すすきのランチ
今日は久しぶりのオフだ。休みの日はできるだけ自宅で過ごしたいのだが、そう上手くはいかない。働き方改革とやらで出社せずに勤めようなんて、私は21世紀になったばかりの頃から実践している。サラリーマンとなった今でも、出社は月に数回だ。長い時は数ヶ月間も会社に行かなかったりする。
基本的に私の仕事はネットとパソコンさえあればどこでもできるのだ。出張ばかりなのに、自宅にいる時まで出社していたら、家族と過ごす時間がない。家のことをする時間がなくなる。通勤時間がもったいないし、会社にいると様々な騒音がうるさいから、仕事に集中できない。
その反面、出張先でオフなんてこともある。自宅に帰りたいが、割り切って旅先で楽しむことにしている。妻も無理して自宅に戻るくらいなら、出張先で休んで欲しいと言ってくれるので、甘えることにした。
さて、ランチはどこで食べようか。今日のホテルは狸小路。歩いて五分以内で済ませたい。店を探す。お、スープカレーの店 カンクン。いいねえ。ここにしよう。
店に着いた。個性的な店構えである。嫌いではない。店は営業していた。
メニュー
店頭のランチメニューを眺める。色々あるのだな。
とりあえずドアを開けて店に入る。客は誰もいない。開店直後だ。窓際のカウンター席に案内される。
さて、何を食べようか。改めてメニューを見る。店内のBGMが私の思考を乱す。なんだ、この曲?気になって仕方がない。
「丼の上にカツが乗ってるだけじゃないの。」
「食わんと言ったら食わん。」
歌詞はほぼほぼこの二つ。ノリのいいファンキーな曲。
調べてみた。
10年前に流行った「サザエさんremix」なる曲だ。サザエさんのセリフをサンプリングして、ノリのいい曲にラップでのせるという、なかなかの力作であった。ディスコで流れてもおかしくないな(笑)ネットのおかげで、このような才能が埋もれることなく世に出るようになったのはすごいことだ。
よし、チキン&ベジタブルカレーにミックスチーズトッピングに決めた。オクラ長芋納豆カレーもスパイシーキーマラムカレーも気になるが、まずは基本だ。ここのチキンも美味いらしい。
ああ、水が美味い。昨晩はかなり飲みすぎた。ハイボールからのシャンパンはアルマン・ド・ブリニャックのゴールド、からの赤ワインはサッシカイア2014年。午前二時まで飲んでから串揚げ屋に行って、最後はイソノカツオを通って帰った、ようだ。
BGMが真っ赤なスカーフに変わった。宇宙戦艦ヤマトのエンディングだ。この曲を聴くと涙が出てくるので嫌だ。数日前にヤマト2202第六章を見た。次で終わりだ。予告編には白色彗星に立ち向かうヤマトが映っていた。さらばと同じシーンだ。第六章の予告編で、ヤマト型戦艦銀河に女性艦長が出てきたときは、ついに萌え系に走ったかと思ったが、乗員が女性ばかりなのにはきちんと理由があったことに、さすがヤマトだと感心した。さすがは福井晴敏氏である。
チキン&ベジタブルカレー
店内には多くの雑貨やコミックが置かれている。BGMはゴレンジャーのテーマに変わった。どんな選曲だ。音楽に翻弄されている間に私のカレーは完成され、眼前に運ばれてきた。
しっかりと出汁のきいた、コクのあるスープ。魚介の香りもする。辛さもしっかり。なんせ五番だ、無料で一番辛いやつだ。頭が痒くなる。野菜は素揚げではなく、蒸してある。にんじんはほろほろ。オクラは柔らかいがしっかりとした食感。ピーマンはシャキシャキなのに苦味はない。
チキンは柔らかい。しっかりと鶏肉の味がする。皮はカリカリに焼けて香ばしい。チーズが絡まるとさらにコクがプラスされる。カレーにマッチする。じゃがいも美味い。ベビーコーンにキャベツにしめじ、とどめが茄子。野菜にスープがしみてえぐみを封じ込めるかのようだ。
店内は完全禁煙だ。
食べ応えあるチキンを平らげ、最後はウズラの卵。BGMはわからない曲ばかり流れていた。どんなセレクションなのだ。
美味かった。ボリュームも満足。ランチタイムで店内も混んできた。店を出るとしよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)