芝公園でランチ
会社のスタッフと13時まで会議をした後に、ランチを食べようと言うことになった。この辺りの店はあらかた食べ尽くした。静かに話をしながら食べられる店舗が少ない。
中華系の店はだいたい騒々しい。それに、私が行くとすれば刀削麺の店になる。静かに話ができる環境にはない。蕎麦の店はいつも満席だ。格闘という二文字がピッタシの、フードファイターご用達といった感じの蕎麦屋である。いや、会社の近くに静かにゆったりと話ができる店もあるのだが、問題はメニューが二択と言うことだ。
どうしよう。
近所に新たな店が開店していないだろうか。一縷の望みをかけてネットで検索する。
あった。
しかも会社から近い。お洒落なカフェ系の店だ。これならばゆったりと話をしながら食事ができるだろう。本日のランチはこの店に決定なのだ。
Bistro Roven(ビストロ ローブン)芝公園
13時に会議を終えて会社を出る。私はランチ後に新幹線で刈谷まで移動だ。歩くこと数分、お洒落な店構えが現れた。
ランチメニューを確認する。ざっくりと言えば、ロールキャベツ、ハンバーグ、カレーの三択になっている。ロールキャベツとハンバーグはデミグラス、トマト、ホワイトの三種類からソースが選べる。
店内はさほど混んでいなかった。ナチュラルを基調とした、清楚な感じの清潔感あふれる、おシャンティな内装である。
さて、何を食べようか。改めてメニューを確認。サラダとスープ、パンもしくはライスがセットになっている。パンはお代わり無料、ライスも大盛り無料である。いつもなら炭水化物を控えめにするのだが、今日は朝からやたらと空腹で、大盛りにしないと気が済まない。私はロールキャベツのトマトソース、ライス大盛りをオーダーした。スタッフはホワイトソースにパンをセレクトしたのだった。
まずはサラダとスープが運ばれてきた。シャキシャキのレタスに玉ねぎが香ばしいドレッシング。干しぶどうの甘みと食感がいいアクセントだ。個人的には、もう少しボリュームがあってもいいかなと思う。ミニサラダだから、こんなものか。いやいや、もっと野菜を食べようよ。
ポタージュは割とさっぱり。ライトな味わいである。量もこの程度で満足だ。
トイレは洋式、温水洗浄便座である。
ロールキャベツ
運ばれてきたのは赤いトマトソースの存在感がなかなかのロールキャベツ。見た目にもボリューム感がある。赤いソースの上には白い筋。サワークリームだろうか。付け合わせはオクラ、カブ、ポテト。彩り良く、白い皿がカラフルな原色で飾り立てられたかのようだ。
白い無地のボウルによそられた白いご飯。大盛りと言っても、定食屋の普通盛りだ。モノトーンを否定するかのような緑の青のりトッピング。さすがカフェ飯だ。男の食事ではない。
スタッフが頼んだパンは見た目にもカラフル。しっとりとして、美味しそうなのが容貌から見てとれる。
そしてホワイトソースのロールキャベツ。まるでホワイトチョコをまとったケーキのような、クリスマス仕様を思わせるビジュアルに、赤い胡椒の実が映える。あくまでもおシャンティなのだ。煙が立ち込めた、焼き鳥屋の濃厚トリポタラーメンとは違うのだ。
ロールキャベツにナイフを入れる。柔らかく煮えたキャベツを切るのに、それほど力を必要としない。中にはたっぷりのひき肉の塊が出現した。こいつがコアか。肉汁がたっぷりである。トマトソースをたっぷりと絡ませ、口に運ぶ。
ああ、なんと官能的な味わいだ。脂の甘み、肉の旨味、トマトの酸味とキャベツの香り。これらをライスがしっかりと受け止める。これはたまらん。ビールが飲みたくなる。付け合わせの野菜たちはしっかりとした食感に素材の味わい。クタクタに煮込まれたロールキャベツとは対照的である。飽きさせない工夫が見てとれる。
だが、この程度の量は数分で撃破なのだ。今日の私は飢えているのだ。大盛りライスでも物足りない。だが、美味さには満足なのだ。
ごちそうさま
スタッフが誕生日祝いだからと、ランチをご馳走してくれた。心遣いが嬉しい。私と違って細やかな気配りができるから、頼もしいのである。頼りにしてるのである。
さて、会社に忘れたカバンを取りに行くか。あれ、カバンがないということは、財布も無いということだ。ランチ代を払おうにも、私は金を持っていない。危なかった。色々とスタッフに感謝である。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)