閉店した店、する店
ランチの後、那覇から仙台行きの便に乗る。今晩は仙台市に住む知人と飲むことになっている。会議を終えてからの合流のため、待ち合わせは20時。指定された場所は、ラーメンおっぺしゃん青葉通り店の前。時間ちょうどに着いたのだが、知人はおろか、道歩く人もほとんどいない。こんな場所に穴場の店でもあるのだろうか。送られてきたLINEを確認するが、指定場所に間違いはない。
念のため、店の写真を知人に送る。すぐに電話がかかってきた。会議が長引いたのだろうか。
「ごめんごめん、待ち合わせ場所は広瀬通り店なんだよね。なんで青葉通り店を送ったかなあ。」
はあ。
お茶目だな。そのままアーケードを北に向か絵と言う。指示通りに歩いていると、Apple Storeを見つけた。確かこの店は間も無く閉店するのでは…やはり、そうだった。杜の都ではやっていけなかったのだろうか。
その後、知人とは無事に合流を果たした。後日、確認したところ、広瀬通り店は昨年末で閉店していた。久しぶり…ではない。先週、鬼怒川温泉でも会っていたが、ゆっくり話ができなかったので、まずは知人が予約を入れた店に行くことになった。
三代目
知人に案内された店に入ると、カウンター席に通された。眼前にメニューが貼ってある。色々あるな。これは楽しめそうだ。
まずはお通し。薄味でなかなかの松前漬けと、ジーマーミー(落花生)豆腐のようなもっちりした豆腐だ。
さて、何を食べようか。できるだけ地のものが食べたいので、北海道産の素材は遠慮したいところである。とは言え、下田産の金目鯛は捨てがたい。ぜひとも食べてみたい。
下田産金目鯛炙り
キンメ甘い。炙った焦げの香りもいい。
気仙沼産の殻付き生かき
かき酢をレモン添えに変更してもらう。見た目がでかい。食べれば口に中に牡蠣の甘みとエキスがいっぱいに広がる。これらを田酒で胃に流し込む。
至高だ。
山菜天ぷら
まだ一月だというのに、もう採れるのか。それともハウス物だろうか。なんだっていい。新春と言うくらいだ。七草かゆだって、実際にはまだ生えていない草を食べるではないか。春の便りを食って何が悪いというのだ。さあ、春の息吹を感じさせてくれ。
ふきのとうのほのかな苦味。タラノメのやわらかな食感と甘み。ああ、口の中がSpring has come。春が来た。田酒を飲めば、まるでバーチャルお花見。
北海道産つぶ貝刺身
知人がつぶ貝を食べるという。北海道産ではないか。なぜこの地で北海道のものを食べねばならぬ。うん…なんだか香りが控えめだ。これ、北海道産だよなあ。だったらもう少し香りが強い気がするのだが、まあいい。
宮城産活北寄貝刺身
さあて、北寄貝と言えば、苫小牧をはじめとする、北海道が一大産地だ。金魚草の黄色と大葉の緑色、鮮やかな原色がモノクロームの北寄貝を見た目にも引き立たせている。では、見せてもらおうか、宮城産の実力とやらを。
ほう、なかなかやるじゃないか。香りは北海道産のものより控えめに感じるが、肉厚な身は食感もよく、甘い。わさび醤油との相性がものすごくいい。
定義山三角揚げ焼き
厚揚げでは無い。栃尾の揚げとも違う。ふわふわしすぎない。美味くて食べやすい。キリッとしまった醤油とマッチする。なんでも仙台名物だとかで、定義山の豆腐屋でしか売っていないそうだ。
ああ、久しぶりに美味い魚介類を食べることができた。ご当地の美味いものを食うと幸せになれる。今日の締めは、またもや麻婆豆腐なのだろうかなどと考えつつ、知人と店を後にした。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)