沖縄そば あじゃず
私が仕事で沖縄に来るようになったのは20世紀最後の年の2000年。その頃は、現在と違い、沖縄にラーメン店もうどん店もほとんどなかった。沖縄そばの店も今よりも少なかったと思う。なかでも、観光ガイドに必ず載っていたのが、この「あじゃず」。那覇市安謝(あじゃ)に店があり、店内にはジャズが流れてるから、二つを合わせて「あじゃず」にしたと記憶している。
なので、もう20年近く前になるが、その頃に一度、来店していると思う。その後、10年くらい前にも一人で食べに行った記憶がある。最初に来店したのは、もちろん観光ガイドを見てのこと。その次は、近くの店が空いてなくて食べに来たように思う。
この日も朝からの講習で睡魔との戦いだった。なんとか午前中の3コマを終え、残るは1コマと修了試験のみ。さあ、今日の昼は何を食べようか。昨日がつけ麺だったので、今日は沖縄そばを食べたいところだ。このあたりで沖縄そばと言えば、いろいろあるが、私の選択肢は「田舎」だけだ。
現在時刻は12時45分。
昼時を過ぎているから、もしかしたら店に入れるかもしれない。この店は那覇市内に数店舗あるが、個人的には安謝店が一番うまいと思っている。ただ、難点がいくつかある。一つは大人気店であること。もう一つは駐車場が三台しかないことだ。そのために、駐車場が常にいっぱいで路駐するか、近くのコインパーキングに停めるかしかないのだが、路駐も常にいっぱいな上に、近くにコインパーキングもない。
結局、田舎には今日も入れなかった。もっと早いか遅い時間に来ないと、食べられないな。無念じゃ。
そうなると、時間もあまりないことだし、この近辺でランチが食べられる店と言えば…
- 麺屋 堂、ここの味噌ラーメンはかなり好きだが、昨日もつけ麺だったので却下
- あけぼの食堂、量が多いから食べきれない、無理
- 天龍、中華料理だし、今日はラーメン嫌だし、定食は微妙だし、パス
- とらや、無条件でパス。
うーむ、時間がない、時間がない、仕方がない、あじゃずに行くか。
ジャスが流れる沖縄そば店 あじゃず
この店のいいところは、駐車場が広いことだ。それでも、空いていたのは1台分だけ。ラッキーだ。車を降りて駐車場を見回すと、半数はレンタカーだ。観光客だな。熱帯植物が生い茂る奥に入口がある。
店の中に入ると、お勧めメニューが目に入る。
メニュー
- 肉野菜そば
- フーチバーそば
- ゆし豆腐そば
うーん。カウンター席に案内される。午後1時だというのに、店内はそこそこ混んでいた。メニューを見る。「うどんとそば」と書かれているが、もちろん、そばとは沖縄そばだ。
フーチバー(よもぎ)好きの私はフーチバーそばを注文。お昼時も過ぎたので、この間にも食べ終わって帰る客がポツポツいて、気が付けば店内はゆったりとしていた。外からみると店が熱帯植物で覆われているが、店内から見ると、そのおかげで日差しが和らいで、窓際でも熱くない。沖縄の日差しは冬でも皮膚が痛いくらいに強いのだ。
フーチバーそば
ほどなくして、フーチバーそばが運ばれてきた。おお!フーチバー(よもぎ)で麺が見えない。これはいい。
コーレーグース(泡盛の島とうがらし漬け)と紅ショウガをどんぶりに投入する。
フーチバーをよけると、三枚肉もかまぼこもしっかりと入っている。どんぶりに口をつけ、スープをすする。出汁が主張しない、あっさりしたマイルドな味わいだ。麺を食べる。あまりコシのない、典型的な昔ながらの沖縄そばだ。三枚肉は薄めの味付け。柔らかいがしっかりと肉の味がする。
この店は長い。味も変わらない気がする。良くも悪くも昔ながらの沖縄そば。個人的には、もう少しスープに出汁をきかせて、麺もコシのある方が好きだ。
食べ終えて思う。
ああ、やっぱり田舎のそばが食べたい。
沖縄そば あじゃず
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)