21世紀の香港
二〇世紀末に香港が英国から中国に返還され、21世紀になり、中国政府は英国も約束した一国二制度を、なし崩し的にサラミ作戦で大陸と同じ制度にしようと進めていた。
民主主義の観点から言えばそうかも知れないが、中国から見れば、香港は今でも立派に一国二制度である。大陸は共産国家なので、土地も人民も国のものだ。人権も所有権も存在しない。すべてが国に属するためである。しかし香港はこの二つが立派に存在する。大陸にはないものである。
中国政府の暴露本を積極的に出版していた、銅羅湾書店の店主が拉致されようが、香港では街頭デモを行うことができる。大陸でやれば大変なことになる。そもそもの価値観があまりにも違いすぎるので、香港におけるさまざまな権利が多少制限されようとも、大陸の価値観ではありえない十分な権利が、今でも香港では保障されているのだ。
つまり両者の価値観は、あまりにも乖離しすぎているのだ。
そして三年前、21世紀になり、返還後に初めて香港を訪れた。かつては英語が主流だったのだが、北京語に取って代わられた。それはそれで私には便利だ。20世紀の頃は北京語などまったく通じなかったのだ。
春節前の香港
東アジア、東南アジア地域において、大部分の地域は旧正月を祝う。いわゆる、農暦とか旧暦と言われているものだ。いわゆる1月1日に新年を祝うのは日本とフィリピンくらいではないだろうか。中国文化の影響を多分に受けている沖縄でも、一部の地域では旧暦で正月を祝う。それだけではない。沖縄において旧暦1月16日はグソー、あの世のお正月である。
本日は2019年1月23日、旧正月は2月5日である。日本で言えば、12月19日あたりだ。正月までにクリスマスを挟まないので、旧正月、中国語では「春節」と呼ぶが、あちこちで新年を迎える準備が進んでいる。香港空港のターミナル間連絡列車のドアも正月仕様に変更されていた。台北も同様で、あちこちが正月モードになっていた。日本では味わえない歳時記なのである。
ちなみに「龍馬精神」は坂本龍馬とは無関係だ。龍馬とは伝説の生き物。その精神とは「歳をとっても元気だよ。」という意味なのである。まさに私に必要な言葉だ。「出入平安」は「安全祈願」である。
香港のスーパー
明日もあるので、この日は夕食のみでお開きだ。まあ、ワインを十分飲んだので、そこそこ酔っている。帰りに寝酒を求めて、ホテル近くのスーパーに入ってみた。
沖縄と同じく、たくさんのポークランチョンミートの缶詰が売っていた。
こちらも正月用の日本のお菓子だろうか。北海道、東京、京都に大阪。そして沖縄塩ラングドシャ。沖縄の恋人と中身は同じだろうか。
こちらに日本のお菓子。白い恋人たちも売っている。やはり北海道が一番人気のようだ。嬉しい。住んでいる人にとっては迷惑でしかない雪も、南国の住人にとってはあこがれの観光資源なのである。今年の春節も香港や台湾から大勢の観光客が来道するであろう。のんびりと過ごしてもらいたい。
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アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。