林森北路で朝食を
予約したホテルのプランには朝食が付いていなかった。朝食は別会計とネットには書いてあったが、宿泊しているのはホテルというよりもコンドミニアムに近い。大きな冷蔵庫にキッチンも付いている。それにフロントのある一階にはそれらしきレストランも見当たらなかった。
飲み屋街なのだから、朝飯を食わせる店くらいあるだろうと、部屋を出て街を歩く。なかなか開いている店がない。ようやく見つけたのだが、店に誰もいない。客も店員もいない。
どういうことだ?
ん?向い側の道路に行列を見つける。なんだろうか。近づいてみると、握りたてのおにぎりを販売している屋台のようだ。道を渡って近づいてみる。若い女性も並んでいる。注文を請けてから、おひつから米をよそい、好みの具を入れてしっかりと握ると、ビニール袋に包んで客に手渡している。屋台のようだ。
初めて見るが、これだけ人が並んでいるのなら、きっとうまいのだろう。早速、私も並んでみた。
香溢飯糰
システムはこうだ。メニューからおにぎりを選ぶ。おひつから米をよそう。
魚、肉、マグロ、具なしが選べるようだ。これに漬物、玉子(ゆで卵もしくは卵焼き)そして油條(揚げパン)を聞かれるままにチョイスすると、しっかりと握ってくれる。
私は肉鬆飯糰を注文。鬆とはそぼろのことだ。日本語に訳せば「肉そぼろおにぎり」になる。これに漬物、ゆで卵、そして油條。ドリンクに豆漿、豆乳のことだ。もちろん、冷たい無糖の豆乳を注文した。
おにぎりと豆乳
ホテルの部屋に戻り、戦利品を並べる。豆乳とおにぎり1個。それだけだ。
おにぎりを袋から出す。というより、袋に入れたまま食べるので、一部を袋から出すという方が正しいだろう。おにぎりはまだ温かく、豆乳はしっかりと冷たい。コメは長粒米だ。パサパサしたコメでおにぎりが握れるものだろうか。
おにぎりを半分に割ってみる。当たり前だが、中には注文した具が入っている。
一口食べてみる。長粒米なので、日本のコメのような粘りはないが、つやつやのコメはパサパサしてるわけでもなく、不思議な感じだ。コメの味はそれほど主張がなく、むしろ味の濃い具をしっかりと受け止めている。日本のおにぎりとは全くの別物だ。韓国の海苔巻きと日本の海苔巻きが、見た目は同じでも、味が全く違うような感覚と同じではないのか。これはありだ。
さらに食べ進む。甘しょっぱい肉のそぼろに、塩の利いた漬物。そこにカリッとした食感の油條が加わり、玉子までが自己主張してくる。考えてみたら、このおにぎりの具は、中国ではお粥に入れるものではないか。うまいわけだ。これに豆乳が合う。無糖を頼んだはずだが、飲んでみたら微糖だ。これはこれでうまい。むしろおにぎりとの相性はこちらの方がいいのではないかとすら感じた。
あっと言う間に完食だ。なるほど。行列ができるのも納得がいく。
別店舗
昼に通るとすでに店はなかった。朝だけ屋台で営業しているのだろう。翌日、アンバサダーホテルに行く途中でも、同じ店を見かけた。フランチャイズ?むしろ、昔の焼き芋屋やさお竹屋にシステムが近いのだろうか。いずれにしろ130円だと日本ならコンビニおにぎりだ。台湾では同じ金で握りたて、具だくさんおにぎりが食える。香港の物価が高かっただけに、台湾は相変わらず食い物が安いと、唸ってしまった。
香溢飯糰Facebook
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)