魚河岸 大作 海鮮丼

静岡駅 魚河岸 大作 駿河湾の海鮮丼

魚河岸 大作

本日の目的地は静岡県の清水である。エスパルスやちびまる子ちゃんで有名な地域だ。かつては静岡県清水市であったが、静岡市に合併されて、今は静岡市清水区である。

東京から静岡に向かう新幹線の車中で知人に声をかけられた。彼は一足先に清水に行くと言うので、私は一人、食事に向かう。目的地はすでに決まっている。

今朝は4時に起きて、ランチを食べる最適地を一時間ほどリサーチした。候補は三か所。新橋駅、静岡駅、清水駅のいずれかだが、時間的に新幹線から東海道線に乗り換える静岡駅で食べることにした。さらに駅構内で海の幸、海鮮丼に出会える店を調査し、厳正な審査の上に決定したのである。

ここだ。

店頭に置かれた水槽に気になる文字を見つけた。「どうまんがに」、まぼろしのかに、と朱書きされている。

調べてみた。浜名湖で水揚げされるこの蟹の和名は「トゲノコギリガザミ」である。おお、ノコギリガザミと言えば石垣島。なんと、同じ蟹のようである。

こいつの産地は静岡、高知、沖縄とのことだ。黒潮が流れているところで獲れるのだな。ああ、夜であればこいつを味わいながら一杯やると言うのに…残念である。

ランチメニュー

店内はカウンターに入るとカウンターに案内された。

ランチメニューをチェック。海鮮丼が見当たらない。

裏面にあった。やはり初心貫徹だ。

店内には気になるメニューが多数。席を離れて観に行ったところで声をかけられた。知人の北海道民だ。すでに飲んでいる。いいなあ。

海鮮丼

丼の中は温かいご飯だ。正統派だ。煮物は少し味が濃い。味噌汁は一口だけ飲んだ。

さて、海鮮丼。もちろんワサビだけでいただく。減塩中の私に醤油は不要だ。

タコは甘くて旨味が強い。身から発せられる芳香が食欲を刺激するカツオは山葵でいただく。ああ、臭みがない、独特の旨味が口の中に広がる。

生シラス

苦味も臭みもまったくない、味わいは釜揚げそのものの濃厚さを持つのに、食感は滑らかだ。

すごい。

これが生シラスの実力か。ワサビも醤油も付けずに食べて、この旨味。内臓の臭みを玉子の黄身で消す必要もない。ご飯との相性が抜群だ。かつてはシラスなどと侮っていたが、本当に美味しい生シラスを食べてから、僕は君にぞっこんなんです。

桜海老

これもまた、臭みも苦味も感じない。ピンクに輝く透明なボディ、ほのかで上品な海老の香り、ソフトシェルのようなしなやかな殻。このエレガントさは輸入物のエビでは味わえない。これまた贅沢なご飯なのだ。海老のふりかけを生身で食べるような感じだ。素材のほんのりとした塩味が旨味を増幅する。これ以上の塩分は素材を殺す、野暮というものだ。

トロは口の中で溶けるかのごとく、旨味と甘みを余すことなく堪能できる。ああ、なんてことだ。高級魚を代表するタイには特筆すべきことが無い。周りがすごくて存在感が乏しい。

駿河湾の海の幸。日本で一番深い湾から生み出される宝石の数々をどんぶり一つに凝縮した海鮮丼。ああ、今度はいつ食べられるだろうか。

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