カレーは飲み物。
新橋駅前ビルの地下は飲食店街だ。ここに従兄弟の店があるのだが、その近くのカレー店が以前から気になっていた。店名が「カレーは飲み物」である。
システムはルーとご飯とトッピングを指定する。ルーは赤と黒の二種類。ご飯の量は四種類だが、値段は同じだ。この八種類の組み合わせから一つ選んで食券を買う。カウンターで待っていると、カレーを作り終えた大将がトッピングを尋ねてくるので、十種類から選んだ三点を番号で伝えるのだ。
メニュー
さて、何を食べようか。
まずはルー。重厚な欧風カレーの黒と、スパイシーなチキンマトントマトスープカレーの赤。悩む。どちらも捨てがたいが、ここは赤にする。ご飯は中盛り300g。食券を買い、カウンターに座ると券を大将に渡す。
トッピング
マニアとしてパクチーは外せない。福神漬は必須だ。あとひとつはガーリックとポテトサラダで迷うところだ。どちらにするのか?
うーん。
ポテトサラダ!
これでいつ質問されても大丈夫だ。ナンバリングシステム対策もばっちりである。さあ、聞いてこいや、おらあ!と心の中で小さく叫ぶ。
「トッピングは?」
キタキタキタキター!心の中でガッツポーズだ。心を落ち着かせ、静かに答える。
「346で。」
赤い鶏カレー
日本酒のグラスとマスのように、皿からルーが溢れるチキンカレーと、彩り鮮やかなライスとトッピングが載ったプレートがカウンターに置かれた。それを手元に置いて食べてみる。
なぜルーが別なのか?
スープカレーだからさ。
ならば、まずはルーだけいただこうではないか。カレーも酒のように表面張力でこんもりとなることに感心しながら、溢れぬようにスプーンですくうと口に入れた。まずはトマトな酸味、次に肉のコクが口に広がる。熱々でさらっとしている。
続いてルーをライスにかけ、混ぜ合わせて食べてみる。美味い。
福神漬けとも合わせて食べる。なまら美味い。
酸味の効いたポテトサラダとも相性バッチリ。
最後はパクチーだ。でーじまーさん!
全部混ぜて食べてみた。
死に美味い!!
よく煮込まれたチキンは柔らかく、味もしっかりしている。辛さは大したことがないのに、顔から汗が噴き出してくる。ライスにたっぷりのルーをかけ、食べ進める。もう無くなるまで止まらない。無心で食べる。でもね、カレーは飲み物じゃないよ。
カレーは飲み物。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)