堂の浦 鯛塩ラーメン

徳島市 堂の浦 鯛の塩ラーメンと超替飯(生卵)

2年ぶりの徳島

久しぶりの徳島だ。ゆっくりしたかったのだが前後に予定が入っているためにとんぼ返りだ。沖縄から高松まで飛んで、レンタカーで徳島へ。翌日も沖縄行きは午前便だから深酒すると睡眠不足と二日酔いで運転することになるから、キリのいいところで切り上げないと大変なことになる。果たしてそんなことが可能だろうか?

「今日は3杯で酒をやめるぞ!」と自分に誓ったところで結局は三軒くらい行ってしまうから、酒量にアナログ的な制限を設けることは不可能なので、飲むか飲まないかとデジタルにやるしかない。しかし、今日は知人の激励会のお祝いの席だから飲みにきたのだ。だとすれば明日のことを考えて日付が変わる前に酒を飲むのを止めるしかない。できれば今日中にホテルに戻りたいところだ。

実は今回の徳島行きの目的がもう一つある。それは鯛ラーメンを食べることだ。しかもこの店、開店が午前0時なのだ。その時間まで飲んでいて食べに行けるのか、この2年でだいぶ酒も弱くなった自分には自信がなかったが、やるしかないのだ。

徳島ラーメン

徳島ラーメンといえば醤油ベースのこってり豚骨で有名だ。食べてる途中で生卵を落とすのも特徴だ。有名店がいくつもある。地元の知人によれば、徳島ラーメンと和歌山ラーメンは似ているという。確かにこの二箇所は対岸にあり、フェリーも運行している。私も何度か利用したことがある。

もうどれくらいに前になるだろうか。和歌山カレー事件というのがあった。林真須美が殺虫剤入りのカレーを運動会で食べさせたのだと記憶している。その時に大勢の新聞や雑誌の記者、テレビ関係者が和歌山に長期滞在した。

彼らのあいだで「なんだかここのラーメンは美味いぞ。」と話題になり、和歌山ラーメンが有名になったところ、さらに彼らのあいだで「対岸の徳島ラーメンも美味いらしいぞ。」と、こちらも話題になって段々と有名になったとのこと。いわばカレー事件のおこぼれに預かって有名になったんやなどと身もふたもないことを言う(笑)

徳島ラーメン

四国四県はそれぞれが特徴的な県民性だ。徳島は関西のノリがある。なのでぶっちゃけた物言いをする人が少なくない。行政が「VS東京」というブッとんだ動画を作成するようなところだ。この動画はワイドショーでも取り上げられ全国区で話題になった。徳島県人曰く、

「高松は政治の街と気取ってるが水源は徳島だ。徳島がその気になったら高松はすぐに干上がる。」

だとか

「高知はこすい。仁淀川が水質全国一言うてるが、あんなもん、過去5年で一度なっただけで、他はずーっと吉野川や。何を言うとんのや。」

それぞれの県民が聞いたら怒りそうだ。愛媛県について聞くと

「あっこはいい。愛媛はいい。接してないから喧嘩にならん。」

お隣同士は仲が悪いんだね。あれ、こんな話、以前にも何回かあったような…

堂の浦 栄町本店

2年前に徳島に来た時、初めて連れて来てもらった。いつもは行列していると言うのに、たまたま人が並んでいなかった。時間は確か午前2時ごろだ。だいぶ飲んでいたのにサッパリとした上品な味が忘れられなかった。もともとは料亭で大量に廃棄されるタイの骨を見て思いついたのだと言う。夜まで仕事をしてるので深夜しか営業できないのだと聞いた。

目的の店は飲み屋街にある。二軒目を出たのが23時半だった。店を出て2分も歩くと店に着いた。開店前だがすでに数人が並んでいた。オープンまでは20分ほどある。12〜3名で店まで来たはいいが、私を除いて全員が待ってられない、深夜に来るよと告げて夜の街に消えた。

何分か経ち、店員の若い元気な女性が手書きの整理券とメニューを持ってきた。整理券には「3」と書かれている。新作ラーメンも気になるがここは当初の予定通り鯛塩ラーメンの並だ。前回は気付かなかったのか忘れてしまったのか、残り汁に飯を投入して食べると描いてある。これはぜひとも挑戦せねばなるまい。注文を告げると女性は店に入って行った。後ろを振り返ると行列はかなり後方まで延びていた。さっき並んでおかなかったら1時間は待つんじゃないだろうか。

メニュー

0時になった。店員が出てきて中に入るように案内される。入口は狭いが中は広いと言うか、カウンターが長い。10人以上が座れる。奥には部屋があるようだ。カウンターの一番奥に通される。続々と人がカウンターに座る。すぐに満員だ。早くラーメン出てこい。

鯛の塩ラーメン

iPhoneの電池が残りわずかだ。空腹よりもそちらが気になって仕方がない。安心してください。すぐに出てきましたよ。ああ、これだ!澄んだスープに細ストレート麺。トッピングはカイワレと鯛皮せんべいにすりゴマ。

まずはスープを一口。タイの香りが強烈だ。口の中にバーッと広がる。薄味の上品な塩味がたまらない。続いて麺をすする。硬くもなく柔らかくもなく、スープがよく絡む。美味いぞ。カイワレが口の中をサッパリとさせてくれる。パリパリの鯛皮せんべいの食感が楽しい。箸休めにもなる。見た目は量が少なそうだが、飲んだ後に食べるにはいいくらいの量だ。若い人や大食漢には物足りないだろうからメガ盛やギガ盛が用意されてるのだろう。

いつもならここで終わりだ。今日は違う。ついついスープを飲みすぎないように気をつけて食べた。これだけスープが残っていれば問題ないはずだ。さあ行くぞ。下品に飯をぶっ込んで喰らおうじゃないか。

超替飯(生卵)

再びメニューを見る。替え飯、普通だ。明太替え飯、ここは四国だ。チーズ替え飯、リゾットの気分ではないな。超替飯(生卵)、超がつく生卵。英語にすれば「Ultra additional rice with a fresh egg. 」そう言えば知人は養鶏場を経営している。本当かどうか知らないが、サッカー元日本代表の誰それがテレビで一押しの卵だとほざいていたな。いいだろう、見せてもらおうか、その生卵の性能とやらを。

十五穀米に生卵と塩昆布。ふーむ。

躊躇なくスープに打ち込む。

一気に混ぜる。十五穀米が見えなくなる。スープを残しすぎたか?こんなことならもっとスープを飲みたかったのに。認めたくないものだな、若さゆえの過ちとは。

当たり前だが、レンゲですくってみれば十五穀米はどんぶりの底に沈んでいた。さあ食うぞ!一気に食べる。うをを!鯛だしと玉子のハーモニーがたまらない。塩昆布がアクセントを添える。これは美味い、マジ美味い!ヤベエ!量も絶妙だ。さらっと流し込むかのように食べられる。スープも余らない。どんぶりの底もバッチリ見える。特に何も描かれていないが完食だ。これで九百円は安い気がする。恐らく一時的な感情だろう。空港のラーメン店じゃあるまいし、飲み屋街でラーメンに千円以上払えるか。

店を出る。外の行列は先ほどよりも増えている。開店前に並んでよかった。今日のミッションを二つとも達成した充実感に浸りながらホテルへと歩くのだった。

鯛ラーメン 堂の浦 栄町本店 公式HP

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