会議へ急げ!
本日は朝の便で伊丹空港に向かう。同じ便に社長と秘書も乗っている。目的地も同じだ。会議は14時から。伊丹空港着は12時20分。私は準備があるので、13時までに会場に着けば間に合う。ところが飛行機は20分遅れで空港に到着。私は社長と秘書を置いて、ひとりモノレール→阪急→地下鉄で心斎橋まで移動した。会場に着いたのは13時半。
疲れた。
さらなる試練が私を襲う。会場は14時からの予約なので、10分前からしか使えないという。
聞いてないぞ。どういうことだ?
と言うことはだ。20分で食事を済ませれば、ランチにありつけるということだ。
できるのか?
やるしかない。
急いでビルを出て、飲食店がありそうな場所を探す。あった。ラーメン店だ。それはいやだ。他にないのか?時間だけがどんどん過ぎていく。
これだ、これだよ。もう、ご飯が食えれば何でもいいよ。
南船場 一夢庵(いちむあん)
もも焼き定食が何なのか、いまいちイメージできないが、他に選択肢はない。店内に入ってから考えればいいことだ。
一番手前のカウンター席に案内される。さて、なにを食べようか。目の前にはモモ焼き定食。ソースを選ぶらしい。あとはチキンカツ定食。
うーん。
肉は増量できるようだ。ダブルを会計している客がいる。これはいいかも。しかし、今は時間がないのだ。早くソースを選ばなくてはならないというのに、どれもこれもピンとこない。
うーん。
粗挽きまみれのブラックペッパーをチョイス。はあ、早く出てこないかな。そのとき、私の頭上の張り紙に気づいた。
新ソース、柚子胡椒。
なぬ?!
それだよ、それ!お兄さん、ソース変更できる?
「できますよ。」
じゃあ、柚子胡椒に変更して!
納得のオーダーができた。さあ、早くこいこい、モモ焼き定食。
TKG
まずは玉子のみを差し出される。赤みが強い黄身に食欲が刺激される。で、玉子はどうやって食べるのだろうか。どこにも説明はない。大阪では常識なのだろうか。隣の席を見る。なるほど、TKGか。卵かけ御飯にすればいいわけだ。まるで親子丼のようだな。
鉄板の上で鳥肉を焼きながら、まあるい蓋をしている。ああやって蒸し焼きにするのが、何かのポイントなのだろうか。カウンター内には何種類ものソースが並ぶ。思うに、旨辛カレー、ピリ辛、塩ダレ、ネギポン酢だろう。
ご飯と味噌汁が出てきた。肉はまだだ。時間がないのだ。早くしてくれ。
とりあえず玉子を溶いて、ご飯にかける。肉に味がついてるだろうから、醤油は不要だな。
モモ焼き
やっと出てきました。私のモモ焼き。キャベツを敷いた皿の上に盛られた、ジューシーな鳥もも肉。湯気が立っている。熱々なのだ。たっぷりの柚子胡椒にしば漬けが添えられている。
いただきます。急いで食べます。まずは味噌汁。ほう?意外に具沢山だな。これはなんだか得した気分だ。
では、もも肉を食べてみよう。なんだ、これ?柔らかい。特筆ものだ。それでいて皮はパリパリ。噛むたびに肉汁があふれ出てくる。柚子胡椒の刺激が旨味を増幅させる。それを受け取るのはTKG、卵かけご飯だ。白飯でも悪くはない。十分に美味い。卵かけご飯だと甘みが加わって、さらに味わいが広がる。
まるで親子丼だ。
鳥の油をたっぷり吸った、少し厚めのキャベツスライスにドレッシングは不要だ。肉と合わせて食べればコクが深まる。肉とご飯のループでは味が単調になりがちだが、しば漬けがアクセントとなり、口の中をさっぱりとさせてくれる。
これなら肉を増量している客が多いのもうなずける。
そうだ、時間がないのだ。五分で食え!頑張れ、俺!なんとか定刻内に食べ終えた。味わって食べたとは言い難いが満足だ。会計を終えたら、会議室に向かうぞ。
ビルのエレベーターの前で、会議に参加する知人とバッタリ出くわした。
「ご飯食べたの?店に入るの見えたけど、絶対に遅くなるなと思ってたんだよ。」
早食いなめんなよ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)