ラーメンなないろ
体調が悪い。晩飯は軽く飲みながら、ゆっくりと食事をして部屋に戻ろう。何を食べたらいいのか。豪華な飯はいらない。素朴なものが食べたい。ラーメンは昼に食ったから嫌だ。この店はなんだろうか。フルーツを売っている。りんごが美味そうだ。けいたまに買って帰ろう。
さて、なにを食べればいいのか?街中をウロウロしながら、飲食店を物色する。ああ、昨晩食べた漬物ステーキが美味かったな。もう一度食べてみたい。
ん?
この店で食べれると書いてある。ラーメン店だが、居酒屋メニューも充実していそうだ。よし、ここで食べよう。店に入ると客はカウンター席に一人。自分もカウンター席に座る。お座敷席には客がいない。ラーメン店にしては早い時間だ。とりあえず生を注文する。
メニュー
さて、何を食べようか。
ここにもメニューがあるな。
飛騨牛のすじ煮か。食べてみよう。その前にトイレ。
洗面台にはたくあんのフィギュアが置いてある。ドラゴンボールとガンダムだな。私はアニメは大好きであるが、フィギュアやプラモデルといった三次元には、あまり興味がない。二次元だからいいのですよ。
飛騨牛スジ煮
脂がのったスジがうまい。さすが飛騨牛。こんにゃくもぷりっぷりで、野菜もよく煮えている。地物だろうか。少し辛口の味付けがビールに合う。一味をかけるとさらに味わいが広がる。薬味のネギがしャキシャキで香りよく、こってりしたモツ煮をさわやかにしてくれる。
漬物ステーキ
トッピングのかつぶしが踊る。ゴーヤーチャンプルーか。味付けは少し塩がきつい。たまごの甘みが完全に負けている。白菜の甘みもない。これは市販の塩漬け白菜を使っているな。昨晩は店の自家製ぬか漬けだった。酒のつまみにはいいかもしれないが、自宅で作るときはぬか漬けを使おう。
漬物ステーキの後にスジ煮を食べると、牛の甘みが一層引き立つ。後味には一味の辛さが引く。ハイボールで洗い流す。
ああ、至福だ。
馬刺し
野菜と一緒に食べてはダメだ。繊細な味が野菜に負ける。レタスを先に処理してから、ゆっくりと肉をいただく。ほんのりとした玉子の甘みと肉の味。こいつは「馬肉の味」としか表現できない。
酢モツ
さっぱりしたものが食べたいと言ったら勧められた。確かにさっぱりだ。冷たさがさっぱり感を増幅する。モツの臭みもあまり無い。グニュグニュした食感と甘みのあるオニオンスライスに、ポン酢のコンビネーションが素晴らしい。お互いに欠点を補い合い、うまさを引き出す。まさにシンカリオンとエヴァのような関係と言っても差し支えないだろう。
高山における外国人観光客の飲食店事情について
団体の外国人客が入ってきてワインはあるかと英語で尋ねる。もちろん無い。店員が外に客を引き連れて、お望みの店まで引率していった。
すごい。
戻ってきた店員が言う。
「うちは洋食屋じゃねえ。」
たしかに。ワインの置いてあるラーメン屋は寡聞にして知らぬ。ドンペリが置いてあるラーメン屋ならたまに見かける。
でも、こういうコテコテのラーメン屋にワインがあるとは思えない。またもや外国人団体客。欧米系ばかりだ。店内に入るも、数分の協議の末に出ていった。日本人的には失礼に感じてしまう。店員もイライラしていた。気持ちは分かる。お座敷を嫌がる人が多くて帰るとのことだ。客は大半が外国人らしい。
続いて欧米のおばさま五人組。慣れた感じでお座敷に座る。何を食べるのだろうか。
地元客が連れと一緒に来店。今は名古屋に住んでいるが、訳あって帰ってきたそうだ。連れはものすごくグラマーなヒスパニック系の女性。日本語ペラペラ。ポルトガル語がどうこうと話している。ブラジル人らしい。いや、これはもう流暢とかのレベルではない。日系人だろうか。若い日本人女性と話し方が変わらない。
色々と国際的だ。
とんかつトマトチーズ焼き
さあ、締めに選んだ料理は「とんかつトマトチーズ焼き」。分厚いロースカツに、鉄板で焼けたソースの香り、トマトの甘み、そしてチーズのコクがまさに溶け合い、融合して豊かな味わいを作り出す。
たまらん。
ハイボールにすごく合う。これは美味いわ。
なかなか腹いっぱいになった。おとなしくホテルに帰って寝るとしよう。ご馳走様。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)