2024年3月29日
秋田駅 駅弁売店

秋田から燕三条まで 特急いなほ号の旅

秋田駅で駅弁を買う

秋田から燕三条までは特急いなほ号で新潟まで行き、新幹線に乗り換える。4時間ほどの旅だ。秋田駅を10時35分に出発し、新潟駅に着くのは14時05分。ランチタイムは車中で過ごすことになるから、必然的に昼食は駅弁になる。なんといっても旅の醍醐味はご当地の素材を活かした弁当…は食べたくない。

駅弁は好きではない。

まれに食べることもあるが、基本的には冷たいご飯は嫌だ。ANAのプレミアム御膳も冷たいのが出てくる時が少なくないので、同じ理由で最近は避けている。若い頃は駅弁は好きだった。子どもの頃、駅弁は憧れだった。ごはんと肉にわずかな野菜。子どもは喜ぶ、若者は気にしない、だが中年男性は炭水化物とタンパク質の塊を食べることに抵抗を感じる。

例えば牛めし。
例えば焼肉弁当。
例えば焼きサバ鮨。

いずれも炭水化物&タンパク質が9割以上を占める。だが、他に選択肢がないのであれば、駅弁を買うしかない。気がのらないまま売り場を物色する。

あったけえきりたんぽ弁当、うーん、鍋で食べたい。そこまで無理してきりたんぽを食べたいと私は思わない。秋田の人は違うのだろうか。男鹿しょっつる塩焼きそば、しょっつるは魚醤のことだ。タイのナンプラーと同じ系統だ。B-1グランプリでも有名なご当地グルメらしいが、寡聞にして知らぬ。なまはげの面をフィーチャーしたパッケージは、見た目にインパクトはあれど、肝心な弁当がさっぱり分からない。焼きそば定食とみなせば、炭水化物&炭水化物で、中年男性としては却下である。

あったけえきりたんぽ弁当&あきた男鹿しょっつる焼きそば弁当

鶏めしは秋田駅名物らしい。いや、調べてみると県内の大舘駅の名物のようだ。赤いパッケージはノーマル、黒いのは比内地鶏バージョン。赤いのがノーマルとは納得がいかないが、それがここのルールなのだ。

 先代社長が戦後まもなくの頃、物資不足から、配給が米・砂糖・醤油・ゴボウしかなくまとめて炊いてみたことから、その味が好評を得て原型が生まれました。
 のち昭和22年に商品化する際に、昭和10年代に販売していたキリタンポ弁当の売れ残りの鶏肉を、甘辛く煮付けて賄い食としていたことを思い出し、ご飯と合わせることにより当時80銭で販売を開始しました。

http://www.hanazen.co.jp/tori/

日本全国に鶏飯は存在するが、飯が基本なのでこれもまた炭水化物メインである。パスだ。予約すればサラダ付きもあったのだが、大舘駅まで行かなければ食べられないようであった。

大舘駅名物 鶏飯

特製牛めしにあきた山菜弁当、白神浪漫、幕の内…パッケージから容易に想像がつく弁当から、中身が不明瞭なものまで、いずれもパスである。幕の内は栄養バランスは悪くないが、つまらないからスルーなのである。いずれも関根屋さんの弁当である。詳しくはこちら

焼きサバ鮨も全国的に存在するようになった。初めて空弁で発売されたときはよく買っていた。まだ若かった。脂ののったサバを炙った寿司がこんなにも旨いものかと感動したが、やはりサバは〆鯖に限るのだ。秋田新幹線こまちランチにググっと心が動いたが、これから乗るのはいなほ号である。残念である。

焼さば寿司、黒豚とんかつ弁当、和牛こまち弁当

結局、食べたい弁当が見つからず、おそらく電車の中でもワゴンサービスがあるから、山形のご当地弁当くらい売っているだろうと軽く考えて、食料を持たずに乗車したのであった。

秋田新幹線といなほ号

秋田駅に停車する秋田新幹線こまち号。高架ではない、在来線ホームに新幹線車両が停車しているのが斬新に見える。だが、数年後に長崎新幹線が部分開通すれば、諫早は新幹線駅が地上にできるので、もっと珍しい光景になるだろう。

秋田新幹線こまち号

特急いなほ号。常磐線を走っていたスーパーひたち号の車両を改造したものだ。内装はなかなかゴージャスであった。

特急いなほ号

特急つがる号。こちらも元は常磐線を走っていたスーパーひたち号の車両だったが、交流専用に改造されたので型番も変更された。そのために用途が限定されてしまった、少々かわいそうな酢量なのである。

特急つがる

燕三条到着

特急いなほ号は秋田駅を定刻に出発した。グリーン車の一列シートに座ったのはいいのだが、山側であった。海沿いを走るのに山しか見えない。なんたることだ。酒田駅の手前で鳥海山が見えた。とにかく風景がつまらない。腹が減ったが、ワゴンに弁当は積まれていない。仕方がなく、新潟までふて寝をしてやり過ごしたのであった。

鳥海山

結局、ランチを食べずに新潟駅に到着。ここでランチをと考えたのだが、食事をすると目的の新幹線には間に合わない。なくなくそのまま燕三条へ。

燕三条駅

さすが金物の街。駅には金属製品のショールームが併設されており、すーっと入ってしまった。購買欲を駆られる食器、カトラリー、調理器具、刃物が豊富に取り揃えられている。うう、時間がない。後ろ髪をひかれるように後にした。明日は営業時間より前にこの地を発たねばならぬ。結局、なにも食べることなく会議に参加。懇親会が終わったら、イオンで酒を買ってホテルで部屋飲み。缶ハイボール一本で眠ってしまったのだった。長旅で疲れたんだな。

昨晩のうちに燕ラーメンを食べておいて正解だった。

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