2022年7月7日
駅弁

東京駅 駅弁屋 祭 女将のおもてなし弁当

久慈に向かう

「じぇじぇじぇ」こと、NHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」でブレイクした岩手県久慈市。交通の便も悪い、陸の孤島みたいな場所だ。東北新幹線が八戸まで開通したのが2002年。東京から久慈までは、二戸からバス、もしくは八戸から列車だ。いずれにしろ、新幹線の開業で久慈は近くなった。それでも、二戸からは1時間以上、八戸からは2時間かかる。

その久慈に仕事で行くのだが、元々、久慈にはどうしても行きたい、いや、行かねばならぬ理由があった。妻との披露宴は沖縄で行った。全国各地から百名あまりの方が来沖してくれた。だからこそ、出席してくださった友人らが住む街を、5年以内にすべて訪れることを心に誓ったからだ。久慈には同い年の古川さんが住んでいる。彼もまた、沖縄まで来てくれた。私は何としても久慈に行かねばならないのだ。他にも新潟県十日町市、茨城県古河市、新潟県燕市等に行かねばならないのだ。

新幹線

東京駅からこまち・はやぶさに乗るのだが、時間は11時半。例によって駅弁を食べるしかない。こないだは地下の弁当売り場でRF1の弁当を買った。まあまあ良かった。今回も同じ売り場で買おうと思い、東京駅の構内を歩いていたら「駅弁屋 祭」という文字が目に入った。

駅弁屋 祭

何か楽しげである。店に入ってみると、ものすごい種類の駅弁を売っているではないか!店頭には「峠の釜飯弁当」など定番が。ああ、おぎのやの峠の釜飯。昔は横川駅で「特急あさま」に電気機関車EF63を連結してる時間を利用して、乗客がこの弁当を買っていた。群馬県の横川駅から長野県軽井沢駅までの間、そう、碓氷峠はものすごい急勾配だ。特急電車が自力では登れないため、電気機関車が後ろから押して峠を登るのだ。降るときもスピードが出すぎるので、電気機関車が電車を引っ張ることで、速度を抑えていたのだ。

駅弁屋 祭

車でも碓氷峠を登るには、長い坂道を行かなければならない。その途中におぎのやドライブインがあった。渋滞でトイレに行きたくなって、膀胱が破裂するんじゃなかろうかと思うくらい我慢したこともあった。その後、軽井沢までは和見峠から北上する道を見つけ、碓氷峠を通らなくなった。

今では北陸新幹線と上信越自動車道が開通して、碓氷峠もあっという間に通り過ぎる。新幹線ができて、横川駅と軽井沢駅間の信越本線は廃止された。若い頃、軽井沢に二ヶ月ほど住み込みで働いていた私にとって「おぎのや」は青春の味なのだ。

駅弁屋 祭

いくら飯かあ…うーん。なんか違うな。

牛タン弁当もなあ、そこまでして牛タン食べようとは思わないな。

寿司弁当か…炭水化物メインはちょっとなあ。しかし、本当にたくさんの駅弁が売っている。すごい。だが、食指が動く弁当が見当たらない。

ふと、気になる弁当を見つける。「女将のおもてなし弁当」うん、これにしよう、これに決めた!

駅弁屋 祭

女将のおもてなし弁当

弁当を買うと、新幹線はやぶさに乗るために、21番線に向かう。秋田新幹線こまち号と連結されている。私は、駅弁を食べるのは、列車が動き出してから、車窓が流れ始めてからと決めている。東京駅を出るとすぐに地下に入る。しばらくしてまた地上に出る。よし、弁当を食べる準備が整った。

女将のおもてなし弁当

改めてパッケージを見てみよう。鳴子温泉の女将たちがメニューを考えたと書かれている。

ふたを開けるとお品書きが入っていた。

お品書きを開くと、丁寧な説明が書いてある。凍み豆腐(しみどうふ)にシソ巻き。

おしながき

シートを取ると見た目にも美しい弁当が現れた。早速食べてみる。コゴミの胡麻和えはあっさりとした味付けで、ゴマもくどくない。山菜の香りがいい。凍り豆腐は味がしっかりとしみている。漬物がうまい。おかずが多くてご飯が少なめ。煮物、揚げ物、焼き物が入っていて、それぞれ特色ある食材を使っている。

豚とキャベツ炒めは牡蠣油が効いてこれまたうまい。花山椒も少量入っているか?後味に程よい刺激が残る。シソ巻きは東北の味だ。山形で何度か食べたことがあるが、鳴子でもあるのかと驚かされる。

女将のおもてなし弁当

イカめし、牛めし、いくら飯、牛タン弁当、焼き鯖寿司など、駅弁の多くは、その地の特産品を活かしたと言うか、それ一本で、勝負するものが多い。非常に男性的な料理となる。しかし、この弁当は細やかで彩り鮮やか、とても女性的だ。郷土料理も織り交ぜられていて、幕の内弁当とも違っている。このような駅弁がもっと増えてくれれば、私も迷うことなく駅弁を買うのだろう。二戸まではまだまだ遠い。腹が一杯になったら眠くなってきた。少し眠るとしよう。

女将のおもてなし弁当

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