2020年8月12日

沖縄県南城市 垣花樋川

天気がいい日は出かけよう

天気がいい。沖縄の短い秋は晴れの日が多い。これから冬になると、三ヶ月ほど、ほとんど晴れない日が続く。あまり知られいないが、沖縄の晴天率は3割しかない。夕焼けなら明日は晴れという、内地の常識も通じない。キツネの嫁入りなど、日常茶飯事だ。車を運転していると、目の前は青空で、強い日差しが車内まで入ってくるのに、大粒の雨にワイパーを動かすことも珍しくない。

私の自宅は沖縄県で唯一の海なし町にあるので、西海岸にも東海岸にも行きやすい。沖縄南部の西海岸は那覇空港から始まって、南に豊崎、西崎、潮崎と埋立地が続く。その先は崖になる。最南端は喜屋武岬。その先に慶座絶壁(ぎーざばんた)。太平洋戦争末期、米軍に追い詰められた大勢の日本人が、「生きて辱めを受けず。」と、ここから身を投じた。サイパンの「バンザイクリフ」と同じだ。

喜屋武岬
中央が慶座絶壁(ぎーざばんた)

沖縄南部の東海岸は急峻で崖が多いが、何箇所かにビーチや海岸がある。ビーチは砂浜、海岸は磯になっている。内地と違い、磯は岩ではなくサンゴ礁なので、色が白い。そして、山の中には何箇所かの湧き水がある。沖縄では樋川(ヒージャー)と呼ばれる。山羊もヒージャーと呼ぶ。関連はないと思われる。

中でも有名なのが垣花樋川(かきのはなひーじゃー)だ。日本名水百選に選ばれ、今でも簡易水道の水源として使われている。3年前に娘と一緒に訪れたことがあるが、そのときはあまりのしょぼさにびっくりしてしまった。なぜ、名水百選の湧き水にポリバケツが置かれているのか、娘と二人で、なんだこりゃ、と話していたのだが、今回、妻と訪れて判明したことがある。この二年間、私が垣花樋川だと思いこんでいたのは、すぐ近くの仲村渠樋川(なかんだかりひーじゃー)だった。ショックだ。

垣花樋川(かきのはなひーじゃー)

駐車場に車を停めて、細い道を進んでいく。

垣花樋川に続く道

駐車場のそばにも水が流れている。クレソンがびっしり生えている。栽培しているのか、自生しているのかはわからない。自生ならもって帰りたいところだ。サラダにしてもよし、肉の付け合わせにしてもよし。意外と知られていないが、みそ汁の具にしてもおいしいのだ。我が家では定番だ。

クレソンの群生

クレソンの反対側には海を臨む。リーフの境界、沖合に白い波が経っているのが見える。

バナナと空とサンゴ礁

バナナの樹の下の方には、小さな農園がある。ここは誰かの私有地なのだろうか。降りてみるとくわんそうの花が咲いていた。これも天ぷらにしたりして食べることができる。JAでたまに売っていたりする。

クワンソウの花

その向い側に島唐辛子の実がなっていた。内地の唐辛子と違って、小さくてつやと張りのあるその実は、重力に反し、お尻を空に向けて大きくなり、熟していく。これを泡盛に漬け込んだものがコーレーグースだ。

島唐辛子

細い道を進む。木々の間から日差しがまぶしい。

森の木々と太陽

池のほとりにたどり着く。ここに正面と右側の二か所から水が注ぎこんでいる。正面の湧き水が女川(イナグ)の水、右側の水が男川(イキガ)の水だ。今でも男性をイキガ、女性をイナグと言う。沖縄女性のことはウチナーイナグと呼ぶ。沖縄で娘が「イキガデキタ。」と言ってきたら、それは「息ができた。」ではなく「彼氏ができた。」という意味だ。

垣花樋川

池のほとりから登ってきた方を見る。こちらにもクレソンがびっしりと生えている。

垣花樋川 イキガ

こちらがイキガ。奥に小さな滝があるのが見える。男性が使用したので、このように呼ばれる。

イナグ

イナグ。イキガよりも高台にある。女性が使用したので、このように呼ばれる。

再度、池のほとりから。澄んだ水が美しい。小さなベンチがあって、座って景色を楽しむことができる。帰り道では、沖合の島を見ることができる。

垣花樋川

イナグの奥は急な坂道になっていて、垣花城に通じてるようだが、足元が悪いので、身重の妻もいるので、登るのはやめた。

日本最南端の名水百選。シーズンオフで人も少ないので、晴れた日にこんなところでのんびりとするのも悪くない。沖縄に住んでいる者だけが享受できる役得なのだ。

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