鳥八
明日の不動産セミナーを開催するために、沖縄から精鋭が札幌に集結した。もちろん、札幌支店のスタッフも合流だ。その前夜祭の会場として私がセレクトしたのは「鳥八の魚や」だ。この店ならハズレはない。鉄板なのだ。一人では飲みに来ないが、グループならばここしかない。いろんなものが食べられる。
しかも3度目なのだ。沖縄県民に北海道の真のうまさを味わってもらおうではないか。ガイドブックやネットに載っている店がすべてではないのだよ。地元民が足しげく通う店というのは、口コミで広がるものなのだ。まあ、食べログでも3.43と高得点ではある。
さて、本日のオススメ。うおっ!活イカがあるではないか!食べたいときには見つからない活イカ。近年は不良で食べられないこともザラにある活イカ。
なんて幸せなんだ。
新子焼きと毛ガニ甲羅詰めは安定している。とうきびかき揚げと厚岸の生ガキも外せないぞ。いざ、参る!
店内に入ると奥のお座敷に案内された。さて、何を食べようか。いや、胸の内にはすでに決めている。ここは私に任せなさい。
お通し。味が染みて美味い。そこらへんの居酒屋とはレベルがちがうことが、なんてことがない一品からも伝わってくるでしょう?なんかワクワクするでしょう。
生牡蠣
まずは生ガキ。デカイだろう?厚岸の牡蠣には三種類がある。まるえもん、かきえもん、ながえもん。こいつはおそらく「ながえもん」だ。三陸沖である程度成長した牡蠣を、厚岸でじっくりと育てたやつだ。
甘くて芳醇な香り。レモンを絞って一口でガブリ。うーん、たまらん。まさに海のミルクだ。まるえもんに比べれば少し大味だが、このボリュームと食感が贅沢感を刺激する。
やばい、日本酒が飲みたくなる。ここは我慢なのだ。
ラーメンサラダ
北海道名物ラーメンサラダ。え、知らない?この地ではサラダといえばこいつ。鉄板。私がこいつと最初に出会ったのは20年近く前の赤坂見附だった。連れていかれた北海道居酒屋で食べた。美味かった。あの感動を皆さんにも感じて欲しいところだ。ゴマだれとポン酢のコンビネーションが食欲を刺激する。蕎麦サラダもいいが、やっぱラーサラだねえ。
活きイカ
当然、活イカもオーダーだ。沖縄では食べることができない逸品だ。地元で獲れる活セイイカの刺身なんて、そもそも不可能だろう。人間並みのサイズのイカを生きたままさばく。それは調理というより、格闘だ。サバイバルだ。ダンジョン飯じゃないんだ。料理マンガならあってもおかしくはないが、現実に食べたいとは思わない。刺身では水っぽくて大味で美味くない。
対してこいつはどうだ。北海道なら土わさびをつけるのが常套。口に入った新鮮な身は、コリコリしつつも甘い。活イカは味がないものなのに、甘いのだよ、君!ゲソなんて、まだ動いているのだよ。こいつを新鮮な肝と一緒に食べると、まだオツなものなのだよ。日本酒が飲みたいなあ。
ダメだ。ガマンだ。
刺身
しめ鯖。うーん、締めすぎかな。私は生なのか締めてるのか、見た目ではわからないが、食べるとほんのりと酢の香りがして、濃厚になった鯖の旨味が口に広がり、わさびと相まって旨味を堪能するのが好きだ。
松川カレイは脂がのっていい感じ。美味い。これも北海道や東北でしか食べられない高級魚だ。沖縄では手に入れることすらできない。脂ののった白身魚の上品な味は、日本酒が…飲んじゃだめだ、飲んじゃだめだ、飲んじゃだめだ!自分に言い聞かせる。飲んでしまったら、明日のセミナーはなくなるぞ。
生のホッキ貝。食べてください。私はしょっちゅう食べてます。美味いでしょ?甘いでしょ?これも沖縄では食べることができないですよ。
生つぶ貝刺身。食べて食べて。コリコリして美味しいよ。独特の甘みがクセになるよ。
シンコ焼き他
シンコ焼き。塩で味付けして、レモンをかけただけのシンプルさが濃厚な鳥の味を実現する。豪快かつ繊細な料理なのだ。
グラタンコロッケ。美味いから食べて。熱々だから気をつけてね。
カニは定番。安定の味。これが北海道の実力なのだ。特別な料理ではない、リーズナブルに美味い毛ガニを食べられる。道外ではあり得ない話だ。
とうきび天ぷら。ウージー(沖縄の方言でサトウキビ)じゃないよ。北海道ではトウモロコシのことを「とうきび」と呼ぶんだよ。食べてみて。うわ、めっちゃ甘い!食感がカリカリ。けいたまが食べたら喜びそう。まさにトウモロコシのうまさを限界まで引き出し、凝縮した味だ。
忘れちゃいけない、これも定番。イカリングフライ。ソースをかけて、野菜と一緒に食べるのですよ。イカの香りと弾力のある食感がたまらないねえ。
ここは何を食べても美味いな。いつも大勢で来るのだが、たまには二人くらいで来てみたい。妻を連れてきたらさぞ喜ぶだろうな。そのときは日本酒で北海道の幸を楽しみたいものだ。
さーて、腹もいっぱいになった。二軒目に行きますか。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)