2020年10月23日
プレミアム御膳

ANA 伊丹ー那覇 プレミアム御膳 ランチ

沖縄に帰ろう

昨晩は旧知の仲間と大阪でのわずかな邂逅を楽しんだ。本日は伊丹空港から那覇に帰る。昼前の便に乗るため、ランチは機内で食べることになる。

プレミアム御膳である。

JALのファーストクラスの食事は安心感と安定感があるのだが、ANAだと話が変わる。油断ならないのだ。特に冷たい弁当箱が二つ出てきた日には、一気にテンションが下がる。警戒心が増大する。気持ちを引き締め、油断ならぬ相手と手合わせをするような気分になる。飛行機は定刻通りに離陸した。窓からは昆陽池と端ヶ池が見える。

昆陽池と端ヶ池

ああ。

今朝のテレビを見なかった。ラッキーアイテムはなんだろうか?今日の乙女座の運勢はなんだ?今さらジタバタしても始まらない。出たとこ勝負だ。ナンクルナイサー。

プレミアム御膳

飛行機はぐんぐんと上昇し、15分ほどで安定飛行に移った。普通席との間を仕切るカーテンが閉め切られ、配膳が始まる。私の目の前に置かれたそれは弁当である。

プレミアム御膳

嫌な予感がする。

もちろん、ドリンクには熱いお茶をセレクトだ。大量加熱兵器が無ければ、この冷たい食事を乗り切ることができぬ。

弁当箱に触れてみる。手前は温かい。奥はやや冷たい。ふたを開けると、ご飯とおかずに分かれていた。温かい方がご飯である。

プレミアム御膳

レンコンと枝豆のすり身揚げは、さつま揚げに枝豆とレンコンが入ったかのよう。シャキシャキのレンコンの食感、枝めの香りがすり身の味にアクセントを加える。

だし巻き卵はジューシーである。お茶で温めると一層味わいが広がる。スズキの西京焼きは、少々生臭い。西京漬けの香りもしせず、やや塩がきつい。だが、これに熱いお茶を加えると、魚の旨味が溶け出し、西京漬けの香りが広がる。生臭さも消え、まさにさなぎから開花した蝶のような、もしくは長い冬を耐えて冬眠から覚めたかのような印象である。

プレミアム御膳

付け合わせは上品な味付けの出汁をリッチに使っている。ねっとりとした里芋、柔らかく口の中に出汁が染み出すほどジューシーな人参。ヤングコーンはクセがなく食感良し。こいつはサラダにしても美味い。天ぷらもいけるのだ。高野豆腐は定番なのである。安心して食べられる。

プレミアム御膳

ゆで豚と冬瓜のスライスにポン酢ジュレともみじおろし。少し冷たいが、熱いお茶を飲むと融点に達した豚の脂が舌の上で溶けだし、肉の旨味とともに口の中で広がる。酸味のあるポン酢の香りが肉をアシストする。冬瓜の食感もいい。

プレミアム御膳

千切り大根の煮物は切り干し大根ではない。大根の味に切り干し独特の深みがない分、ジューシーさが味わえる。なるほど、生大根を使うのもありなのか。いや、もしかしたら切り干し大根を千切りと言っているのか。よく分からないが、ご飯のおかずとしては申し分ないのである。

うーん。

大半のおかずは温かいお茶の力を借りなければ、潜在能力を解放できない。なるほど、弁当のお供はよく冷えたビールなのではなく、熱いお茶であると再認識した。

熱いお茶のパワー

子供の頃からいくほど熱いお茶に救われてきたか。高校二年生の冬、北海道からの帰り道、青森駅から乗車した急行八甲田が満席で仙台まで八時間も立つ羽目に。おまけに車両は暖房が故障。寒くて、ひもじくて、くじけそうになった時、どこの駅だったか、まだ夜も明けぬというのに、熱いお茶を抱えた販売員が、列車のドア近くまで来てくれた。あの時買った熱いお茶。手から伝わる温もり、凍えた口を解かすかのような熱さ、食道を通り胃へと達した摂氏65度の液体が全身に熱を伝え、活力と希望を与えてくれた。

プレミアム御膳 豆ごはん

ご飯は温かい。ほんのりと塩味なので、各種おかずとの相性もいい。やはり豆ごはんは出汁を利かすよりも塩でシンプルに味付けしたほうが美味いのだな。それに皮をむいてはだめだ。こないだ、自宅でグリーンピースご飯を作ったのだが、皮を全部むいてしまったので、豆がつぶれてしまい、ずんだ餅のようになってしまった。

あんずの梅シロップ漬けはデザートと思って食べたら違った。甘くない。柴漬けのような味わいだ。ごはんと一緒に食べればよかったと後悔するが、ときすでに遅し。

ああ、また冷たいものを食べてしまった…温かいおうちのご飯が食べたいよお。

作るのは自分なのだが。

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