味噌ラーメン ネギトッピング 富川製麺所 新千歳空港

北海道 新千歳空港 富川製麺所 味噌ラーメンネギ盛り

まさかの事態

東京に戻るために札幌駅前のホテルから新千歳空港に向かう。快速エアポートで40分である。天候は晴れ。気温は25度。爽やかな気候だというのに、私の体調は晴れない。昨晩は五軒ハシゴした。当然の帰結として、現在の私は二日酔いである。

チェックアウトを済ませ、ふらふらとホテルを出た私の目の前をバスが走ってきた。新千歳空港行きとある。

私がいるのは札幌駅の真ん前だ。電車なら40分で空港に着くが、バスだと一時間半もかかることは経験済みである。だが、私は一刻も早く座りたい。幸いフライトまではかなり時間がある。運転手を呼び止めて荷物をトランクに預けると、私はバスに乗り込み、そのまま眠りについた。

一時間半後、空港に着いた。体調は70%まで回復していた。腹が減った。汁物が食べたい。

無問題。

新千歳空港には北海道ラーメン道場があるのだ。全道から集まった9店舗がひしめく、麺ロードである。どの店で食べようかと脳内シミュレーションをしながらたどり着いた先で見たものは…

はあ?なにこれ?

ラーメン店が一斉に休み…どうなってるのだ?

本日は営業二店舗のみだと?
改修工事のために休みだとおおお?
どないせえっちゅーんじゃあああああああ?!

仕方がない、他のレストランを見て回るが、どこも混んでいる。うーむ、ならば札幌を代表するもう一つの料理、スープカレーでも食べようかと思った矢先、尻に軽い痛みが走った。ああ、間違いない。これはカプサイシンだ。やばいぞ。痔ではないが、本日は辛み成分の摂取を禁止とする。

人でごった返すレストラン街を見て閃いた。外がダメなら中があるだろう。ゲート内だよ。搭乗ゲート前のフードコートならば空いているのではなかろうか。一見の観光客なら、まさか保安所の先にまともに食事ができる場所があるとは思わない。それが空港あるあるだからなのだ。全国でも羽田の第1ターミナル、福岡空港、そして新千歳空港にしか装備されていない設備なのだ。

気持ちを切り替えて、そそくさとJALのファーストクラス専用受付を通り過ぎた。ラウンジには寄らずにフードコートを目指す。

思った通りだ。

やはりゲート内は空いていた。これならゆったりと食事ができる。

富川製麺所

フードコート内には三店舗がある。豚丼、海鮮丼、ラーメンの三択だ。いつもならば悩むところだが、今日は答えが決まっている。

汁物、つまりラーメンだ。
しかも辛くないやつ、ただの味噌ラーメンだ。

メニューを確認すると、味噌コーンバターラーメンに醤油ラーメン、エビ塩ラーメンもあるのだが、私に心変わりはない。初心貫徹で味噌ラーメンなのだ。ついでネギ盛りにする。

味噌ラーメンネギ盛り

フードコートなので、ラーメンが完成するまでは座席で待機する。数分が経過したのちにブザーが鳴った。カウンターにラーメンを取りに行く。さあ、やっとの事でご対面だ。この店は2回目。前回は四川麻辣味噌ラーメンを食べた。まずはレンゲでスープをすくって飲む。

ああ。

甘みのある優しい液体が体に染み込んでいく。荒れた胃に吸い込まれていく。

続いてはこの店が誇る、焙煎小麦による多加水麺だ。噛むと力強い小麦の香りがする、伸びとコシのある喉越しの良い縮れ細麺。まるで更科そばのようだ。ネギと一緒に食べても風味が負けない。むしろスープの甘みをネギの辛みがしっかりと受け止める。ああ、一味が欲しい。

今日は我慢だ。

スープの中には炒めた肉と白菜、玉ねぎが入っている。これらも旨味の一部なのだ。北海道のラーメンには珍しいキクラゲのトッピング。野菜たっぷりで嬉しい。

肉の旨味がギュッと詰まった、柔らかく薄味のチャーシューも、しっかりとスープと絡み合って極上の味を作り上げる。

極大ネギのサービスだけはちょっと勘弁だな。

ああ、するっと入ってしまった、まさに味噌汁のようなラーメン。ここにして正解だった。昨日とは打って変わって汗も吹き出ず、熱いものを食べたせいでほんのりと汗をかいた程度だ。

次回は未体験の飛燕で食べてみよう。

(Visited 17 times, 1 visits today)