台風体験
金沢に住む知人が家族で沖縄に遊びに来たのが先週の金曜日だ。925hPaの強烈な勢いの台風が沖縄に接近しつつある沖縄にやってきた。当初の予想では日曜日に沖縄本島に最接近とのことだったので、私も土曜日に沖縄に戻ったのだが、翌朝の天気は晴れ。
あれ?
知人ら家族は、大時化の海は諦めて、美ら海水族館に行ったそうだ。その夜から風が吹き始め、月曜日は一日中嵐。残波岬の日航アリビラに宿泊していた知人一家は、危険だから運転も控えるようにとホテルから注意され、ホテルに缶詰だったそうだ。もちろんビーチも閉鎖。マリンレジャーを楽しむための道具も無用の長物と化していた。
そんなこんなで火曜日には天気は回復しないものの、台風は去っていた。午前中にビーチを歩き、プールで泳ぎ、体が冷えてしまったのか、ホテルに迎えに行ったとき、知人は体調不良を訴えていた。
風邪か。
とにかく、飯を食いに行こう。この近くに美味いそば屋があると妻が教えてくれた。
番所亭
外はまだ雨が降っていた。店に着いて思い出した。このブーゲンビリアに覆われた店構えに黄色い看板。10年くらい前に、私はこの店で食事をしたことがある。味は忘れた。駐車場は満車になる寸前だったが、なんとか停めることができた。先に店内に入った知人一家が席を確保しておいてくれた。
メニュー
さて、何を食べようか。
観光客も多く来るのだろう。メニューには「沖縄そばにはそば粉は入っていません。」と注意書きがある。食事はセットも気になるが、紅ざるそばはもっと気になる。毒々しい、およそ麺類とはかけ離れた色だ。
私はヨモギそば。知人らにはフェレーそばを勧めようかと思ったが、沖縄初上陸の人間にテビチはハードかもしれないと思い、ソーキと三枚肉の入った番所(ばんじゅ)そばをセレクト。それにジューシーも追加だ。
「いや、ご飯ものはいいですよ。」
いえいえ、美味しいから味見のつもりで食べてみて。私もジューシーを注文します。
お昼過ぎと言うことで、店はまあまあ混んでいる。お座敷席もあるが満席だ。水はセルフ。ところでフェレーって何?山賊のこと?ふむふむ。バイキングと同じような発想なのか。
ヨモギそば
そばが来た。え?ここで痛恨のミス。麺が白くない。え?ヨモギを練り込んでる麺は好きじゃないんだけど。ヨモギの葉っぱが食べたいだけなのに。メニューを見る。練り込んだ麺だと注意書きされている。あー、白い麺にしてくれと言えばよかった。
まあいい、食べてみよう。まずはスープを一口。だしがきいている。後味がいいなあ。旨み調味料のいやな味がしない。そして麺だ。緑だ。うーん。お?もちもちでつるつるだ。食感はいいな。ヨモギの味はあまりしない。
今度はヨモギの葉と一緒に食べる。うん、このガツンとくる苦さがたまらない。沖縄で一般的なのは、紅ショウガとコーレーグースもしくは七味だったりするが、ここは針ショウガだ。このスープには生のショウガの方が合うような気もする。知人ら家族も美味しいと食べている。あれ?娘さんは食欲がない。なんだか、眠くて疲れてるようだ。きっと午前中にプールでいっぱい遊んだからだろう。
ジューシーも薄口で上品な味だ。しかも見た目よりもボリューミーだ。これは食べきれない、みんなで一つにすればよかったかな。
トイレは洋式だが、温水洗浄便座ではなかった。
百名ビーチと浜川御嶽
食事を終えて那覇に向かう。しかしこの雨の中、どこに行けばいいというのか。公設市場には初日に行ったという。天気の悪い日に行くところと言えば、食べるか買うか飲むかしかないような。屋内施設も特に思い浮かばない。どうしたものか…天気はよくないが、雨は小降りになり、風も弱くなってきた。
あ。ひらめいた。
私の好きな浜川御嶽にいくといいのではないか。こんな日に行くやつもいないだろうから、かえっていいかも。その考えは当たっていた。着いた頃には雨がやんで、傘なしで歩くことができた。
百名ビーチに出て、ぐるっと浜川御嶽のほうに回り込む。この季節は天然記念物のオカヤドカリを数多く見ることができるのだ。木や岩にたくさんいるいる。拳くらいの大きさのものもいる。知人ら家族はヤドカリを見るのは久しぶりだと話していた。誰もいないビーチには珊瑚のかけらや貝殻が打ち上げられていた。きれいな貝殻を見つけて大はしゃぎの知人の娘さん。
連れてきてよかった。
再び雨が降り出した。車に戻り、知人一家をホテルまで送り届けた。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)