焼助 牛タン焼き
グルメ

宮城県仙台市 居酒屋 やきとり・牛たん 焼助 国分町店

客に感謝されない商売

午後いっぱいを使った長い会議が終わった。様々な職種の中小企業経営者が集まって議論を深める。悩みもいろいろだ。岩手県のとある社長は、代々地元でパチンコホールを経営している。以前、彼が話したことが印象的だった。

「私たちの商売は、お客様に 『 ありがとうございます 』 と言ってはなりません。お客様から『ありがとう 』 とも言っていただけません。お客様には感謝しろと社員に言っても、負けた客には暴言を吐かれますし、なかなかやりきれないものがあります。」

確かにそうだ。私もパチスロをやるが、買って当たり前、負ければ悔しい。店員に対して暴言を吐くことはないが、八つ当たりしたくなる気持ちは分からないでもない。今回、彼には差し迫った新しい悩みがあると言う。

「最近のアニメが分からんのですよ。」

まあ、アラフィフで最近のアニメを見る方が少数派であろう。私だって同年代にはまるで話が通じない。だから若い娘と話す方が楽しいのだ。

「最近の新機種はアニメばかりなのですが、さっぱり分からないので、どれを買えばいいのか迷っているうちにヒット機種を買い逃して、若い社員から、社長、どうして買わないんですか、とか言われてですねえ…」

ピンと来た私の口をついて出た言葉は、

「リゼロ?」

彼がすがるよう目で私を見た。

「そう!それなんですよ!そうか、けいたまパパさんに聞けば良かったんだ!もう、最近のは全然分からなくて…」

まるで天から垂れた一条の糸を見るかのごとく、私に顔を向けながら話す彼の表情には、少し明るさが戻っていた。あれは名作ですよ。アニメもパチスロも素晴らしいので買いなさい。Re:ゼロからはじめる異世界生活。エミリアたんが待っているぞ。私はレムの方が好きだ。

居酒屋 焼助 国分町店

会議の後は懇親会と相場が決まっている。会場は国分町の「焼助」だ。牛タンと焼き鳥専門店である。

生ビールのジョッキに小鉢とコップ

生ビールのジョッキに小鉢とコップが出てきた。

お通し春雨

お通し、春雨がさっぱりして美味い。コップの中は鶏ガラスープ。出汁がよく出ている、滋養深い味わいのスープだ。新鮮なまる鳥を店でさばけば大量のガラが出る。これを煮込めば上等な出汁が出るのは必然。食前酒ならぬ食前湯。これは食事が楽しみだ。

グリーンサラダ

コース料理一品目はグリーンサラダ。みずみずしい野菜に和風ドレッシングがとても合う。緑色のベビーリーフに色鮮やかなプチトマト。原色の取り合わせが見た目にも楽しませてくれる。

刺身はカツオとハマチ

刺身はカツオとハマチ。この季節の東北ならば戻り鰹だろうか?しかしほどよい脂のノリは初カツオをも思わせる。生姜醤油で爽やかな味わい。ああ、いいなあ。ハマチは大葉と一緒にいただく。

牛タンと焼き鳥を堪能する

さあ、ここからは鳥料理である。まずはぼんじりのタレ。サクサクというかじんわりというか、独特の食感に脂ののった味わいに甘めのタレがよく絡む。普段は塩で食べるのだが、たまにはタレもいいな。焼き鳥がジャンジャンバリバリ出てくる。

ぼんじりタレ

続いてはこの店名物の牛タンである。美味そうに焼き目の付いた厚切りの牛タンに、白菜浅漬けと辛子高菜。不味いわけがない。

なにこれ?おもむろに一升瓶が私の前に置かれた。

日本酒ミスターサマータイム

Mr.Summer Time.

え、これってもしや…?

「そう、サーカスの名曲ですよ。」

マジか?!飲まないわけにはいかない。うわ、なかなかいいな、この酒。

何か珍味らしいがよく分からない。味も覚えていない。いや、食べたことすら忘れていた。

何かの珍味

砂肝塩焼き。これも滅多に食べない。砂肝は煮込みに限るのだ。まあ、たまに食べると旨いと感じるものだ。

砂肝塩焼き

締めは出汁の効いた鶏茶漬け。さっぱりしているのにコクがある。鶏スープに始まり鶏茶漬けに終わる。量も少なめでちょうどいい。現在の空腹度は小腹が空いた、程度なのだ。

特製鳥茶漬け

話が盛り上がってしまい、食べ損ねた料理もいくつかあるようだが、久しぶりに見る顔、初めて会う人、それぞれに懇親を深めることができた。また来る機会があれば、今度はコースではなく、ゆっくりまったりとアラカルトで食べてみたい。