2024年4月25日

島原から空港へ ANA 長崎ー那覇 プレミアム御膳

島原からバスで長崎空港へ

島原港から長崎空港までバスで向かう。島原港1番バス乗り場を9時25分に発車する。空港までは二時間以上かかるのだが、普通のバスだ。トイレは付いていない。チケットはなく、車内で支払うシステムだ。ICカードは専用のものしか使えない。Suica等は非対応だ。運賃は千八百円。発車前に五千円札と一万円札は両替できないので、あらかじめ売店で崩しておくように運転手から告げられた。財布をチェックする。

「すいません、二千円札は使えますか?」

困惑する運転手。しばらくして使えるとの回答があった。沖縄のATMでお金を下ろすと二千円札が優先されるのだ。かつては123運動と言って、県民一人が二千円札を三枚持とうとあちこちに張り紙されていたが、どこへ行ったのやら。世の中から消えたと思われている二千円札だが、沖縄では無理矢理使わされるのである。

島原バス

一時間ほどして、運転席の後ろの張り紙に気付いた。

「二千円札は使えません。」

マジか?まあいい、二百円くらいくれてやる。飛行機は11時45分発の那覇行き。他の人たちは12時20分発の羽田行きだ。バスの到着予定時刻は11時21分だ。余裕はないが二十分以上あれば間に合うと考えた。そうでなければ8時24分の急行列車で諫早まで行かなければならないのだ。朝起きた時点で7時40分だったので、島原鉄道に乗るのは諦めた。

バスが遅れました

バスには知人ら数名が同乗していた。全員が12時20分の羽田便に乗る。羽田組だ。私だけが沖縄行きだ。時間もあるので色々と話をした。二時間ほど走ったろうか。バスは大村市内に入った。何気に時計を見る。

11時23分。

え?

ええ??

知人らもざわつく。

「飛行機間に合うの?」
「グーグルマップだと、このからまだ九分かかると…」

間に合わない。飛行機に乗れない。15分前に着いたとしても、バスから降りたり、荷物をバスのトランクから降ろす時間を考えれば間に合わない。

「バスの前の方に移動したほうがいいですよ。」
「お金、両替してあげるよ。」

羽田組が気遣ってくれる。ありがたい。好意をすべて受け取る。料金箱に千八百円を入れて真っ先にバスを降りると、トランクを開けて荷物を取り出す。ANAのカウンターにダメ元でダッシュだ。係員に沖縄行きに乗ることを告げると、すでにチェックインを締め切ったと言う。

そうだよな。

まだ乗れるかどうか確認しますと係員がどこかに電話をかけると、間に合うと言う。

ラッキー!

荷物を預けると、係員の付き添いで保安検査場に向かう。混雑しているがそのまま並んでください。間に合わなくなりそうなら係員がお呼びしますとのことだ。

長崎空港

確かに保安検査場は混雑していた。ずーっと我慢していたトイレを急いで済ませると、列に並んだ。現在時刻は11時39分である。私のフライトは11時45分である。すると係員に「沖縄行きの方〜」と、声をかけられた。私以外にも何人もいたことに驚く。保安検査場が混雑したために、沖縄行きの搭乗時刻に間に合わない人が続出したようだ。

搭乗ゲートを抜けて、ボーディングブリッジを歩く。機内に乗り込むと一列目の席に座った。ああ、間に合った。家族に会える。

機首

教訓。この飛行機に乗るときは8時54分の列車で諫早に行こう。死ぬまでに島原から沖縄に帰ることがあるかどうか分からないが…ああ、来年秋にまた島原に来るのだった。

窓からの風景を楽しむ

飛行機は長崎空港を離陸すると大きく百八十度旋回して、沖縄に向かう。眼下に海と島が見える。

長崎県長崎市 東長崎市街と牧島 空撮 昼間 横

飛行機は鹿児島市の西側を目指して飛んでいる。大村市から諫早湾へ。眼下には東長崎市街と沖合の牧島が見える。長崎市街は奥の山のさらに先に位置する。

長崎県諫早市 結いの浜 上の島 下の島 牧島 空撮 昼間 横

長崎市から諫早市上空に移る。右手奥が牧島。ちょうど長崎市と諫早市の境界となる。中央の浜は結の浜である。

熊本県天草市 鬼池港 亀島 若宮海水浴場 空撮 昼間 横

島原半島の先、口之津港から天草に連絡する鬼池港である。沖合にあるのが亀島で、干潮時には陸続きになるようだ。その左側は埋め立てが進んでいる。

熊本県天草市 本渡瀬戸 空撮 昼間 横

中央に見える川のような水路は本渡瀬戸(ほんどせと)と呼ばれる海峡である。天草の下島と上島とを隔てており、浚渫されて大きな船が通れるようになっているようだ。

プレミアム御膳

飛行機が水平飛行に移ると、配膳が始まった。ようやく飯が食える。

プレミアム御膳

まずは厚焼き玉子だ。ほんのりと卵の甘みを味わうことができる。鮭塩焼きはしっかりときいた塩が酒の臭みを抑え、旨みを引き出している。そしてご飯に合う。鶏団子の甘酢あんはしっかりとした食感の肉団子を噛み締めると鶏肉の旨み、いや、唐揚げにも似た味わいが口の中に広がる。

プレミアム御膳

茎若布としその実ご飯、ほんのり香るシソとシャキシャキとした茎若布。ご飯は少しべたついているが、問題ない。スライスされた筍の煮物が春を感じさせてくれる。さつま芋の甘露煮の味付けは甘さ控えめ。芋の甘さを生かした味付けだ。

プレミアム御膳

プロッコリーとお豆のサラダはシャキシャキとしてブロッコリーと豆の食感が楽しい。うすしお味の味付けごしそご飯とマッチする。メインの煮物(焼売、大根、厚揚げ 人参、隠元豆、桜麩)は上品な薄味に仕上げられている。素材は柔らかすぎず固すぎず、食感がしっかりと残るように炊き上げられている。厚揚げは舌触りが驚くほど滑らかだ。

空と雲

ご馳走さま。窓から見えるのは海と雲。いい天気だ。早く沖縄に着いてくれ。

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