今日のランチ
帯広からJALで羽田に着いたのが昼前のこと。どうやって前橋まで行こうか。モノレール→京浜東北線→新幹線→両毛線がオーソドックスな経路だが、これには大きな問題がある。
昼飯が食えない。
東京駅では無理だ。駅構内に食事ができる店はほとんどない。弁当は避けたい。夕方までに前橋に着けばいいので、急ぐこともない。浜松町も昼時で店がものすごく混んでいるだろう。大きなスーツケースを持ち歩いて店に入るのは憚られる。高崎まで我慢するか?うーん。遅すぎないかな。
ふと、リムジンバスがあるのではないかと思い調べると、25分後に大宮行があるではないか。おそらくこの後、荷物が出てくるまで15分としても、バスの発車10分前だ。これなら間に合う。大宮から新幹線の方が乗り換えもラク、いやスムーズだ。手荷物受取場でクレーンが動き出すのを待つ。
ほどなくしてキンコン、キンコンとベルが鳴り、ベルトが周り出すと、ベビーカーに続いて私の荷物が出てきたところでクレーンが停止した。となりのクレーンも停まったようだ。よく分からないが、時間もないし、自分の荷物はゲットできたので、私はバス乗り場に向かった。
いつもなら、バスは山手トンネルを通って池袋に抜け、そこから埼玉に入り、美女木を通ってさいたま新都心へと向かう。バスの中でパソコンで仕事をしていたために、窓の外を見ていなかったのだが、窓が明るくなったので、もう池袋に着いたのか、早いなと思ったら「西神田」の表示が見えた。あちらが渋滞なのだろう。今日は環状線を通るようだ。首都高5号線はこの辺りから板橋まで、慢性的に渋滞している。仕方がない。
中台を抜けたあたりからバスはぐんぐんと速度を上げ、予定より少し遅れて、さいたま新都心駅に着いた。次は大宮だ。さて、なにを食べるか。ネットで検索してみる。
えー?!
ラーメン屋ばっかり?!
埼玉ってそんなに食が貧しいのかよ…確かに名物も特産も大してないからなぁ。
- 草加せんべい
- 深谷のネギ
あとは地味に野菜作ってるしなぁ。
mango tree cafe
バスを降りて、駅周辺を少し歩くが、飲み屋かチェーン店ばかりだ。ダメだ、駅に行くしか無い。エスカレーターでコンコースに上がる。ルミネ、そうかルミネのレストラン街だ。何があるのか。ちょうど、目の前の大型モニターに店の説明が映っていた。うーん。あ、小籠包。これ、いいかも。エレベーターで4階に上がる。思ったよりもたくさんの店がある。思い出した。私はここにきたことがある。
ランチのピークを過ぎたとはいえ、まだ人はそれなりにいた。並んでいる店もあった。それらを通り抜け、目的の店を探し出すが…うーん。店外のメニューを見て考えてしまった。
- 広東セット
- 上海セット
- 北京セット
こういうことをしてるということは、チェーン店なのだろうか。一気に食べる気が失せる。
メニュー
んー、確か同じフロアに…あった!タイ料理だ。ここはエスニックで行こう。この、ガパオとカレーと麺が楽しめる「大宮スペシャル」が良さそうだ。
店はそれほど混んでいなかったので、ゆったりとした席に案内される。メニューを見る。んー、考えてみたらガパオは別にいいか。自分でも作れるし。そうなると、麺にするか、カレーにするか、それが問題だ。
ん?ハーフアンドハーフ?二種類の料理が楽しめる?
これだよ!麺はチキンの汁そば…いや、パクチーの汁そばだ。カレーは…グリーンカレーはエビか。チキンじゃないのか。じゃあ、今日のカレーにしてみるかな。タイのスープカレーとか言ってたな。店員を呼んでオーダーする。ここで問題が起こる。
「パクチー汁そばはハーフアンドハーフできません。」
店員からの指摘に狼狽する。ううう。単品でがっつり味わうか、ハーフアンドハーフで麺とカレーを堪能するか。
どうする?
どうする、俺?
「じゃあ、タイの汁そばと今日のカレーで。」
やはり両方楽しみたいじゃないか。
タイの汁そばと今日のカレー
すぐに前菜が出てきた。水餃子のチリソース?皮が厚い、中国の水餃子みたいだ。甘辛いソースがモチモチの皮に絡む。具はにくとパクチー?うまい。
ほどなくして麺もカレーも運ばれてきた。まずは麺のスープを一口飲む。チキンの味が効いたスープは優しい味だ。胃にしみる。麺をすする。米粉麺はツルツルで気持ちいい。噛むともやしのシャキシャキとした食感とパクチーのガツンとした香りが口の中に広がる。美味い。もっとパクチーが欲しいところだ。
何を隠そう、私はパクチー大好き人間なのだ。
タイの汁そば
何口か食べたところで、ふと思う。これはこれでうまいのだが、何か物足りない。上品すぎる。スパイシーではない。
そうだ!
テーブルの調味料を手前に寄せ、唐辛子と酢とナンプラーを足す。混ぜて食べる。
これだよ。
辛さと深み、酸辣(酸っぱ辛い)、汗が吹き出る。これがタイ料理だよ。すぐに完食。美味かった!
スープカレー
さて、スープカレー。固めに炊かれたご飯が美味しい。長粒米が大好きなのだ。だが、このスープカレーは…うーん。表現が難しい。独特の香りがする。何のスパイスだろうか。わかった。カーだ。生姜のようなウコンのようなタイ料理に欠かせないスパイスだ。これが立ちすぎている。
よくみると、カーとレモングラスの小さなスライスがたくさん入っている。これは食べないのに…スプーンで皿から取り出す。汗が噴き出してくる。何なんだよ…これも食わすつもりかよ。
まあまあ無くなったので改めて食べてみる。微妙。そもそもタイカレーにスープカレーなんてあるのかよ。ご飯が美味しいのにもったいない。グリーンカレーにすればよかった。
いや、パクチー汁麺にすればよかった。
二兎追うものは一兎を得ず。
大宮 mango tree cafe 公式HP
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)