー性だ。原因は分からないが、飛行機に乗ったり、会議室のような、密室に人が大勢いるところに行くと痒くなる。薬で抑えていたが、昨晩で無くなってしまった。目やには抗菌剤で抑えられるが、アレルギーは無理だ。

眼下には多良間島が見えた。

これは波照間島だ。もうすぐ台湾だ。

飛行機は台湾島の南部まで下ると、台東と台南のあたりを横切って香港に向かう。地図が更新された。もっと南を横断するようだ。天気が悪いのだろう。台湾の先端を横切る。確かこの辺りは墾丁。台湾唯一のビーチリゾートで、人魚姫がいるところではないか。

シートのリモコンは肘掛のフタを開けるたところにある。前回はリモコンが見つからなくて困ったが、学習済みだ。フルフラットになるので気持ちいい。

台湾を横切ると真東に香港に向けて飛ぶ。いささか遠回りの気もする。沖縄からまっすぐ香港に向かえば近いと思うが、台湾島が厚い雲に覆われていた。

ベッドに寝ていたらあっという間に着陸態勢だ。気持ちよかった。定刻より30分も早く到着だ。

さて、銅羅湾のホテルに寄ってから、打ち合わせに向かうとしよう。

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