ラーメン華龍

札幌市ススキノ ラーメン華龍 味噌チャーシュー麺

ラーメン横丁

二軒目のスナックで何人もがカラオケを熱唱し、札幌の熱い夜は更けていく。時間となりお開きとなったら、締めのラーメンだ。もちろん、目的地はラーメン横丁だ。

スナックを出て少し歩いたところに「ミルク村」なる店を見つける。閉店時間は23時。いわゆる「締めパフェ」用の店だ。女子のみならず、男子でもたまに食べたくなるとのことだ。うん、分かる。疲れた胃をアイスとフルーツが優しく癒してくれる。私ならワインを飲みながら食べてしまいそうだ。

ラーメン華龍

ビルを出て数分歩けばラーメン横丁だ。とりあえず、すべての店をチェックする。一つを除いて、どの店も盛況だ。そう、一つとは悠(はるか)だ。味噌バターチーズラーメンの店だ。今回はパスだ。ん?テーブルが二つ空いている店を発見した。

ほう、昭和40年創業。伝統的な札幌ラーメンとある。ここでいいんでないかい?店に入ることにした。

壁にはぎっしりとサインが飾ってある。開店してから半世紀を過ぎた店だ。さまざまな有名人が食べに来たのだろう。一つも分からないのだが、どうやら野球選手のサインが多いようだ。中国語のサインもある。簡体字なので大陸系の人物だな。「店内撮影禁止」とも書かれている。気にしない。酔ってるし、注意もされなかった。

メニュー

さて、何を食べようか。

札幌だから当然、味噌だ。ほたてコーンや海鮮など、北海道の美味いものを使ったご当地っぽいラーメンも食べてみたいが、私のチョイスは味噌チャーシュー麺なのだ。肉が食べたいのだ。せっかくだからと、餃子も追加。みんなで食べる。一人だとこうはいかない。大勢だといろんなものが食べられる利点がある。

厨房ではいかついオヤジさんが鍋を睨みつけているようだ。頑固に昔ながらの味を守っているのだろうか。

味噌チャーシュー麺

気がつけば日付が変わっていた。運ばれてきたチャーシュー麺は、まさに質実剛健、見た目から昔ながらだ。最近のラーメンは見た目も華やかに、色鮮やかにトッピングするのが主流だと思うが、何の飾り気もない、無骨という言葉が似合うような盛り付けだ。

まずはスープを一口。オーソドックスに美味い。まったりとしていて優しい、味噌と脂が香る昔ながらの味。看板に偽り無しである。続いて麺だ。ん?麺にスープが絡まない。湯切りが甘いのか。そんなことはないだろう。しかし、水のカーテンを身にまとっているかのごとく、麺にスープがまったく絡まない。

私の舌がおかしいのだろうか。

チャーシューもオーソドックスだ。今風の煮豚でもなく、薄切りでもなく、歯ごたえしっかり、どっしりした食感と味がする。

何気にスープにニンニクを入れてみた。投げ入れたわけではないが、脂がはねてズボンについた。洗濯したばかりなのに。出張から戻ったら、また洗えばいいか。箸で軽く混ぜて麺をすする。

なんと!

スープが麺に絡むようになった。ならばと、一味も入れてみる。

あぎじゃびよー!

劇的に味が変わる。これがさっきまで食べていたものと同じだろうかと、まさに驚愕。周りにもニンニクと一味を勧める。すごい!味がまったく違うと、何人もが驚きの声をあげた。

餃子は一人一つだ。酢醤油につけて食べる。うん、これもオーソドックスな味だ。懐かしさすら感じる。

ああ、締めにふさわしいラーメンだ。そうなのだ。奇抜なラーメンでは締めをなさないのだ。五十路のオヤジには昭和のラーメンがお似合いなのだ。ロックよりテクノなのだ。

さあ、帰って明日に備えましょう。

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