沖縄台風２４号体験記 - 五十路の育児

台風襲来

のっけからエヴァのようなタイトルになってしまったが、個人的には六年ぶりに激しい台風を経験した。こいつのせいで、岡山に行けなくなった。行けば沖縄に戻れないし、それよりも家族が心配だ。久々に強烈な台風が来るとあって、私が自宅に戻って妻もホッとしていた。台風の中、幼児二人と一緒に一人で過ごすことになったらと、妻はとっても不安だったそうだ。

とりあえず、風が強くなる前に買い出しに行こう。恐らく１日半は家から出れないはずだ。朝ごはんに金目鯛丼を食べたら、近所のスーパーに買い物に行くのだ。

さーて、今日の特売はどうかな。軍用地売買か。かねひではチューリップと沖縄そばが安い。見慣れた新聞広告やチラシも、県外の人の目には奇異に映るかもしれないなあ。

夜が明けた。９月２９日の朝、激しい雨風で目が覚めた。東向きの窓が大きな音を立てている。横殴りの雨が窓を叩いているのだ。外が見えない。

それだけではない。サッシの隙間から水が入り込んできている。上の方はきりふきていどなのでカーテンで防げるのだが、下の溝の部分からはプクプクと泡と音を立てながら、水が入り込んできた。事前に溝には新聞紙とキッチンペーパーを突っ込んでおいたのだが、効果がない。

布団を窓際から離侵入してきた水を吸わせるために、新聞紙を束で置く。ひと束では足りない。一番激しいところには三束置いた。東側のサッシにすべて同じ措置を取る。これで大丈夫だろう。新聞を取っておいてよかった。沖縄タイムス、ありがとう。

反対に西側の玄関はほとんど濡れていない。外に出てみる。マンションの通路もあまり濡れていないし、雨も吹き込んでこなかった。風も弱い。そこで外階段に出てみた。

風が強い。

幸いにも建物の陰になっているので雨は降ってこない。外の風景を撮影する。雨が激しく道路を叩く。風は街路樹を翻弄している。交通量の比較的多いバイパスなのだが、車はほとんど走っていない。当然だ。この雨風での運転は危険だ。

家の中では台風とかまだ理解できない小さな子ども二人がのんびりと遊んでいる。積み木をなぜか練習用の箸で挟んでつかむけいたま。ゆうたまはそれを眺めながら、ちょっかいを出すタイミングを見計らっているのか、足腰のトレーニングをしているのか。ちょいちょい、君は生後５ヶ月になったばかりでしょう？お尻を持ち上げて、そんなに焦ってハイハイの練習をしなくても大丈夫だよう。

昼頃に一旦、天気が落ち着いた。恐らく台風の目に入ったのだろう。午後になると再び天気が荒れ出した。今度は西側から風が吹いてくる。玄関のドアを開けようとすると、風圧で持っていかれるので危ない。とにかく家の中でじっとして台風をやり過ごすしかないのだ。

被害続出

夜になった。

ようやく風もおさまってきた。暴風が強風に変わった感じだ。通りを走る車も増えてきたのだが、車もニュースでは沖縄本島各地で大停電だという。首里にある妻の実家も停電しているとのことだ。停電前にタブレットのバッテリーが切れてしまった。テレビも見れないし、ネットも繋がらなくてやることがない。外を走る車をボーッと見ているそうである。

我が家は問題ない。

ふと、ベランダから外を見てみる。

真っ暗だ。

玄関を開けて反対側を見てみる。サンエーの看板が消えている。我が家を含めた、区画整理された以外の建物はすべて電気が消えている。