近鉄四日市駅 いっとく家らーめん 四日市駅前店 トンテキ

三重県四日市市 近鉄四日市駅 いっとく家らーめん

三軒目はラーメン屋

会議後にすし居酒屋で懇親会を終えたのちにクラブへと繰り出し、何本かのシャンパンを開けたのちに二次会も終了した。この店が出したシャンパンがCOLLETであった。知人が輸入元をしている銘柄なので、私も何度か飲んだことがある。東京ならともかく、三重県内でこのシャンパンを出す店は珍しいと思う。

そして帰ろうとしたのだが、多数が三軒目に行くという。散々騒いだのでラーメンを食べようということで向かった先はラーメン店。同行者は12名。

「本命の店がいっぱいなので、この店で飲みます!」

三重県民が説明する。本命の店って、このあと、まだ食べる気なのだろうか?酔っ払いは怖い。理性も満腹中枢もイカれてしまうから、節制というものができない。正常な判断ができるはずもない。あきらかにおかしな提案にも同意する。翌日、シラフに戻って、スマホ内の各種データを参照することで、何が起きたかを把握してから、己の間違いに気づく。中には泥酔した状態で、SNS投稿という禁じ手を使ったことに臍を噛む者もいるだろう。ああ、人間とはなんと愚かな生き物なのだろうか。

店の入口にはいくつものサイン色紙が飾ってあった。芸能人も来る店なのか。それ以上に店の奥にかかっている紅いもタルトのビニールバッグが気になる。

豊富なラインナップ

席についてメニューを見る。なんと三枚構成である。その壱はラーメンが主体だ。味噌、とんこつ醤油は基本だとして、ごま白湯に名物らしきトマトラーメン、混ぜそば系が二種類。これは悩むな。個人的にトマトラーメンと汁なし系は選択肢になり得ないので、味噌、ごま、とんこつ醤油のいずれかに絞り込まれる。

ここで案内役の三重県民がまさかの一言。

「この店でラーメンを食べないように。次の店が空き次第、移ります!」

あ?ラーメン屋でラーメンを食べないだと?若かりし頃、散々飲んだ後に数名で締めのラーメン店に入った。ほぼ全員がラーメンを頼む中、一人だけがギョーザライスを注文して、なに考えてんねん、ここはラーメン屋やぞ!などと酔った頭でイラっとした、あの感情がいまだに忘れられない。同じシチュエーションに出会うと、むくむくと記憶の底から、あのときのドス黒い気持ちが、床下浸水のように静かにゆっくりと、ぎりぎりまで湧き上がってくるのが気持ち悪い。

ラーメンを食うなと言うならタンメンはいいのか?バナナはおやつに含むのか?

二枚目はタンメン、タンタンメン、タンタンタンメン、紛らわしいわっ!カレー麺にチャンポン麺になぜここに塩ラーメン?一枚目のメニューに掲載すべき、オーソドックスな一品ではないのか?カレー麺が二枚目にあるのなら、むしろトマト麺と並べるべきではないのだろうか。この店の営業戦略に疑問とダジャレセンスを感じつつ、これも私が求めるものではないことを理解して、最後のメニューに希望をつなぐ。

まさかの麺系。三枚とも麺メニューじゃねえか!これでラーメン以外を食えとは、ソース焼きそばか?ここで再び案内役か宣言した。

「適当に注文しました。」

よきにはからえ。

こちらが名物?謎の餃子

ハイボールを飲むわれらの前に出されたのは、丸い皿に乗った、丸くて薄い焼き物。沖縄で言えばヒラヤーチーのような、韓国料理で言えばチヂミのような、一見して判別できない料理である。

これが餃子?

切り分けられた一片を皿に取る。扇形の扁平な見た目は、まるでピザである。奇抜なのは見た目だけで、食べてみれば割とオーソドックスな味付けで食べやすい。ただ、私には少々塩っぱい。

トンテキとの邂逅

今日のランチは本場四日市でのトンテキであった。まあまあ美味かった。
「四日市と言えば、トンテキでしょう!」
そういって、誰かがトンテキを頼んだようだ。一日に二回もトンテキを食べた記憶は、生まれてこの方、持っていない。おそらく死ぬまでもないだろう。これは事故だ。私一人の意志ではどうにもならない、理不尽とはこうして起こるものなのだ。だから団体行動は嫌いだ。

店はさほど混んでいないので、カウンター席はただの荷物置き場と化していた。現在時刻は午後11時過ぎ。この店のピークは過ぎたのか、これからなのか。トレイに行くと温水洗浄便座であった。

そして本日二度目のトンテキがやってきた。やはり肉がでかい。肉塊を切って焼いたようなビジュアルである。一つをとって食べてみる。やや辛口の味付けだ。ケチャップの味がする。肉は柔らかいが塩っぱい。付け合わせのキャベツと一緒に食べてもまだ塩っぱい。うーん、味わいにキレはあるがコクが足りない、塩味強めの強引な味付けとも言えるだろう。

「店が空きました!」
ガイド役からの最終宣言を聞いて会計を済ませ、店を出た。やはりラーメン屋ではラーメンを食べるべきなのだ。サイドメニューに期待してはいけないのだ。いや、まてよ。昼間に歩いた商店街でも、トンテキはラーメン店や中華料理店で提供されていた。ならばこの地ではラーメン屋でトンテキは、餃子に並ぶサイドメニューなのであろうか。

まあいい、次でラストだ。最終目的地だ。拉麺さえ食べれば解放されるのだ。酔った頭で正常とは言えない判断を下し、ファイナルへと向かったのだった。

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