番屋ダイニング ねむろの蔵
北海道は広い。だが、なんと言っても海産物の宝庫は道東と呼ばれる北海道東部なのだ。紋別、網走、根室、釧路。オホーツク海から太平洋にかけて、好漁場があるのだ。カニが獲れるのも、ウニが獲れるのも道東だ。根室からとれとれの鮮魚を持ってきて店で出す。ああ、ここか。
店頭メニューだ。生ガキフライ、赤ホヤ刺身、ソイ刺身に花咲かに甲羅詰めが一万一千円!?しかし今夜はコース料理だ。私の個人的な欲求など、何も考慮してもらえないのだ。私の気持ちなど入る余地もないのだ。
だからコース料理は嫌いだ。
席に着き、ハイボールを頼む。ビールは十分に飲んだ。ハイボールを早くよこせ!食いもんも持ってこーい!したっけ、こちとら腹が減って、イライラしとんじゃあ!
メニュー
店内のメニューに目がいく。なんじゃ、こりゃ?エゾシカメンチカツ、生牡蠣酢、帆立貝柱フライだと?
こちらには北海シマエビにエゾシカモモ肉串カツ。食べたい。食べたいよー!
イライラする。
コース料理
まずは刺し盛りだ。うむ。食うぞ。タコ旨し。柔らかくてみずみずしくてコクがある。最近、世界的にタコの需要が増えて、値上がりしているという。そうなのだ、タコは美味いのだ。北海道のタコは特に美味いのだよ。クジラは馬肉にも似た味だ。にんにくが欲しくなる。サーモンとカツオはパスだ。花咲カニを食べるのを忘れてしまった。
無念。
続いてはそいのカルパッチョ。これも美味い!レモンの酸味が淡白な味を引き立てる。刺身と間違って醤油をつけた女子がうまいとのたまる。まあ、それもありだろう。
焼き鳥盛り合わせ。これまた旨い。つくねは柔らかい。一味とわさびと塩をかけると、コクが増して一段と美味くなる。鳥串と豚串は君に任せたよ。誰か食べておくれ。
干物三点セット。ホッケは嫌だ。子供のころ、散々食わされたので、食べたいと思わない。シャケも干物だと朝飯専用だ。酒のつまみにはならないよ。美味そうだけどね。
こいつは旨そうだな。コマイを食べる。ふむ、骨が硬くない。これなら丸ごとバリバリといけるな。癖がなくて一味マヨネーズとの相性もバッチリだ。いや、美味い美味い。
揚げ物
こいつも食べてみたかった。オヒョウという名前は馴染みがないのだが、実はフィレオフィッシュはこいつのフライだ。オヒョウだ。ただ外食チェーンのものは、輸入ものの巨大なオヒョウを使っていたはずだ。北海道産はそれほど大きくない。一口食べる。
しょっぱい。
身は柔らかくてサクサク揚がって食感いいのに残念。塩漬けでも揚げたのだろうか。
メインディッシュだ。若鳥半身揚げ。見た目にもインパクトがある。食べてみると肉が柔らかくてジューシー。こちらは塩加減もバッチリ。美味いねえ。
腹がいっぱいだ。さすが北海道。コース料理もひとあじ違う。それでもあえて言おう。
ホヤが食べたかったと。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)