永和世紀豆漿大王

台北 永和世紀豆漿大王 咸豆漿と油條に飯糰

中国の朝食

中国の朝食と言えば油條に豆乳。油條は揚げパンだ。大陸のものは日本の揚げパンの甘くないものを想像すればいい。あの、ねじれたツイストパンだ。これはしっとりしているが、台湾や香港のはカリッと揚げたさくさくタイプだ。豆乳は中国語で豆漿と言う。飲むタイプだけでなく、スープのように食べるのもある。それが咸豆漿、訳せば「塩っぱい豆乳」である。「塩豆乳」ではない。

日本語では「塩」と「しょっぱい(=塩っぱい)」は同じ字を用いる。ところが中国語だと「塩」は同じでも「塩っぱい」は「咸」と言う字を使う。塩は「イエン」、咸は「シエン」と発音するが、日本人がカタカナを読んでも中国語としては通じない。

中国語は発音がシビアな上に、日本語にない発音も多い。「去」と「吃」は発音がまったく違うが、カタカナで書けばどちらも「チュ」になる。「吃」は台湾や上海の南部では「ツー」と発音するし、北京語でも日本人には「チー」と聞こえなくもない。「好吃(=おいしい)」は、台湾や上海では「ハオツー」となるが、これは北京では南方訛りと思われる。北京人は概して上海人が嫌いなので、上海訛りだと見下される。

なので、コミックで中国語のセリフにカタカナの振り仮名をしてあるのを見ると、これって通じないのにと思ってしまう。なので、このブログでも、あえて中国語に振り仮名をつけないようにしている。

日本人が知ってる代表的な中国語は「你好(ニーハオ)」「再見(ザイジェン)」「謝謝(シエシエ)」だ。昔のことだが、私は電子辞典を開発していた。ある展示会で私が開発した中日辞典を展示していたのだが、皆、知ってる中国語を辞典で検索しようとして、出てこないことに落胆する。それが「你好」だ。これは単語ではない。文章だ。国語辞典で「こんにちは」が見出しになっていないのと同じことだ。なぜなら「今日は」と言う連語だからだ。

二十年前に北京によく行っていた頃、朝食によく咸豆漿を食べた。もうだいぶ食べていないのだが、美味しい店があるとネットで見つけたので、散歩がてら行くことにした。

世紀豆漿

目指すは地下鉄雙連駅の近く。着いた先は住宅街の中だろうか。朝8時と言うのに、すでに客が少なからず店内にいる。店内にぶら下がっているメニューを見て頼むのだが、日本人には日本語の注文用紙が渡されるので、記入して渡すだけでいい。言葉がわからなくても注文できるのため合理的だ。咸豆漿に油條、そして飯糰を注文する。

カフェテリア方式なので、注文した品は自分で取りに行く。小さなテーブルを見つけて座る。さあ、食うとしよう。

咸豆漿

レンゲですくい口元に運ぶ。ああ、私には懐かしい味だ。沖縄のゆし豆腐と言うか、おぼろ豆腐と言うか、茶碗蒸しと言ったほうがわかりやすいかもしれない。これに搾菜とネギ、黒酢で味がついている。上に回しかけてあるのはラー油である。味も食感もお腹に優しい感じがする。これにカリっと上がった油條を合わせて食べる。スープとパンの組合せのようだ。最高の相性だ。北京ではよく朝食に食べたな。外の店で毎朝できたてを買ってきて、おかずと一緒に食べていた。美味い。

飯糰 (おにぎり)

油條を食べ終わったらおにぎりだ。この店のものは、細長く握られている。

具は干し肉などだ。咸豆漿との相性もいいが、やはり一昨日のおにぎり【香溢飯糰】には負ける。

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