そば 福住
札幌パークホテルで何人かと集まり、食事に行くことになった。ランチだ。12人もいるとホテルのレストランは無理だ。
「向かいに蕎麦屋があるべさ。」
向かいにあったっけ。ホテルを出る。天気は曇り。道にはそれなりに雪がある。ホテルの敷地を出ると、向かい側に確かに蕎麦屋があった。
12人も入れるかと思ったのだが、ギリギリ入れた。私は四人と窓際のお座敷席に座った。
メニュー
さて、何を食べようか。
セットものは、うーむ、蕎麦ジンギスカン丼。
「ジンギスカンはいいべさ。」
名寄市民が言う。彼の地は煮込みジンギスカンで有名なところだ。食べ飽きてるのだろう。私も蕎麦と一緒には食べたいと思わないなぁ。
蕎麦のメニューに行ってみるか。とっぱち蕎麦ってなんだ。美幌町民が解説してくれた。
「イカとタコの天ぷらですよ。足の数がイカは10本、タコは8本、それでとっぱち(十八)なんでしょう。」
なるほど。じゃあ、種ごみ蕎麦は?根室市民が答える。
「ほら、具が色々入ってるのを種ごみって言うべさ。おかめ蕎麦のことだよ。」
ふーん、そうなのか。じゃあ、天丼セットで。
「おかあさん、ビール二本!」
名寄市民が酒を追加する。いや、私は昼から飲むのはちょっと…あ、どうも。かんぱーい!」
呑んでしまった。
天丼セット
さて、蕎麦がきた。天丼はスカイツリーさながらだ。いや、ここは札幌だからテレビ塔か。蕎麦をいただく。ん?なんだか普通の蕎麦と違うぞ。まるでパスタのようだ。白い蕎麦は丸くてツルツルだ。蕎麦とうどんは粉をこねて、薄く伸ばしたものを細く切る。蕎麦切り、麦切り(切り麦)と呼ばれる所以だ。丸く伸ばすのは手延べうどんやそうめんだ。それが、ここの蕎麦は違う。独特だ。
ボリュームもあり、味もなかなか。蕎麦は好みの分かれるところだろう。
この店の本店は標津町にあり、そこで修行した人が暖簾分けして、あちこちに同名の店があるのだと、根室市民が解説する。標津は根室の近くにある。野付半島が有名な場所だ。近くと言っても90キロほど離れているが、北海道の感覚では隣町だ。
この白い蕎麦を見たら、北見の更来(さらい)の更科そばが食べたくなった。来年は秋に美幌に行く。きっとその時に食べれるだろう。いや、食べに行くに違いない(笑)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)