ルパ シェフのおまかせプレート

香川県高松市 瓦町駅 食酒場 ルパ シェフのおまかせ

リーガルシューズに救われる

けいたまを保育園に送り出してから高松に来た。那覇から直行便が飛んでいるのだ。高松空港からは空港連絡バスで瓦町に来た。高松駅前ではなく、街の中心部だ。南北に商店街や飲食店街が走っている。バスを降りてホテルにチェックインする前に、リーガルショップに向かった。買ったばかりの靴がなかなかフィットしない。3日前にサツエキこと札幌駅地下のリーガルショップで新しい靴を買った。翌日にはしっくりこなくなったので、帯広のリーガルショップで見てもらった。中敷きの厚みを無料で調整してくれた。

素晴らしい。

だが、これでもいまいちしっくりこない。翌日には再びフィット感が低下した。沖縄にもリーガルショップはあるのだが、家から離れている。調べてみると、ここ高松のリーガルショップは、ホテルのすぐそばであった。重いキャリーバッグを持ったまま階段を上る。なんで路面店じゃないんだ。なんでエレベーターがないんだ。バリアフリーって言葉を知らないのか、と呪いの言葉をごもごもと口の中で唱えながら階段を上り切った。事情を話すと、中敷きの調整をしてくれた。これも無償だった。

素晴らしい。

これで完全にフィットした。以降、靴にはなんの問題もない。若い頃に一度、リーガルの靴を買ったのだが靴擦れがひどくて、それ以降は敬遠してきた。昨年、大阪でたまたま気に入った靴がリーガルだった。今回もなんとなくリーガルで買ったのだが、ここまで保証してくれるとは思わなかった。嬉しいし安心なのだ。次回からもリーガルシューズを買うことに決めた。

瓦町ディナー

ホテルにチェックインすると夕食だ。お楽しみの時間である。現地の知人にはあえて声をかけなかった。一人気ままにのんびりと食事を楽しみたかったのだ。飲食店街を徘徊する。さて、何を食べようか。

昭和を意識した店だ。メニューからはホルモン焼きと推察できる。ああ、けむり家って書いてあるや。今日の気分ではないのでパス。

良い店を見つけた。おしゃれでシンプルな店構えに「雨のち晴レルヤ」の店名。私の感が告げる、これは期待できそうだぞ。しかも店内には誰も客がいない。チャンスじゃないか。店に入る。だが、私を待ち受けていたのは厳しい現実であった。

「すいません、本日は予約でいっぱいなんです。」人がいない。

ああ?なら、本日は予約で満席です!って紙でも貼りだしとけ!!!!!!期待させといてやれないって、一番むかつくんだよ!こっちはもうその気でいたんだ。やる気満々だったんだよ!それが、ダメだと?このやり場のない、もやもやとした気持ちをどこにぶつけろってんだ!覚えてろよな、いつか火をつけて…じゃなくて、再来してやるからな。そんときは予約するから覚えとけ!と高松の中心で復讐を誓う心の声。

やさぐれたところでなにも解決しないので、あきらめて静かに店を後にした。いつまでも過去を引きずっていては、人間は前に進めないのだ。終わったことは胸にしまい、気持ちを新たに次の店を探すのだ。ふーむ、穴子専門店か。瀬戸内海は穴子の産地なのだろうか。だが、今の私は肉で洋食モードだ。和食で魚介ではないのだ。また来ることが酔ってやってもいいぞと、心の中で意味もなく高飛車に出る。まだ過去を引きずる、しがない五十路の中年男なのです。

索敵を開始して20分を過ぎたころ、またもや気になる店を見つけた。ドアを開けて入った。

食酒屋 ルパ

店の中には客がいなかった。カウンターのみの小さな店。メニューは壁に書いてあるだけ。

マスターにお腹が空いているのか尋ねられたので「空いてます」と答える。ルパ、REPASとはフランス語で「食事」の意味だ。

さて、何を食べようか。

おまかせプレートを勧められたのでそれにした。嫌いなものを尋ねられたのでチョコレートと答える。壁にチョコと書いてあるのだ。

酒はいろいろあるのだが、サントリー角がないのが気になる。まずは生ビールでひとり乾杯なのだ。

シェフのおまかせプレート

しばらくして前に出されたのはシェフのおまかせプレートだ。エビサラダがうまい、オクラがシャキシャキ、野菜も瑞々しく、エビがプリプリ。マヨネーズベースのソースととても合う。このマスター、只者ではないな。

パイは生地と塩気の効いたチーズの組み合わせがすべての具を包み込む。これまたうまい。
イカのマリネは薄味。素材の味を生かしている、透明感あふれる野菜がこれまたうまい。

カツオのたたきがすごい。力強い、いぶした香りが鼻腔を抜ける。たたきというより薫製なのに、味わいはまごうことなきカツオのたたきである。高知式のミディアムでもない。これにマヨネーズ控えめのマイルドなジャガイモごろごろポテトサラダの組み合わせが激しくマッチする。和食とも洋食ともつかない、だが美味である。そう、旨さこそが正義なのだ。美味しければなんだって構わないのだ。

チキンの煮込みは肉も柔らかく美味いのだが、塩が効きすぎだ。私にはしょっぱすぎた。

チョリソー

激辛。野菜がたっぷりなのが嬉しい。うまい、酒に合う。とにかく付け合わせが美味しいのだ。

頑固で優しい気さくなマスターが作り出す居心地の良い空間。たまたま居合わせた常連客とも気軽に会話ができる、話が盛り上がる。

楽しい。

この店が生活圏内にあり、しょっちゅう行けるのであればブログには書かなかったであろう。とっておきを荒らされるのは本心ではないのだ。高松を訪れたときは、ぜひとも再来したい。もちろん一人でふらっと店に入るのだ。

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