志の家
本日の宿はTKPアパホテルガーデンシティー札幌駅前だ。このあたりは駅から近くて便利だがランチを食べるには不便だ。特に蕎麦屋はどうにもならない。真っ白で細い更科蕎麦が食べたい。先日は花喬に行ったのだがここからは少し遠い。午後の会議はアパホテル札幌が会場である。ネットで調べると通り道によさげな蕎麦屋を見つけた。ランチはここで決まりだ。
タクシーで店に向かう。なぜかプリンスホテルで降ろされる。まあ、いいや。少し歩くと、綺麗に手入れされた庭園の中に店を見つけた。ドアを開けると、店内は少し混んでいた。大きなテーブルに案内される。
メニュー
さて、なにを食べようか。
向かいに座るカップルは天せいろを食べている。蕎麦の色はグレーだ。並粉だ。隣の人の蕎麦は白くて綺麗な更科だ。メニューには並粉は50円増しと書いてある。ならばデフォルトは更科のはずだ。並粉の方が高いのは珍しい。
個人的に温かい蕎麦はないな。美味い蕎麦は冷たくして食べるものだ。
蕎麦抜きもあるのか。酒飲みには助かるな。天ざるもいいが、炭水化物率が上がる。肉も食べたいからここは鴨せいろなのだ。ネットには卵焼きもお勧めと書いてあったが、二人前からとある。今回は諦めよう。
鴨せいろ
ランチタイムは禁煙なのが嬉しい。店内は明るく、フロアにもスタッフがいる。窓から見える庭園の景色もいい。花喬が質実剛健とすれば、こちらは雅やかだ。
蕎麦が来た。美しい。花喬に勝るとも劣らない。更科はこうでなくてはならない。蕎麦をハシでつまみあげ、ツユにつけて口に運ぶ。喉越し良く、コシのある、伸びもある蕎麦。やや辛口のつけ汁の濃さもちょうどいい。鴨肉は歯ごたえはあるものの硬くはない。山椒を加える。いい香りだ。鴨せいろには七味よりも山椒の方が個人的には好きだ。
美味い。箸が止まらない。
すぐに食べ終わってしまった。お代わりなのだ。
蕎麦の前にお代わり用のつゆが来た。熱々で濃いめなので、冷たいくて薄まったつけ汁を再生してくれる。水っぽい汁で食べなくて済む。嬉しい気遣いだ。そしてお代わりせいろ。最初のものより冷たく、コシもある。美味い!花喬に匹敵するだろうか。
最後にいい感じに白く濁った蕎麦湯をつけ汁にたっぷりと入れて飲む。
まいうー!
カモとカツオが相まって、ただの蕎麦つゆよりも美味い。これはもうスープなのだ。
トイレは綺麗だ。温水洗浄便座だ。
再び私の向かいに二人組の年配客が座った。カレー南蛮をオーダー。カレー?蕎麦の香りもクソもなくなるというのにカレーだと?この更科をカレーにしてしまうというのか?そんなバカな!しかし食べ物は嗜好品だ。ジャガイモに塩辛をつけて美味いという人はそうやって食えばいい。カレーでもなんでも好きにしなはれ。
カレーと釜揚げはうどんに限るのだ。
ここは花喬よりも場所的に来やすい。花喬だと、蕎麦を食べる姿を大将に監視されるのもちょっとプレッシャーなのだ。それにここなら家族連れもOKなのだ。次回は天ざるを食べてみたい。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)