新大阪駅 浪速そば
台風も九州に去り、天気は悪くはない。普段と逆方向に進む台風なので、台風一過とはならないのだろう。それでも新幹線は朝から正常運転だった。素泊まりだったので、朝食をどこかで食べなければんらない。
さて、何を食べようか。
いやいや、私は心に密かに決めていた。JR新大阪駅構内の立ち食いうどん。以前、大阪に仕事できていたときは、ここでうどんを食べるのが私の朝食だった。ここ数年は、朝方に新大阪駅で乗り換える機会もなく、足が遠のいていたが、久しぶりの訪問だ。うどんとの邂逅だ。
楽しみだ。
新大阪に着いた京都線を降り、エスカレーターで上がる。さあ、いよいよだ。久しぶりの対面だ。何を食べようかあ…あれ?店が見当たらない。
なんで?
案内図を確認する。そうだよな、一番奥の一角にうどん屋があったはずだ。案内図にもそのように書いてある。
もう一度、うどん屋のある場所に向かう。
え?
うどん屋は小綺麗な店に変貌していた。しかも、うどん屋ではない。浪速そば。蕎麦屋?大阪で蕎麦? あの雑多だが、うどんの湯気と大阪の熱気を感じられた店は無くなっていた。店内はゆったりとしているが味気ない。メニューは壁に掛かった料理札で十分だ。見本など要らぬ。
メニュー
だが、ここで食事をしなければ駅弁を食べることになる。それは嫌だ。ならば食べるしかない。うどん屋には違いないから、もしかしたら昔より美味くなっているかもしれない。やはり、かき揚げか?けつねうどんか?それとも肉うどんにするか?
脳内で激しく飛び交う選択肢の前に現れたは、売上第二位の「浪速スペシャルうどん」。
うむ。
ここはなにわだ。浪速だ。こいつを食べろと、私の魂が叫んでいるような気がしないでもない。決めた。こいつだ。店内に入ると、入口のカウンターでうどんを注文する。そのまま店の奥のカウンターに進み、呼び出されるのを待った。そうだ、水を汲みに行かなければ。コップを取った水を入れようとした時に、私のうどんが呼ばれた。
浪速スペシャルうどん
お盆に載ったなにわうどんをカウンター席に運ぶ。よし、まずはスープからだ。ん?薄口だが味が単調だ。立体感がない。七味を加える。少し味わいが広がる。スープには牛肉の味が染み出している。次にうどんだ。コシがない。悪い意味で昔ながらの立ち食いそばのゆで麺と同じ感触だ。
え?まさかのグレードダウン?デグレ?
仕方ない、食べるしかない。半分ほど食べたが、キツイ。完食できる気がしない。
関西はやはり青ネギ文化だな。食べながら思う。牛肉は煮込みというよりしゃぶしゃぶだ。ストレートに味わえるが、やはりここは味付けであるべきではないだろうか。
とにかく量が多い。みんな食べきれるのだろうか。半分残してリタイヤ。ごめんなさい。食器を下げに返却棚に向かう。他の器を見て気付く。
小さい。
カウンターからうどんを運ぶ他の客の器も小さい。
やられた。
たまに冒険するとこれだよ。やっぱり立ち食いはかき揚げに限るのだ(涙)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)