ホテルから空港へ
昨晩は飲みすぎた。午前二時過ぎまで呑んでいた。飲み始めが午後九時半だったので仕方ない面もあるが、ホテルに戻って、寝る前に歯を磨いて、パソコンとスマホを充電し、薬を飲んで寝たので、それほど酔ってはいなかっただろう。とにかく疲れた。海外ツアーもなんとか終わった。
珍しく目覚ましに起こされる。サウンドは亜蘭知子のrelaxだ。キャッチーなベースでイントロが始まるこの曲を朝から聴けば、ゴキゲン中飛車なのである。
などと言いながら、二度寝していた。
十五分後に目覚めた私は妻と連絡とった。朝の問診でなぜか不機嫌ゆうたまの機嫌をとるべく、ビデオ電話をするのだが、一向に機嫌が治らない。諦めて電話を切る。身支度をすませるとホテルを出た。ここからはシャトルバスで香港駅に行き、市内チェックインをするのだ。身軽に空港まで行けるのはなかなか快適なのだ。
香港駅でチェックイン
駅構内のチェックインカウンターで荷物を預けると、エレベーターでホーム階に。香港駅は動線がよく考えられている。スムーズに、無駄に歩くことなく空港快速に乗ることができるのだ。
数分で折り返しの電車がホームに入線してきた。空港までは九龍、青衣の二駅しか停まらない。電車に乗り込み席に座ると、突然、若い男性が話しかけてきた。広東語なのだろうか。何を言っているのか、さっぱりわからない。
「不好意思…」
私の言葉に男性は普通話(北京語)で話しかけてきた。これならまだ理解できる。アンケートをお願いしたいとのことだった。簡単なものだったので書き入れて返す。
九龍駅を過ぎたあたりで寝落ちした。目覚めると電車は空港に着いていた。えーと、香港航空は第二ターミナルだから、次か…寝ぼけている自分がいた。それは台湾桃園空港の話だ。電車を降りよう。えーと、荷物が…無い。私のカバンがない!
香港駅で預けたじゃないですかあ。
急いで飛行機に乗れ
そうだった。何を寝ぼけてるのだ、とっとと降りよう。そのまま出国手続きを済ませ、とりあえずラウンジに向かう。搭乗時間は離陸五十分前。いくらなんでも早すぎるだろう。それに私は何としても水が飲みたい、おかゆが食べたい。
ラウンジの入口で、若い女性の係員に搭乗時刻とゲート番号を念押しされて、中に入る。トイレで用を足し、水を飲み、おかゆを食べた。
さて、搭乗だ。ゲートに向かうと、飛行機に乗った。
香港航空 ビジネスクラス ランチ
離陸まではだいぶ時間がかかったようだ。ウトウトとしていたら、時間はすでに12時半近くになっていた。配膳が始まる。さて、今日の食事はどんなだろうか。
まずはそうめんから手をつけるか。つゆを全部かけると辛いのもわかっている。半分弱を入れる。相変わらずコシも何もない。グニャグニャ。とても冷たいのが気持ちいい。
前菜は鯖の塩焼きと和風トマトサラダ。日本人には絶対にない発想だ。鯖塩サラダ。なんだ、それ?食べてみる。大根に鯖塩の切り身をのせ、カイワレとイクラをトッピング。
お?
薄味の塩サバと大根の組み合わせは鉄板である。大根おろしではなく、ミニスティックなのが新しい。ここにイクラが混ざると、味が立体的に膨らむ。さらにカイワレが彩りだけではなく、爽やかさを付け加える。
サラダである。
次は鯖塩にイクラとトマトだ。フレンチスタイルの軽くドレッシングが軽くまぶされている。
おお!
これまた新しい味だ。シンプルな鯖塩の味をイクラが広げ、トマトとドレッシングが和食を洋食へと変貌させる。和食の定番がおフレンチへと変身するのだ。
すごい。
パンも美味い。バターをたっぷりとつけて食べる。
メインディッシュが来た。
え?
どう見ても豚角煮じゃないよな、これ。中華だ。またもや違うものが出てきたが、美味そうだ。これで正解かも。青梗菜は何も味が付いていないので、塩胡椒をかける。チャーハンはパラパラだ。この団子みたいなやつは…なんだ、これ。
美味い!
ホタテの香りが匂い立つエビ団子の下には、上品な味のスープがたっぷりと染み込んだ、トロトロの冬瓜。これだけでも美味いのに、パクチーの香りが鼻を抜けると、旨味がさらに味わい深くなる。
凄い。
塩胡椒をかけただけで青梗菜の味も劇的に変化する。炒飯にも胡椒をかける。パラパラ過ぎてフォークでもご飯をすくえない。こんな時は、右手にフォーク、左手にスプーンの二刀流だ。思った通りだ、炒飯も胡椒をかけた方が美味い。昔は金と等価交換された調味料なだけはある。一気に食ってしまう。
完食。満足じゃ。
あとはシートをフルフラットにして、沖縄まで寝るとしよう。窓からは青い空が覗く。沖縄もいい天気だろうか。
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